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ALLNIGHT HAPS 2020「翻訳するディスタンシング」

アーティストの佃七緒による企画「翻訳するディスタンシング」は、人と人が接触するとき、作品と人が接触するときに発生する「翻訳」について、実際に作家と企画者、翻訳者が共同で行うことで再考を試みるものです。
作家は、作品や自身の活動についてのテキストをしばしば執筆します。そしてそれは多くの場合、データとして参照される際の必要性から、現代美術のデファクトスタンダードである英語に翻訳されます。佃は、そうしたテキストを「翻訳」したい作家を広く公募し、必ずしも美術を専門としない第三者を介入させ、約半年に渡る対話を行います。これにより、今回の「翻訳」には、単なる言語上の変換だけでない、第三者へ真意を伝えるための自己分析と対話の必要性が発生します。他者を介した「翻訳」により、作家が何をどのように鑑賞者へ提示しようとしていたのかが明らかになることで、作品そのものにも新たな息吹が吹き込まれることでしょう。

概要

ALLNIGHT HAPS 2020「翻訳するディスタンシング」

プロジェクト期間:
2020年7月~12月(翻訳のための対話)/
2021年1月~3月(HAPSギャラリー展示)
 
企画:佃七緒
出展者:小出麻代/小林太陽/西尾佳織/長谷川由貴/村上美樹
 
展覧会 会期
第1期 1月15日〜1月26日
「《形代 – constellation》 点をつなぐ」 
作家:小出麻代 協力者:山森裕毅
 
第2期 1月29日〜2月9日
「《Thinking in the Midnight》」 
作家:長谷川由貴 協力者:三林寛子・石井佑基
 
第3期 2月12日〜2月23日
「《good conversation》」 
作家:小林太陽 出演:具本媛・朴徹雄・周すみん
 

第4期 2月26日〜3月9日
《To see my reminiscence thro’ your eyes》
《あなたの目を通して故郷を見る》
作家:村上美樹 協力者:三浦隼暉
 
第5期 3月12日〜3月23日
《生活の知恵(生きる技術)》
作家:西尾佳織 協力者:小島尚人・手塚夏子・石見舟・大泉七奈子・アレハンドラ・アルメンダリズ-ヘルナンデズ・大道寺梨乃
 

 
展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:一般社団法人HAPS
支援:2020年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団/アーツサポート関西
 

作家と対話者とのメモ、記録などは「翻訳するディスタンシング」特設ページでご覧いただけます:https://allnighthaps2020.o0o0.jp

企画趣旨

ALLNIGHT HAPS 2020の企画として、作家と翻訳に関するプロジェクトを行います。

「翻訳」という言葉は、単に一つの言語から別の言語に言葉を置き換えることだけを指しません。人と人とが接触するとき、国・文化・人種・分野・システム・考え・身体・色・形、など色々なものを超えてやりとりが生じます。呼びかけた人、呼びかけられた人は、互いに、誤解や誤訳も生じさせながら「翻訳」をたえず繰り返します。作品と鑑賞者の間でも、同様の接触・翻訳が生じていると思います。

この企画では、作家のテキストを母語から別の言語に変える、いわゆる翻訳を、作品制作を専門としない人との対話を通して試みます。作家それぞれの作品制作において、どこまで・どのような言語化が必要なのか、発表する際には、それをどこまで・どのように鑑賞者に提示するのか。日々使ってきた言葉の幅を、既存の枠になんとなく嵌めたまま使っていないか、他者や他の言語を通してあらためて意識する。

「翻訳されない言葉」も、「言語化されない表現」も、丁寧に確認し、作家にとっては次の制作・発表への準備、鑑賞者にとっては次に出会う作品・作家に興味を持つためのささやかな土台づくりとなればと思います。    

(企画者:佃七緒)

出展者プロフィール

小出麻代(こいで まよ)

1983年大阪府生まれ。2009年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程版画分野修了。
近年は様々な場所に赴き、場所そのものや、そこに関わりを持つ人とのやり取りを起点に「記憶」や「時間」にまつわるインスタレーション作品を制作している。主な個展に「黙字」(千鳥文化/大阪/2020)、「形代ーかたしろ」(オーエヤマ・アートサイト、八木酒造/京都/2020)、「うつしがたり」(枚方市立御殿山生涯学習美術センター/大阪/2019)、 グループ展に「日日の観察者」(ANTEROOM/京都/2020)、「生業・ふるまい・チューニング 小出麻代ー越野潤」(京都芸術センター/京都/2018)、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2015 枯木又プロジェクト」(旧中条小学校枯木又分校/新潟/2015)、アーティスト・イン・レジデンスに「END OF SUMMER 2018」(YaleUnion/ポートランド、アメリカ/2018)など。
 

小林太陽(こばやし たいよう)

1995年生まれ。東京都出身、神奈川県在住。美術家、映像作家。国際基督教大学卒。自身と遠く離れていると感じる人・もの・出来事を、自分と適切な距離に置き直すための作品を映像を使用して制作する。主な展示・プロジェクトに、個展「ぼくらは今のなかで」(画廊跡地、2019年)、「RAM PRACTICE 2020 – Online Screening」(オンライン、2020年)、中央本線画廊/画廊跡地(2017~2019年)。

 

西尾佳織(にしお かおり)

劇作家、演出家、鳥公園主宰。1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。『カンロ』、『ヨブ呼んでるよ』、『終わりにする、一人と一人が丘』にて岸田國士戯曲賞にノミネート。鳥公園の活動とは別に近年のプロジェクトとして、マレーシアのダンサー、振付家のLee RenXinと共にからゆきさんのリサーチなどにも取り組んでいる。2015年度よりセゾン文化財団フェロー。

長谷川由貴(はせがわ ゆき)

ペインター・大阪府在住。京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻油画修了後、京都の共同スタジオ「punto」を拠点に制作を行なっている。人間が、自分以外のものを取り込んできた文化・歴史を参照しながら、対象への敬意と畏れの感覚を絵画に落とし込んでいる。近年の主な活動に、2020年個展「あなたの名前を教えてほしい」(ギャラリーモーニング/京都)、ARTIST’S FAIR KYOTO:BLOWBALL punto×副産物産店+仲地志保美「Wunderkammer 」(GOOD NATURE STATION/京都)、2019年個展「VANISHING FRAGMENTS」(CLEAR GALLERY TOKYO/東京)  など。

村上美樹(むらかみ みき)

1994年秋田県生まれ。2013年秋田公立美術工芸短期大学附属高等学院卒業。2017年京都造形芸術大学美術工芸学科総合造形コース卒業。2019年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。近年の主な展覧会に、2020年「道にポケット」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA|京都、2016年「とりとめのないもの」ギャラリーマロニエ|京都、2017年「集団_展示」コーポ北加賀屋・千鳥文化|大阪、2019年「群馬青年ビエンナーレ2019」 群馬県立近代美術館|群馬などがある。
記憶をテーマに人々との対話や物の由来に関するリサーチを通して、鑑賞者と相互し合う体験の拡張の研究。 他者を含む個人的な経験や記憶の忘却、それらにまつわる物の廃棄に対する抵抗として、風景や社会的状況の中で忘れ去られた出来事や物を拾い出し、忘却・廃棄に対する抵抗を通して現れる愛着を重要な要素としながら、記憶の場となるような立体造形・インスタレーション作品の制作・発表をしている。

対話・翻訳協力者プロフィール

山森裕毅(やまもり ゆうき)

1980年兵庫県生まれ。
大阪大学COデザインセンター特任講師(常勤)。フランス現代哲学を軸に記号論やメンタルヘルス、呪術などを研究中。最近の関心は「ダイバーシティの時代におけるマジョリティの倫理」。著書に『ジル・ドゥルーズの哲学』(2013年、人文書院)。
 

三林寛子(みばやし ひろこ)

園芸家。東京都在住ブラジルのベラビスタオーキッドの日本支店として独立し、南米の洋蘭を日本やアジア各国に輸入販売している。ブラジルの自生地も探訪し、現地の野生の蘭を観察記録している。
 

石井佑基(いしい ゆうき)

東京都在住。筑波大学大学院生命環境科学研究科博士前期課程修了。会社員の傍らランの品種改良や栽培に取り組む。特にパフィオペディルムやアツモリソウといったランを愛好する。栽培に関しては高山性のラン栽培用にワインセラーを活用するなど、その植物に最適な環境で育てる事を信条とする。全日本蘭協会学術委員、ラン懇話会幹事、東京山草会ラン・ユリ部会幹事。小型野生ランを楽しむ(栃の葉書房)、植物工場とラン(自然と野生ラン連載 エスプレスメディア出版)、BRUTUS特別編集珍奇植物(マガジンハウス)など著書多数。
 

具本媛 Koo Bon-Won
 

朴徹雄 Park chulwoong

1982年生まれ。韓国ソウル出身。日本語教育を韓国の大学で専攻。2011年に来日。現在、神戸の王子公園の近くで世界の旅人と地域をつなぐための、地域密着型「ゲストハウス萬家」を運営中。
 

周すみん CHOU Sumin

1991年生まれ。京都市在住のフリーランス訳者、プロデューサー。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。中国語・広東語のネイティブスピーカー、日本語・英語・韓国語の使用者。言語に強い関心を持つとともに、言語を介さないコミュニケーション方法を日々研究中。
 

三浦隼暉(みうら じゅんき)

1991年 埼玉県所沢市生まれ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科哲学専門分野博士課程に在籍中。
十七世紀の哲学者G.W.ライプニッツを中心に近世における実在の概念に着目しつつ、当時の「生きもの」観と彼の哲学の結びつきを研究している。幼い頃から他人の世界観を知りたい気持ちに溢れており、いつの間にか、300年以上前の人間の研究者になっていた。主な論文に「後期ライプニッツの有機体論—機械論との連続性および不連続性の観点から—」(日本ライプニッツ協会研究奨励賞受賞)等がある。

小島尚人(こじま なおと)

1983年埼玉県生まれ。2001年からバンドマン。2007年からアメリカ文学研究者にもなり、2016年から法政大学文学部英文学科専任教員にもなって現在に至る。
 

手塚夏子(でづか なつこ)

ダンサー/振付家。1996年よりソロ活動を開始し、マイムからダンスへと以降しつつ、既成のテクニックではないスタイルの試行錯誤をテーマに活動を続ける。2001 年より自身の体を観察する『私的解剖実験シリーズ』始動。2018年4月からベルリンでのダンス活動を開始。同年10月にKyoto ExperimentにおいてFloating Bottle Project「点にダイブする」を上演。2020年10月、言葉の壁と格闘する作品『壁と戯れる/Mauerspiel』をFFTとKölnの日本文化館の共同企画にて上演し、12月にそれを参加型のzoomバージョンとして日独センター企画として発表。
 

大泉七奈子(おおいずみ ななこ)

多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業後、アシスタントを経て舞台美術家として活動。アマヤドリ、鳥公園、冨士山アネットなどの美術を手がける。2013年、文化庁の新進芸術家海外派遣制度によってドイツ・ミュンヒナーカマーシュピーレにて研修。研修後2014年から2019年まで、ブレーメン市立劇場に勤務。レパートリー作品の美術・衣装を手がける。現在はフリーランスの舞台美術・衣装家として活動中。ブレーメン在住。
 

石見舟(いしみ しゅう)

ライプツィヒ大学演劇学研究所博士課程在籍。専門は演劇学、ドイツ文学。現在、ハイナー・ミュラーの劇作と能楽の触発を風景の位相から再検証する博士論文を準備中。平田栄一朗、針貝真理子、北川千香子共編『文化を問い直す』(彩流社、2021年)の第5章「〈今ここ〉からずれる風景――ハイナー・ミュラー『ハムレットマシーン』を例に」を執筆。
 

大道寺梨乃(だいどうじ りの)

1982年東京生まれ。劇団FAIFAIの創立メンバーとして国内外での作品に俳優として参加。2014年よりソロでの活動を開始し『ソーシャルストリップ』を東京・横浜・北京・香港・バンコクにて上演。2015年よりイタリアに移住し以降は日本とイタリアを拠点に活動。自分や身の回りの人々の日常からつながる物語を現代のファンタジーとしてパフォーマンスに起こし上演する。主な作品に『これはすごいすごい秋』など。
 

アレハンドラ・アルメンダリズ – ヘルナンデズ(Alejandra Armendariz-Hernandez)

スペイン出身の日本映画研究家。現在、マドリードのレイ・ファン・カルロス大学で博士課程に在籍中。論文では日本映画における女性映画人と女性の表象を研究。文部科学省研究生として東京の明治学院大学に留学。2017年から、ロンドンのジャパンソサエティで勤務。

企画者プロフィール

佃七緒(つくだ ななお)

美術作家・大阪在住。それぞれの土地に住まう人々の、日々の生活を構成する道具・家具・住居などの住環境や、その中での営みの情報を取り入れ、ドローイングや、日常でなじみのある素材を用いての立体および空間制作を行う。近年の活動に、2019年、飛鳥アートヴィレッジ参加、2018年「Artspace」(シドニー)で滞在制作(京都芸術センター

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2020「Probable Cause」

アーティストの小松千倫による企画「Probable Cause」には、7名の作家が参加します。今後は、小松が作家らとオンラインでのやり取りを重ね、どのような形で「グループ展」を行うかが決定されます。「新しい生活様式」が喧伝される最中、HAPSというケースを用いて展示をするとすれば、それはどのような形を取るのでしょうか。展覧会は、公衆衛生の名の下に変化しようとしています。鑑賞者は密にならない程度に集うことを求められ、そのために個人情報を主催者に提供しなければならなくなるかもしれません。ALLNIGHT HAPSは、京町家を改装したHAPSのオフィス1階の道路に面したガラス張りの扉越しに、作品を鑑賞します。人と人とを隔てる透明な仕切り、これは今や新たな意味を帯びています。人と人が互いを防衛するための仕切りの中に作品が集う。「密」になることが躊躇われる中、新たなの「集い」のかたちを再考し、実装していく予定です。

 

展覧会特設ウェブサイト:https://probablecause.space

※本企画は8月16日からスタートしますが、その時点でHAPSギャラリースペースでのグループ展が完成しているわけではありません。16日から随時、グループ展示の実現を目指して行われる様々なデモンストレーションやテスト、それらのアーカイブが公開され、蓄積していく予定です。最新の情報はHAPSウェブサイト、SNSなどで順次お知らせいたします。

※追記(2020年12月15日):12月15日より、参加作家の作品をHAPS1階に集めた展示を実施します。会期はこれまでの通り、12月31日までとなります。ぜひご高覧ください。なおお出かけの際は、新型コロナウィルス感染症に関する各自治体からの最新情報をご確認の上、マスクの着用など感染防止にご留意いただきますようお願い申し上げます。

概要

ALLNIGHT HAPS 2020「Probable Cause」
 

会期:2020年8月16日(日)~12月31日(木)
企画:小松千倫
出展者:石毛健太/土井樹/中谷優希/濱田明李/原淳之助/松元悠/Ψυχή
展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
ロゴデザイン:石塚俊
主催:一般社団法人HAPS
支援:2020年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
本事業は「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市⽂化芸術活動緊急奨励⾦」の採択事業です。

関連イベント

キックオフイベント『LIVING ROOM 8(焚き火)』※終了しました。

日時:2020年8月16日(日)18:00〜20:30
出演:AK/Ψυχή/松元悠/原淳之助/⼩松千倫
⾳響・配信:植松幸太
タイムテーブル:
18:00〜18:30 焚き火開始/⼩松によるDJ配信+アーティスト・トーク
18:30〜20:00 AK/Ψυχή によるDJ配信
20:00〜20:30 アーティスト・トーク、焚き火終了

「Probable Cause」の初日に、キックオフイベント『LIVING ROOM 8』を開催します。
この日京都では、いわゆる五山送り火が予定されています。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響により、今年はその規模が大幅に縮小されます。
そこで、この日の夕方から点火の時間帯まで、 HAPSの中庭で「焚き火」を行い、その炎を映像配信します。この燃料には、「Probable Cause」展の参加作家が持ち寄った素材を使用します。焚き火の映像にあわせて、企画者である⼩松が2015年より定期的に行なっている、出張型BGM配信ステーション企画「LIVING ROOM」による音楽と、参加アーティストによるトークも並行して配信します。真夏の夜に京都からお送りする、「Probable Cause」展の幕開けをお楽しみください。 

配信映像を公開しました:https://www.youtube.com/embed/eRJYHKELasg

『LIVING ROOM 9(焚き火その2)』※終了しました。

日時:2020年12月20日(日)15:00〜18:00
出演:AK/Ψυχή/荒井優作/石毛健太/⼩松千倫/沢田朔(HAPS)/濱田明李/原淳之助/布施琳太郎
⾳響・配信:⼩松千倫
タイムテーブル:
15:00〜 焚き火開始/AK/Ψυχή によるDJ配信
16:00〜 荒井優作 Live
16:19:15 日没
16:30〜 濱田明李パフォーマンス
17:00〜 雑談

※本イベントは配信のみとなります。当日HAPSへの入場はできませんのでご了承ください。

前回の焚き火配信はコロナウイルス流行により縮小して行われた五山送り火の日に、夕刻から点火の時間帯まで、HAPSの中庭にて行われた。前回同様HAPSの中庭で焚き火を配信する。また同じく企画者である小松が2015年より定期的に行っている出張型BGM配信ステーション企画「LIVING ROOM」を並行して行う。(https://livingroom2015.tumblr.com/)
雑談コーナーでは夏からおよそ4ヶ月に渡って継続してきたプロジェクトを反省的に振り返りつつ、年末や2021年に向けて集い(イベント)を行うことなどについて話したい。
-⼩松千倫

企画趣旨

もし「コロナ禍」がなければ普通に好きな作家を集めたグループ展を開催して終わっていたかもしれない。「普通に」というのはこれまで通りという意味で、まとまったテーマがなかったわけではない。そのテーマは「距離」(ご存知ネットの問題)で、ふわふわしたものだった。だが、2020年に入って、これはたちまち身に沁みる問題となった。見えないウイルスについて私はろくに知らない。だから恐れ、線(自己免疫*1)を引いて、ウイルスの姿を透かし見ている。欧米/アジア、彼の国/この国、県境、濃厚接触/ソーシャルディスタンス。これらの境界線越しに。
 2020年5月17日、日本国内の様々な場所で表現活動の自粛が続いていた。リアルにイベントの企画やDJの予定が消えた。企画書を修正している5月30日現在、カテゴリーごと(例えば「特定警戒」-「感染拡大注意」-「感染観察」)の段階的な緩和に応じて美術館や博物館は再開を発表しつつある。

しかしそれは、4月28日の国際美術館会議の発表*2に代表されるような、制限付きの「新しい鑑賞様式」のもとで、だ。それは第一に監視の目によって実装される。公共の場での相互監視、「自粛警察」の目。この目のなかに、まっすぐ引かれた<2m>という線があり、クラブやライブハウスや実家やその他いろいろな場所のあやふやな距離はこれまで以上に消えるか隠されていく。ここには「他人の命を害する可能性を高めてまですべき事などあるのだろうか?」という問いがある。そしていま「命を害する可能性」のある距離<2m>が新たに定着しようとしている。しかし少なくとも私は、その距離によって生活できなくなる可能性がある。世界もそのようには出来ていないと思う。つまり、近くのものと遠くのものを「同時に」見ることができないように、空間的距離のリスクを焦点化しすぎているときには、時間の距離は見えづらい。

*1 Yuk Hui “One Hundred Years of Crisis”
https://www.e-flux.com/journal/108/326411/one-hundred-years-of-crisis/
*2 4月28日、国際美術館会議(CIMAM)は「新型コロナウイルスが蔓延する状況」において美術館が注意すべき「Precautions for Museums during Covid-19 Pandemic」と題された20の項目を発表。
https://cimam.org/news-archive/precautions-museums-during-covid-19-pandemic/
特に項目2に注目。
2.Implement visitor registration and contact tracing measures at the entrances and admission points to events and venues, such as obtaining the contact details of visitors and participants (name, phone number, and email address).
二、会場入口で、来館者やイベント参加者の連絡先(氏名、電話番号、メールアドレス)を把握するなどし、来場者を記録。連絡先を追跡できるよう対策を実施すること。
(美術手帖、https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21807)
この場合、来場者は美術館に「ログイン」する必要があり、匿名の鑑賞者は存在しない。

(企画者:小松千倫)

出展者プロフィール

石毛健太(いしげ けんた)

1994年生まれ。2018年東京藝術大学大学院修了。アーティスト、インディペンデントキュレーター。主な参加展覧会に、「Scan The World」 (STAGE:CORECRIVE BEHAVOR、東京、2018)、「生きられた庭」(京都,2019)、「東京計画vol.3」(URG NEW ADDRESS、東京、2019)。
主なキュレーションに、「変容する周辺 近郊、団地」(東京、2018)、「高橋臨太郎個展 スケールヒア」(東京、2019)、「working/editing 制作と編集」(東京、2020)。

 
 
土井樹(どい いつき)

1989年兵庫県生まれ。2019年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。学術博士。社会性生物の群れの運動や人工システム内に創発する主観的時間などのテーマで研究をするとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。主な展示に「Blues」(Place by method、東京、2017)、「Bee Wee」(TALION GALLERY、東京、2020)。
主な作品に《Uonotayu》(CD、2010)、《Peeling Blue》(CD、2018)。また、CM、インスタレーション、展示のサウンド制作及びソフトウェアプログラミングも手がけており、主な近作には『Jens|PREVIEW 17SS』(音楽)、『Yuna Yagi: NOWHERE』(音楽/サウンドプログラミング)、『Alter』(音楽/サウンドプログラム、Ars Electronica Award of Distinction)などがある。

中谷優希(なかや ゆうき)

1996年北海道生まれ。2020年東京藝術大学美術学部先端表現学科卒業。ここのがっこう・文化服装学院在籍中。
主な展示に、「Rêver 2074」(主催:COMITÉ COLBERT コルベール委員会、東京藝術大学、2017)、「京都:Re-Search 2018 in 亀岡」レジデンス参加(主催:京都:Re-Search実行委員会、2019)、同成果展「大京都 2020 in 亀岡 移動する有体」(COVID-19のため中止、2020)、「68回東京藝術大学卒業・修了作品展」(主催:東京藝術大学、2020)。

濵田明李(はまだ みり)

1992年高知県生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。パフォーマンスで作品をやり始めてしっくり来る。パフォーマンスでは、達成を目指さなかったり、中止したり、その場所の特性を取り入れたり、オブジェを持ってきて、15分とか20分とかのあいだに起きる一連のことを観客と共有するというのが特徴。2017年から2019年位までのメキシコに住み、好奇心の赴くままに学ぶ。他のアーティストとの有形無形の恊働や自主企画にも積極的。

原淳之助(はら じゅんのすけ)

1993年群馬県生まれ、京都在住。アーティスト、エンジニア。主な展覧会に「タウンワークス ―街と創造の間―」渋谷PARCO GALLERY X、2020年1月。個展「≃」(ANAGRA、2019年3月)など。

 
 

松元悠(まつもと はるか)

1993年京都府生まれ。主にリトグラフ技法を用いて多版多色の版画を制作する。新聞、テレビ、ウェブ、伝聞などで偶然知ったニュースを取り上げ、当事者に関する周辺の現地訪問をした後に版におこす。マスメディアの向こう側で起こる出来事から、共感でもなければ消費でもない、当事者不在のコミュニケーションを試みる。主な個展に、「独活の因縁」(MEDEL GALLERY SHU、東京、2020)、「活蟹に蓋」(三菱一号館美術館、東京、2019)、「血石と蜘蛛」(YEBISU ART LABO、愛知、2019)、「カオラマ」(京都芸術センター南・北、京都、2018)などがある。

Ψυχή

1991年福島市生まれ、京都市在住。DJ、アーティスト、グラフィックデザイナー。2016年頃より大阪、東京を中心にクラブイベントを多数オーガナイズ。主なイベントにDARKJINJA(東京・大阪・上海、2017~2019)、FREE RAVE(渋谷WWW、2018・2019年)等。

企画者プロフィール

小松千倫(こまつ かずみち)

1992年高知県南国市生まれ。京都市在住。音楽家、美術家、DJ。2009年よりコンピューターを使った作曲をはじめる。angoisse、BUS editions、flau、Manila Institute、psalmus diuersae、REST NOW!等のレーベルやパブリッシャーよりアルバム・EPを多数リリース。Arca、Tim Hecker、Mark Fell、Julia Holter、Die Reihe、Mount Kimbie、The Field、Clarkらの来日公演をサポートしている。SNSにおけるアカウント間のコミュニケーションのコードなどに注目しつつ、それらを自己の身体感覚でフィルターするような音響・映像作品を展開する。
主な展覧会に「FAKEBOOK」(Workstation.、東京、2016)、「oF -Katsue Kitasono-」(福岡アジア美術館、2017)、「Tips」(京都芸術センター、2018)、「ニューミューテーション #2「世界のうつし」展」(京都芸術センター、2019)、「Bee Wee」(TALION GALLERY、東京、2020) など。
主なパフォーマンスに「ZEN 55」 (SALA VOL、バルセロナ、2018)、「Untitled」(Silencio、パリ、2018)、「Genome 6.66 Mbp VS Dark Jinja」(ALL、上海、2019)、テオ・カシアーニ「LECTURE (02) 」(京都芸術センター、2019)、「悲哀总会」(Senggi Studio、ソウル、2019)、イシャム・ベラダ「Présage」(横浜トリエンナーレ2020 エピソード00、横浜、2019)など。

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2019前期「PORTABILITY」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2019年6月1日(土)より、
藤本悠里子の企画によるALLNIGHT HAPS 2019前期「PORTABILITY」を開催いたします。

概要

ALLNIGHT HAPS 2019前期「PORTABILITY」

会期:2019年6月1日(土)〜2019年9月30日(月)
企画:藤本悠里子
企画協力:新井優希
 
出展作家: 
#1 長門あゆみ 2019年6月1日(土)~7月8日(月)
#2 西永怜央菜 2019年7月13日(土)~8月19日(月)
#3 須賀亮平 2019年8月24日(土)~9月30日(月)

展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:一般社団法人HAPS
支援:2019年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
デザイン:三宅航太郎(うかぶLLC)

関連イベント

アーティストトーク

入場無料・予約不要 
※会場の広さから着席の定員は20名となります。ご了承ください。

2019年6月15日(土) 18:30〜20:00 長門あゆみ
2019年7月13日(土) 18:30〜20:00 西永怜央菜
2019年8月24日(土) 18:30〜20:00 須賀亮平 ※終了しました

クロージングイベント
「Life is spark joy!」

入場無料・予約不要 
※会場の広さから着席の定員は20名となります。ご了承ください。

2019年9月28日(土)18:30〜21:00
※終了しました

ALLNIGHT HAPS2019「PORTABILITY」の企画協力、新井優希がママとなって、一晩だけの焚火barを開きます。 焚火の揺らぎと、鳥取や秋田の美味しいもの、ギターの音色と歌声で、 夏と秋の隙間のひとときを一緒に味わいませんか?

企画趣旨

ローカルからローカルへ移動する。

本展に出展する3名の作家と2名の企画者が拠点とする鳥取・沖縄・秋田・京都へその他の作家/企画者と共に移動しながら、そのひとつひとつ違った営みの多様さを確かめる。同じ世代に属する彼・彼女らとは、これから訪れる時代の明るい風景や暗い風景を共にみつめ、立ち会うことになる。互いにどんな場所で、どんな環境に囲まれて、どんな暮らしの中で活動しているのかを知って、同時代のこと、お互いの活動のこと、そして未来のことについて言葉を交わす。本展覧会では、3名の若い作家たちがそれぞれの暮らしの中から掬い取った同時代の営みをウィンドウの中に展示する。同時に、作家/企画者による移動の記録をウィンドウの外に置いておく。作品と対峙するウィンドウ越しのその場所から、別のローカルへと旅する展覧会。

アーティストプロフィール

長門あゆみ(ながと あゆみ)

1996年、岩手県生まれ。2015年、秋田公立美術大学への進学を機に秋田県へ移り、震災で崩壊した三陸の防波堤や秋田県の限界集落・廃集落についてのフィールドワーク及び作品制作活動を行う。2019年には、岩手県でマッコウクジラ捕鯨の歴史に触れたことをきっかけに、日本の捕鯨文化へ興味をもち、卒業制作として《harboring-鯨を抱く-》を制作・発表する。今春、京都市立芸術大学大学院に進学し、捕鯨研究を継続しながら、日本独特の漁法の発祥の地である西日本を拠点に更なる追求・彫刻表現の展開を目指す。

《route X》制作年:2018年 素材:東日本大震災被災木材・廃木材の薪、ペンキ

西永怜央菜(にしなが れおな)

1995年、沖縄県生まれ。沖縄、朝鮮半島、台湾、九州、東京、北アメリカ等の環太平洋沿いに生きた先祖達の足取りを辿り、自身のファミリーヒストリーを再構築することをテーマに制作を行う。自身は鹿児島と沖縄にルーツを持ち、2010年まで沖縄本島から宮古島、ホーチミンなどを移りながら過ごす。自宅から最も遠い国内の美術大学へ行きたいという理由で、秋田に移り住む。2018年に秋田公立美術大学を卒業。現在は沖縄県立芸術大学大学院に在籍しながら、自身の家族史収集を行っている。

《私の家族のはなし》制作年:2019年 作品形態:インスタレーション

須賀亮平(すが りょうへい)

1993年、北海道生まれ。生まれ育った札幌市という都市が小さく感じられ、そこでの活動の円環から出るため、秋田公立美術大学へ進学。秋田での暮らしと制作を継続するため同大学大学院に進学。大学院在学中、居住地付近の海岸に北朝鮮から船が漂着したこと、またその近隣にある自衛隊演習場がイージス・アショアの配備候補地として選ばれたことで政治的な意味が加わり、自身の住む場所が特異な場所として意識される。2019年、大学院修了後もその変化の行く末を長期的に観察するため、秋田を拠点に活動を行う。

《凪の国》制作年:2019年 作品形態:映像(57分)

企画者プロフィール

藤本悠里子(ふじもと ゆりこ)企画
1994年、京都府生まれ。京都造形芸術大学在学中、展覧会企画・若手アーティスト支援事業などに関わりながら、国内外の様々なアートスペースを巡る。その後、東北で一人暮らしをしてみたいと思い、秋田公立美術大学大学院に進学。そこで芸術を取り巻く環境が急速に変化していく様を目の当たりにし、修了後も秋田に生活拠点を置くこととする。現在は、京都と秋田の2つの拠点を行き来しながら主に展覧会やイベントの企画を行う。

新井優希(あらい ゆうき)企画協力
1993年、埼玉県生まれ。京都でアートプロジェクトやアーティストのマネジメントを学ぶ。京都造形芸術大学卒業後、京都にとどまるために大学院に進むが、より実践的に学べる場を求めて休学し、アートプロジェクトのアシスタントとして名古屋に移り住む。アートの現場を経験していく中で、自分自身の働き方や生活についても考えたいと思うようになり、現在は鳥取にあるゲストハウスにて、訪れては去っていく旅人の時間に寄り添い、シェアハウスのゆかいな人たちと暮らしながら、人と自分に向き合ったり、表現について考えたり考えなかったりしている。

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2019後期「Kangaru」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2019年10月20日(日)より、黒木結の企画によるALLNIGHT HAPS 2019後期「Kangaru」を開催いたします。

 

Kangaru展特設ウェブサイトはこちら

概要

ALLNIGHT HAPS 2019後期「Kangaru」

 

会期:2019年10月20日(日)〜2020年3月27日(金)
企画:黒木結
出展者: 
[1]
黒木結・中熊友之
「展示空間 Kangaru」
2019年10月20日(日)~11月22日(金)
※HAPS内に設置された展示空間において、以下の展示を開催。

石村行「いしむらあゆむ展」企画:中熊友之 2019年10月29日(火)〜11月1日(金)

illbull「After the morning」
2019年11月2日(土)〜8日(金)

吾郷佳奈「よるのみちすがら」
11月9日(土)〜14日(木)

RumiOosawa
2019年11月16日(土)〜22日(金)

[2]大西晃生・林美月
「Hedgehog’s dilemma」
2019年12月1日(日)~2020年1月3日(金)

[3]
熊野陽平・荒木健志「忌憚のない会話 ver.KA」
2020年1月12日(日)~2月14日(金)

[4]
YANKEECONG・村田のぞみ「Yamabiko」
2020年3月1日(日)〜3月27日(金)

※終了しました

展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:一般社団法人HAPS
支援:2019年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
フライヤーデザイン:大村つづみ

関連イベント

よき隣人のことを考えながら鯛をつつく会
2019年11月2日(土)19:00〜21:00
会場:HAPSオフィス1F 会費:無料 予約不要
トークゲスト:黒木結、山本麻紀子、黒木の弟

どうしても分かり合えない状況や人々とどうやって向き合っていくか、向き合ってきたかについて、展覧会企画者の黒木結とその妹弟、アーティストの山本麻紀子さん、来てくださったみなさんとお話をしながら鯛をつつく会です。大きな鯛をご用意しますのでぜひいらしてください。

アーティスト・トーク
2019年11月9日(土) 19:00〜21:00 黒木結・中熊友之
2020年3月19日(木)19:30〜21:00 YANKEECONG・村田のぞみ 

ギャラリートーク
「作品を鑑賞するプロセス」
2019年12月21日(土)19:00-21:00
会費:無料 要予約

「作品鑑賞」とは、どうすればいいか分からないと思っている方向けのギャラリートークです。
作品を鑑賞した時に何が見えているのかを言語化すること、その視点をもとに作品のコンセプトや構造について言及していくことで理解を深める、次の鑑賞体験につながる機会になればと思います。
展覧会企画者の黒木が作品鑑賞のサポートをいたします。ぜひご参加ください。

忌憚のない会話
ver.KA ゲーム会
2020年2月1日(土)15:00〜17:00
定員:6名 参加費無料

今回制作された「忌憚のない会話ver.KA」をプレイするゲーム会を行います。
「食習慣」についての質問が書かれたカードを用いて多数決を行い参加プレイヤー全員でクリアを目指す協力型ゲームです。自分以外の参加プレイヤーがどんな食習慣なのかを想像してお互いに質問を投げかけることを通してステレオタイプや偏見について考えます。

クロージング上映会
「忌憚のない会話ver.KA 制作のための会話」
2020年2月14日(金)①15:00〜 ②17:00〜

ALLNIGHT HAPS 2019後期 “Kangaru”「忌憚のないver.KA」にて、作品制作のための会話を収めた約17分の「制作動画」が展示されています。この展示用動画の前後のやり取りなども含めたかたちで再編集した動画を上映します。
・上映時間:55分
・途中入退場可能 無料

企画趣旨

映画「Arrival(邦題:メッセージ)」の作中で、カンガルーの名前の由来についての話が登場します。ジェームズ・クックの探検隊がオーストラリアを訪れた際、先住民にカンガルーを指して「あの動物はなんだ?」と尋ねたところ、「カンガルー」と返ってきたのでそう名付けますが、「カンガルー」とは現地の言葉で「あなたが何を言っているか分からない」という意味だったという話です。
主人公の言語学者ルイーズがエイリアンとのコミュニケーションを依頼してきたウェバー大佐に対して、異文化間でのコミュニケーションの難しさを語るため、これを例え話として話します。
しかしこの話は嘘で、誰が広めたのかもはっきり分からないジョークだというのが真実です。

わたしたちは同じ場所にいながらも、異なる文化を持って生活をしています。けれどときに生活を同じくしたり、同じ方向を向いて協力することが可能です。その中でカンガルーの逸話のように真偽が分からず進んでいくこともあると思います。勘違いが楽しい発見に繋がることもあるかもしれません。
自分と関わりがある対象が異なる文化を持っていることや自分とその対象の距離に気付いたとき、何か行動を起こさなければならないことがあるかもしれません。そのとき大事なのは、その行動を取ったときに、それぞれがそれぞれのままでいながら、お互いのよき隣人でい続けられるのかということだと思います。

2018年11月18日
黒木結

今回の展覧会では、出展作家には次のような条件で制作を行っていただきます。

Kangaruのためのスコア
1.
同じ場所にいて違う方向を向いている人
または
違う場所にいて同じ方向を向いている人
をひとり選んで、制作・展示を行うこと
(人間であれば、美術作家でなくても構わない)
 

2.1に当てはまる人と制作をする際に、必要最小限の人数で作品制作・展示を行うこと。
 

3.1・2の条件で制作続行が不可能になった場合、新たな条件を考え、追加できる。

出展者プロフィール

黒木結(くろき ゆい)
1991年生まれ。京都市立芸術大学美術研究科彫刻専攻修了。個人的な対話から日常的・社会的な問題や、その解決に対してそれぞれが解答を持つための機会を作ることを目的にして制作を行っている。展覧会企画・作品制作以外に、ご飯を作る代わりにご飯を食べさせてもらう「FOOD」という活動や、「おばけの連判状」という共同制作も行っている。
 

主な展示・活動
金沢彫刻祭2019(金沢アートグミほか金沢市内各所、金沢、2019)
おばけのジレンマ(ウェブサイトで公開、2019)
おばけのジレンマ(町家ガッツ、京都、2018)
2016年度京都市立芸術大学作品展(京都市美術館、京都、2017)
Open Diagram(元崇仁小学校、京都、2016)
ARTIST WORKSHOP @KCUA “The Open Score” by Lucky Dragons 成果発表展/SHOWCASE(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2015)

おばけのジレンマ展覧会会場間取り図 2019

中熊友之(なかくま ともゆき)
1990年生まれ。文化服装学院中退。学生時代は服飾を学び、その後京都に暮らす。6年前から平均化訓練・舞踏などのボディワークをはじめ、さまざまなアプローチから身体・服について考えている。平均化訓練で出会った4人と2年間シェアハウスをして、メンバーのひとりであった大木の舞踏公演と共に終えた。最近は服のお仕事もいただいている。釣りバイクが趣味。東京生まれヒップホップ育ち。
 

主な展示・活動
展覧会「私戦と風景」市川太郎の作品「あなたは悪くない」にパフォーマーとして参加(原爆の図丸木美術館、埼玉、2016)
大木雄太 舞踏公演「karada-no-fukei」衣装製作(Social Kitchen 2F、京都、2019)

大西晃生 (おおにし あきお)
1996年生まれ、岡山県出身。京都精華大学デザイン学部イラスト学科卒業。現在は東京でデザイナーとして活動しながら制作をしている。孤独や不安、アイデンティティの喪失について考え、自身を通じて現代の日本が抱える社会問題を表現している。CAF賞2018 入選。

主な展示・活動
京都精華大学展(京都精華大学内、京都、2019)
幽体的浮遊感(Gallery Lv.10、大阪、2019)
恐慌前夜(三三九(旧氷倉庫)、京都、2018)

《fake smile》 2018 800×670mm キャンバス、アクリル

林美月(はやし みづき)
1998年鹿児島県生まれ。兵庫県育ち。京都造形芸術大学美術工芸学科油画コース在籍中。母性の持つ過干渉さと守護、共同体について考えて制作をしている。
 

主な展示・活動
展覧会「浮遊する変体」企画(アートベース石引、石川/KAGAN HOTEL、京都/東京藝術大学内、東京での3会場、2019)
個展「ambivalent」(ルンパルンパ、石川、2018)
こぼさないように、笑った(京都造形芸術大学内、京都、2018)
恐慌前夜(三三九(旧氷倉庫)、京都、2018)

《mother》 2018 1000×4000mm 綿布、木炭、スプレー

熊野陽平(くまの ようへい)
1986年生まれ、京都市出身。2016年京都市立芸術大学美術研究科絵画専攻構想設計修了。アーティスト。
ワークショップの開催やマンガ、ボードゲーム制作などを表現形態とし、「技能に依らない対応の仕方」をテーマに制作を行う。近年は共同制作を中心とし、「おばけの連判状」と「カサルーデンス」の二つのグループで活動を行なっている。
 

主な展示・活動
カサルーデンスのDIY探訪記(KYOTO ART HOSTEL Kumagusuku、京都、2019)
京芸transmit program 2018(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2018)
1floor2016「何かの奇遇」(神戸アートビレッジセンター、兵庫、2016)
みんな みにいく み・な・み・く エキシビション(ヒスロム作業場、京都、2016)
Open Diagram(元崇仁小学校、京都、2016)

《忌憚のない会話》(at Open diagram)2015–16

荒木健志 (あらき たけし)
1986年生まれ、京都市出身。2009年大阪大学文学部人文学科(日本語学専修)卒業。住宅メーカー営業を経て、現在は私立大学職員(入試広報担当)。
熊野とは高校の同級生であり、2007–08年に熊野宅で行われたトークライブシリーズ「超密室トークライブfromくまの巣」に出演。

YANKEECONG
兵庫県出身。京都精華大学では日本画を専攻するものの卒業間際まで老人達と対立、その当て付けかライブペインティングを始め現在に至る。動物や人物などの具象モチーフからスプレーを用いた抽象画までその表現は多岐に渡る。
 

主な展示・活動
2人展「the high street」(hatoba cafe/gallery、京都、2019)
個展(出町柳momurag、京都、2018)
個展(百万遍MUM、京都、2017)

《Banquet》 350×410mm キャンバス、アクリル

村田のぞみ(むらた のぞみ)
1994年奈良県生まれ。2017年京都精華大学芸術学部テキスタイル専攻卒業。2019年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程(染織)修了。現在、京都精華大学大学院芸術研究科博士後期課程在籍中。
細いステンレス線を用いて、存在や気配を空間にドローイングするように造形している。

 

主な展示・活動
瀬戸内国際芸術祭2019(高見島、香川、2019)
Through the lines (KUNST ARZT、京都、2018)
GRADUATE STUDENTS SHOW TEXTILE COURSE KYOTO SEIKA UNIVERSITY 2018(Gallery Maronie、京都、2018)
創造的ドローイング展(京都精華大学GALLERY FLEUR、京都、2018)
村田のぞみ展(trace、京都、2017)

《魂の境界》 2018 1700×1500×1500mm ステンレス線、カラースプレー

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。
HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2018前期「呼び出し、交換」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2018年7月31日(火)より、批評家・黒嵜想の企画によるALLNIGHT HAPS 2018前期「呼び出し、交換」を開催いたします。

概要

ALLNIGHT HAPS 2018前期「呼び出し、交換」

会期: 2018年7月31日(火)〜2018年11月10日(土)
企画: 黒嵜想
出展作家: 
 #1 蕗野幸樹 2018年7月31日(火)~8月24日(金)
 #2 奥祐司  2018年9月7日(金)~9月29日(土)
 #3 岡田真太郎 2018年10月12日(金)~11月10日(土)

展示時間 18:00〜9:30(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成30年度 文化庁文化芸術創造活用拠点形成事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団

関連イベント

黒嵜想&奥祐司クロージングパーティー「kitchen」
2018年9月28日(金)19:00〜21:00
※終了しました。
定員:10名(先着順)
入場料:¥1,000
会場:HAPSオフィス1階(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339)

ALLNIGHT HAPS2018前期「呼び出し、交換」企画者の黒嵜想と第2弾の出展者奥祐司が、搬出を前にして、展示作品《HYPER FOOD PROCESSOR》および本企画について振り返ります。

お申し込みはHAPSのメールアドレス(info@haps-kyoto.com)まで、件名を「9/28クロージングパーティー申し込み」とし、①お名前/②電話番号/③メールアドレス/④人数をご明記のうえご送信ください。

企画趣旨

friendshipとtrustとの間には、分割線が引かれた。
私たちは、SNSによってコミュニケーションはそれ自体を目的として行うことができ、公開されている情報は交渉なしに取得することが容易になった。例えば、一冊の本を手に入れるために古本屋の店主と話すことも、私たちにとって今や、無用の煩わしさとなった。店主との対話はそれ自体を楽しめばよく、また、本はそれ自体を検索して手に入れればよい。

友情と信用は別物。だからこそ、それぞれ個別の「情報」として呼び出すことができる。かくして「情報流通」は可能となった。この広大な流通網の中で、私たちは、友情を結ぶべき好ましい相手、信用に足る知識と、直接に関係を結ぶことができる。メディアは限りなく透明になり、孤独も関心も、即座に満たすことができる。

呼び出しと交換の可能性に開かれた、圧倒的な流通網。好悪の市場と、真偽の評価は、それぞれに棲み分けられた。だが、一方で失われつつあるのは、「取次」のイメージだ。かつてfriendshipとtrustの間に立っていた障壁であり、しかし、その両者を取り次いでいた存在。例えば、古本屋はほとんど見かけなくなった。

批評家もまた、その「取次」の一つなのだろうと、筆者は考えている。「好き」の感情へ言葉によって水を差し、真偽の別なる評価を作る。好悪を操る政治と、真偽の判断が分断された情報環境を前にして、まさにそのような批評という「取次」が必要なのだと信じて、筆者も活動している。だがこれもまた、時代の要請と逆行する、不要の行いなのだろうか。

本展では、筆者とは別のかたちで「取次」を実践しているように思えた三人を紹介する。聞けば、アートは今、コレクティブ(集団)での制作が新たなムーブメントとして喧伝されているようだ。みんなで作ること、あるいは、みんなが作品になること。それはそれで良いとして、ならばその「みんな(の制作)」はどのように流通しているのか。コレクターはその一員なのか。

手動式交換電話は、電話交換手を必要とした。発呼者は、希望する接続先を交換手に伝え、彼ら彼女らが相手を呼び出し、回線を交換するまでに、この取次者の声とコミュニケーションをする必要があった。情報流通の間にある取次そのものが、不透明な人格として露出していた。筆者はそのような、不必要な連絡が担っていたものをこそ、捉え直したい。私たちが手にした「情報流通」は、果たして透明なものだろうか?

物理的な流通網には、未だ無数の取次業者が潜在している。取次者なくして流通網は存在しない。インターネットで本を買ったとしても、配達者は介在する。真偽を定める情報にも、その背景には特定の集団の裁定が介在している。好悪を交換する親密圏には、それをとり結んだハブとなる人物が介在している。本展で紹介する三人は、筆者が活動するなかで見つけた、名前を持った「取次者」たちである。

彼らは呼び出しと交換の間にいる。friendshipを交換し、trustを呼び出す、不透明な取次者たち。本展は、彼らにストックされたものを筆者が呼び出し、交換する、コレクション展である。

(黒嵜想)

出展作家

[1]蕗野幸樹(ふきの こうき)

1975年生まれ。「高友社」所属の書家。古典を重んじつつ新たな表現を模索している。テレビCM、ドラマへの筆文字提供多数。
主なグループ展に「高友社書展」上野の森美術館(東京/2012~2018年)、「カオス*ラウンジ怒りの日」(いわき/2015年)など。

[2]奥祐司(おく ゆうじ)

1980年生まれ。金沢市在住。フライヤーおよびポスターのイメージ撮影、展覧会導入ビデオ制作、トーク撮影およびドキュメント映像制作のほか、料理や物の移動を行なっている。

「アートドキュメント2017 河口龍夫 ― 眼差しの彼方」金津創作の森(福井/2017年)
「泉太郎 突然の子供」金沢21世紀美術館(石川/2017年)
「クロニクル、クロニクル」 CCOクリエイティブセンター大阪 (大阪/2017年)
「写真的曖昧」金沢アートグミ(石川/2018年)
「扇田克也 光のカタチ」富山ガラス美術館(富山/2018年)

[3]岡田真太郎(おかだ しんたろう)

美術商。アートフェア東京2013にて、渋家を不動産ごと入手できる作品《Owner Change》設計、様々な作者による歌留多の札を販売。批評誌アーギュメンツ#1#2発行。編集事務所ターメルラーン企画担当。伏見地下街協同組合専務理事、アートマネージャー。布団祭。浅草長屋アトリエ在住。

企画者プロフィール

黒嵜想(くろさき そう)

1988年生まれ。批評家。音声論を中心的な主題とし、批評誌の編集やイベント企画などの、論考執筆に限らない多様な評論活動を自主的に展開している。著者自身による手売り」のみに販路を絞った批評誌『アーギュメンツ#2』では編集長を、続刊『アーギュメンツ#3』では批評家・仲山ひふみと共同編集を務めた。

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。
HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2018後期「信仰」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2018年11月23日(金・祝)より、アーティスト・谷澤紗和子のキュレーションによるALLNIGHT HAPS 2018後期「信仰」を開催いたします。

概要

ALLNIGHT HAPS2018後期「信仰」

会期:2018年11月23日(金・祝)〜2019年3月24日(日)
キュレーション:谷澤紗和子
出展作家: 
 #1 碓井ゆい 2018年11月23日(金・祝)~2019年1月6日(日)
 #2 温田山  2019年1月12日(土)~2月11日(月)
 #3 谷澤紗和子×藤野可織 2019年2月16日(土)~3月24日(日)

展示時間 18:00〜9:30(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成30年度 文化庁文化芸術創造活用拠点形成事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団

関連イベント

谷澤紗和子×藤野可織 オープニングパーティ

2019年2月16日(土) 18:00~20:00
会場:HAPSオフィス1F
会費:無料
信仰展の最後の企画、谷澤紗和子×藤野可織 による展覧会の初日に、ささやかなパーティを開催します。ぜひお運びください。


アーティストトーク(温田山×谷澤紗和子)&オープニングパーティー
2019年1月12日(土)
18:30〜 アーティストトーク
19:00〜 オープニングパーティー 予約不要・入退場自由
トーク定員:20名(先着順)※会場の広さから着席数に限りがございます。ご了承ください。
会費:無料

イベント:「温田山のオールナイトハップスタンプ」
2019年1月26日(土) 17:00〜20:00
ハップスの展示壁を版木にして、ちょっと眠たい版画を摺ります。(Zzz..)

※即売します。画像はスタンプの一例です。

企画趣旨

「信仰」とは、神・仏などの神聖なもの、または何らかの対象を絶対のものと信じて、疑わないことである。何かを信じるということは、私達がこの世界で生きていくための礎である。家族、コミュニティー、国家、地球。世界と関わって生きていくために、人は目には見えない何かを創造し、信じる。そうすることで、この世界で生きるための素地を手に入れたかのように感じることが出来る。今、ここに存在すると信じることですら、「信仰」と言えるのではないだろうか。
しかし、それらはとても移ろいやすいものであり、信じることや、信じる対象自体が、政治や天災、もしくはもっと些細な日常の何かによって、いとも簡単に破綻することがある。
また、何かを強く信じる力は、数多の創造をもたらし、同時に途方も無い争いごと、戦争や破壊にも関与して来た。
この展覧会は、 そういった人の危うさや儚さを伴った「信仰」についての再考の旅である。

信仰 vol.1 碓井ゆい

クレイジーキルトの技法を用いて、日の丸のイメージを解体、再構成した作品《our crazy red dots》で2018年のVOCA賞を受賞したことが記憶に新しい碓井は、これまでも政治的含意に富んだ作品を創り続けてきた。
刺繍やパッチワーク、日用品などを用いて展開されてきた《shadow work》や《shadow of a coin》、《empty names》などのシリーズでは、現代社会において、さも当然のように扱われてきた社会的性差による差別が大きなテーマである碓井の制作への態度が現れている。特に近年の碓井作品は、これまで信じられきた価値観を自分ごととして打ち砕きながら、自らを取り囲む社会への鋭い指摘に満ちている。
「信仰」をテーマとした碓井による現代社会への眼差しは、本展の皮切りに、大きなゆさぶりを与える。

碓井ゆい《shadow work》2012-16|オーガンジー・刺繍糸|撮影:木暮伸也

信仰 vol.2 温田山

漫画家・イラストレーターとして多方面で活動する温田庭子(ぴょんぬりら)と、現代美術家 山下拓也による現代美術・新造ユニット「温田山」。2017年結成時の展覧会では、「未来の展示の告知をする展示」というコンセプトにより、2025年の展示告知用に印刷された巨大なポスターが空間を埋め尽くした。
温田、山下それぞれの活動には、異分野ながら共通点が見られる。既存のモチーフ(温田にとっては植物や石、山下にとっては、使用されなくなったマスコットなど)をラディカルに利用しながら、鑑賞者を想定外の世界観へと導く手法がそれである。異界へ導くためのトリガーとしてそれらを活用しているのではないだろうか。
温田山作品は、そういった私達の無意識に気付かぬうちに入り込む。そして、ある瞬間にはっとさせられる、仕掛け装置のようだ。

温田山《DMちゃん》2018

信仰 vol.3 谷澤紗和子×藤野可織

妄想する力を拡張することをテーマとし、美術館や芸術祭などで作品発表を続ける美術作家の谷澤紗和子と小説家の藤野可織によるコラボレーション。
この2名によるコラボレーション《無名》は、2015年に京都で発表され、「名前をつけてはいけない。名前をつけたとたんにお前は死ぬ」といった宣告ではじまる藤野の短編小説と、谷澤の陶と貝によって作られたフィギュアが呼応するように展示された。
小説と美術作品という異分野のコラボレーションは、強力な調和を果たし、他に類の無いものになった。
本展では、2作目となる新作の発表を予定している。

谷澤紗和子×藤野可織《無名》2016|陶、貝、紙にシルクスクリーン|写真:賀集 東悟

プロフィール

碓井ゆい(うすい ゆい)

1980年東京都生まれ。2006年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。
社会制度や文化への批評を、身近な素材や手芸の手法を用いて表現する。
主な展覧会に2018年「VOCA展2018 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館・東京、「現代地方譚5 想像の葦」すさきまちかどギャラリー他・須崎、2017年「FROM OUR ROOM」学習院女子大学文化交流ギャラリー・東京、「碓井ゆい展」ギャルリー志門・東京など。 
  

温田山(おんたやま)

漫画家、イラストレーターとして多方面で活動する温田庭子(ぴょんぬりら)と様々な国際展にも参加し精力的に活動を続ける現代美術家山下拓也による現代美術・新造ユニット。
 
 

谷澤紗和子(たにざわ さわこ)

1982年大阪市生まれ。京都市在住。「妄想力の拡張」をテーマに、原始宗教や土着的な寓話などを参照し、切り紙、陶などの手法によって、巨大なインスタレーションや小さな人形などを制作する美術作家。
主な展覧会に「東アジア文化都市 2017 京都ーアジア回廊 現代美術展」(二条城、京都、2017年)「高松コンテンポラリーアートアニュアルvol.5見えてる景色/見えない景色」(高松市美術館、2016年)、「化け物展」(青森県立美術館、2015年)などがある。
 
 

藤野可織(ふじの かおり)

現実と非現実が交差したフェティッシュな物語は、現代のホラーとも受け取れる、奇妙な感覚を呼び覚ます。
2006年『いやしい鳥』で第103回文學界新人賞受賞。2013年『爪と目』で第149回芥川龍之介賞受賞。2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞。最新刊は『ドレス』(河出書房新社)
 

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。
HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2017前期「日々のたくわえ」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2017年8月1日(火)より、キュレーター・武本彩子の企画により、ALLNIGHT HAPS 2017前期「日々のたくわえ」を開催いたします。それぞれ「狩猟」「畜産」「屠畜・解体」「加工・消費」をテーマに据えた4名の美術作家の個展の連続開催となります。

概要

ALLNIGHT HAPS 2017前期「日々のたくわえ」

会期 2017年8月1日(火)〜12月4日(月)
企画 武本彩子
出展作家 
 #1 井上 亜美「まなざしをさす」2017年8月1日(火)~8月31日(木)
 #2 廣田 真夕「みいちゃんのお墓」2017年9月2日(土)~9月29日(金・祝)
 #3 迎 英里子「アプローチ0.1」2017年10月4日(水)~11月3日(金・祝)
 #4 札本 彩子「last night meal」2017年11月10日(金)~12月4日(月)

展示時間 18:00〜9:30(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339)
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成29年度 文化芸術創造活用プラットフォーム形成事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団
協力 Gallery PARC

「日々のたくわえ」Facebookページ

企画趣旨

 住宅地の中に立地し、夕食前の家路をたどる人々が通りすぎるHAPSで、約4ヶ月にわたり、それぞれ「狩猟」「畜産」「屠畜・解体」「加工・消費」をテーマに据えた4名の美術作家の作品を連続で展示をします。
 井上亜美(いのうえ あみ/1991年宮城県生まれ)は、震災後、猟をやめたマタギの祖父の影響から、狩猟免許[散弾銃]を取得し、現在は京都の山へ行き猟を続けています。狩猟の現場を自ら記録し、編集した映像からは、淡々とした猟師の生活の「普通さ」「普通でなさ」を見てとることができます。
 廣田真夕(ひろた・まゆ/1991年東京都生まれ)は、大学卒業後に養豚場で働いていた間、毎日の業務の記録のため書きためていた個人的な日記をもとに、養豚場での生活の一場面を切り取った大画面の絵画を描きます。
 自然現象や歴史、ものごとのプロセスやシステムを調べ、身近な素材に置き換えた装置をつくり、実際に自ら動かす迎英里子(むかい えりこ/1990年兵庫県生まれ)は、「屠畜」「解体」について綿密に調査し、インスタレーション/パフォーマンス作品を制作してきました。
 札本彩子(ふだもと あやこ/1991年山口県生まれ)は、弁当工場での作業経験をもとに、普段口にしている料理、菓子、肉、野菜や果物など、精巧にできた自作の食品サンプルを大量に用いて彫刻作品をつくります。
 仕事をきっかけに、あるいは並々ならぬ興味をもって、各々の題材に向き合い制作する彼女らの作品からは、「食べること/つくること/生活すること」をめぐる、「問い」が浮かび上がってくるようです。しかし、そこには何か明白な「答え」が期待されているわけではありません。
 彼女たちの表現は、日々生まれては消えていく、自身の経験、感情、思考、プロセスといった「生(なま)もの」のような何かを、手ざわりを得られる方法で一旦保留し、他者や未来の自分と共有可能にする、「たくわえ」のようなものと呼べるかもしれません。
 それはきっと、彼女たちだけではなく、日常生活をおくり、つくり、食べ、消費をする、私たちにとっても同時に、何らかの「たくわえ」となるはずだと信じています。

(企画・武本彩子)

出展作家

[1]井上亜美(いのうえ あみ)

1991年宮城生まれ。2014 年京都造形芸術大学こども芸術学科卒業。2016年東京藝術大学大学院映像研究科修士課程修了。在学中に狩猟をはじめる。現場でつぎつぎに起こる出来事をエスノグラフィックな視点で見つめ、自身が出演・演出・記録する手法で映像作品を制作している。作品に、都会で暮らす猟師の奇妙な生活を描いた「猟師の生活(2016)」、震災後に猟をやめた祖父を追った「じいちゃんとわたしの共通言語(2016)」などがある。主な展覧会に「猟師の生活」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京、2017)、「ULTRA AWARD 2016 ニュー・オーガニクス」(京都造形芸術大学、2016)など。現在、第5期HAPSスタジオ使用者として京都在住。http://amiinoue.com

《猟師の生活》(映像、2017)
『猟師の生活』(トーキョーワンダーサイト本郷、2017)展示風景

[2]廣田真夕(ひろた まゆ)

1991年東京都生まれ。2015年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。近年の主な展覧会に、「Artists in FAS 2016」(藤沢市アートスペース、神奈川、2016)、「損保ジャパン美術賞 FACE 2013」(損保ジャパン東郷青児美術館、東京、2013)、「トーキョーワンダーウォール公募2013 入選作品展」(東京都現代美術館、2013)。近年の受賞に「損保ジャパン美術賞 FACE 2013」入選(2013)、「トーキョーワンダーウォール公募2013」トーキョーワンダーウォール賞・トーキョーワンダーウォール審査員賞(2013)、「第17回岡本太郎現代芸術賞」入選(2013)など。

日記《2016年2月5日》
《死体だし》178x152cm、紙にアクリル、2016

[3]迎 英里子(むかい えりこ)

1990年兵庫県生まれ。2013年 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。2015年 京都市立芸術大学大学院美術学部美術科彫刻専攻修了。主な展覧会に、「京芸transmit program 2017」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2017)「新しいルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」(KAYOKOYUKI、東京、2016)、「対馬アートファンタジア2016」(長崎県対馬市厳原町、2016)、「アプローチ2 (石油)」(Gallery PARC、京都、2016)、「アキバタマビ21特別企画展 捨象考」(3331 Arts Chiyoda アキバタマビ21、東京、2015)、「approach 1 (original) approach 1 (archive)」(Alainistheonlyone gallery、東京、2015)。

《食肉の流通経路》2014
《アプローチ 0.3》2015

[4]札本彩子(ふだもと あやこ)

1991年山口県生まれ。2014年京都精華大学芸術学部造形学科卒業。主な展覧会に、「Kyoto Art for Tomorrow京都府新鋭選抜展2017」(京都文化博物館、2017)、個展「inside」(KUNST ARZT、京都、2016)、「LINK展14 Reasonable Anger形ある怒り」(京都市美術館、2016)「what is “trash”? —アイ、ヒト、アート」(元立誠小学校、京都、2015)、「S」(元立誠小学校、京都、2013)。

《食事のためのホルスタイン2》樹脂粘土・スタイロフォーム、2016 
《ビーフオアビーフ》樹脂粘土・スタイロフォーム、2014
《linkage》樹脂粘土・コンビニ弁当空箱、2016

企画者プロフィール

企画:武本彩子(たけもと あやこ) キュレーター/アートコーディネーター
1988年岡山県生まれ。2012年神戸大学国際文化学部卒業。京都芸術センターアートコーディネーター(2013〜2016)を経て、現在Gallery PARC(京都)スタッフ。ギャラリーでの業務とともに、外部の展覧会企画・コーディネートをつとめる。主な展覧会企画に、『アンキャッチャブル・ストーリー』(瑞雲庵、2017)、『ハイパートニック・エイジ』(2015)、『NEW HOME』(2014)、主な展覧会コーディネートに、『アン・リスレゴー:Shadow Ya Ya』(2015)、『小谷元彦:Terminal Moment』(2014)ほか。

関連プログラム

[1]ゲスト・トーク「狩猟の民族考古学 —台湾のイノシシ猟から—」
日時:2017年8月11日(金・祝)19:00〜21:00
ゲスト:野林厚志(国立民族学博物館教授)
聞き手:井上亜美、武本彩子
※ 要事前申込・参加無料
予約/問合せ:info@haps-kyoto.com

ゲスト:
野林厚志(のばやし あつし)

1967年大阪府生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。国立民族学博物館教授・総合研究大学院大学教授。専門は民族考古学・台湾研究。台湾の原住民族社会を中心に、エスノアーケオロジー・工芸生産の調査を行なっている。主な著書に『タイワンイノシシを追う 民族学と考古学の出会い』(臨川書店、2014)、『イノシシ狩猟の民族考古学 台湾原住民族の生業文化』(お茶の水書房、2008)、『台湾原住民研究の射程』(主編著、順益台湾原住民博物館、2014)、『先住民とはだれか』(共編著、世界思想社、2009)などがある。

[2]アーティスト・トーク:井上亜美・廣田真夕
日時:2017年9月2日(土)19:00〜20:30
聞き手:武本彩子

[3]パフォーマンス:迎英里子 
日時:10月25日(水)、11月3日(金・祝)19:30〜

[4]アーティスト・トーク:迎英里子・札本彩子 
日時:12月2日(土)19:00〜20:30
聞き手:武本彩子

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とし、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく構成となっています。

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ALLNIGHT HAPS 2017後期「接触の運用」

 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2017年12月6日(水)より、アーティスト・髙橋耕平の企画によるALLNIGHT HAPS 2017後期「接触の運用」を開催いたします。
記録や複製を扱う髙橋の作品において、対象に向き合う自身の「身体」の所在は常に意識されてきた主題です。本展では5名の作家と高橋自身の参加により、身体の運用を通じた作品の生成について考察します。

概要

ALLNIGHT HAPS 2017後期「接触の運用(英題:operating contacts)」

会期 2017年12月6日(水)〜2018年4月23日(月)
企画 髙橋耕平
 
出展作家 
#1 石川卓磨 
2017年12月6日(水)〜12月26日(火)

#2 三重野龍
2018年1月9日(火)〜1月31日(水)

#3 笹岡由梨子
2018年2月6日(火)〜2月28日(水)

#4 柳瀬安里
2018年3月6日(火)〜3月26日(月)

#5 小林耕平+髙橋耕平
2018年3月30日(金)〜4月23日(月)

展示時間 18:00〜9:30(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成29年度 文化庁文化芸術創造活用プラットフォーム形成事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団

企画趣旨

 石川卓磨、三重野龍、笹岡由梨子、柳瀬安里、小林耕平。

 私が彼、彼女らの作品を経験した日やシチュエーションはバラバラだが、作品を後にした私の身体は静かに変化していった。やや遅れて不意に自覚化される身体への影響–重力への意識、形に内包される筋肉の働きへの想像、関節の機能性、視線を向けられることへの恐怖、主体性を宿した身体への懐疑。自らの身体を運用し作品化するという点に於いて共通する5人。個別の関心事、作法はバラバラであるものの、コントロールが及ばない事象に自らの身体を寄せ、摩擦を起こし、巻き込まれ、その感触の具合を造形・質感・所作・構造として作品に練り込んでいかんとする。時には身体の一部を蝕まれ欠損さえさせられるが、身体的な接触がこの世界を理解する上で必要不可欠だと言わんばかりに彼らの作品は生成されていく。調和のとれた場面に態々分け入り接触の結果を作品として表すその行為、その態度とは何なのか。私はこの5人の作家の作品を通じ考えたいと思う。時に私も分け入りながら。

 石川卓磨の近年の作品に、ダンサーの動きを高速シャッターによる数千枚の静止画で捉え、それを現像、選択、連続させることで人間の身体そのものを出現させる映像がある。映像を構成する1枚ずつの静止画はダンサーを前にした石川の感知と反応の現れであるが、同時にシャッターを押す以前/以後の身体の緩みもそこから想像することが出来る。緻密なグレートーンの画像の明滅に隠れてやってくるその緩みは、石川の息遣いであり石川がダンサーに振動させられている証である。つまり我々が目撃しているのはダンサーの身体だけでなく、その動きによっていちいち解体されていく石川の身体のドキュメントなのである。また作中で屢々引用される映画や小説は、歴史の連続性から切り離し難い時代とその風景を検証するために、作品の支柱の一つとして用いられており、そこには批評活動を行うもう一人の石川の身体の使い方が現れている。

三重野龍。グラフィックデザイナー。三重野の繰り出す文字、形、佇まいに魅了されている私の眼は、その仕事を前にすると隅から隅まで見尽くしたいという欲望に駆られる。字でも絵でもない、書くでも描くでもなく繰り出し定着される形。制限ある枠組、ルールの上で身体をどう運用するべきか。観る人間がどのように眼を動かし留めるのか、或は見切るのか。三重野は、グラフィックデザイン、グラフィティ、ドローイング、プロダクト制作、身体表現の間を振り子のように運動する経験からそれを熟知し、独自の手つきによって眼の欲望の先を見通し、弾力を有したしなやかな形を考案する。例えるなら柔らかい関節を備えたアスリートの身体である。故に私は三重野が繰り出す形象に人格すら感じる。本企画のメインビジュアルからもそれを測ることが出来るだろう。

 笹岡由梨子が綴る物語もそこに登場する人物も全く見事なハリボテである。しかし我々はハリボテの接合面を想像する事ができても実際に見る事は出来ない。
 ぎこちない動きのマリオネットに貼り付けられた顔、形、色彩、動作、言葉、それぞれのパーツを無理矢理繋ぐ不安定な身体の制作と同様に、個別の物語と歴史上のコンテクストを荒っぽく接続してしまう快楽と危うさを、ハリボテ構造を持ち出す事で批評する。つまり物語の成り立ちを身体の成り立ちに例えていると言えよう。部分同士の接合は常に観客に託されており、順序と方法を間違えたならば、悪魔の身体を出現させることさえも予感させるハリボテ行為。笹岡の作品は鼻歌が突如軍歌に成り代わるような狂気の飛躍を我々に提供する。一見親しみ易い変拍子に乗せて。

 柳瀬安里は文字通り自分の身体を差し出すことで作品を成立させる作家と言えよう。例えば国会議事堂前、高江、福島に。自らの生活の場と特殊な事情を抱えた場所での経験を接続することの危うさ、抵抗、そして希望について、敏感に反応する柳瀬の身体が記録される。声の震え、こわばった表情、行き先が定まらない歩行、カメラを見つめる眼。その場をうまくやり過ごすことが出来ず不規則に、ぎこちなく、時に停止する柳瀬の姿は、スクリーン前に立ち距離をもってそれを観る鑑賞者の居心地の悪さと重なる。つまり柳瀬の身体は我々の身体の代替である。記録映像を見ているにすぎないはずの我々は現場への接触を迫られる。柳瀬の身体の先行によって。

 小林耕平は近年、物や出来事に自身の解釈=言葉を投げかける事でそれそのものの潜在性を露わにし、体験の変容を迫る作品を制作する。しかし言葉によって変容させられるのは何も物や出来事だけではない。映像の中に佇む作者自身への評価、印象、眼差しの変更をも迫られる場合すらある。言葉を口にすること。言い切ること。言い淀むこと。とぼけること。誤魔化すこと。物や事を通した対話や表明に小林自身が巻き込まれて行く様子をやや離れた位置から笑いを浮かべながら眺めている我々は、程なくして自分の存在根拠を疑うことになる。小林の振る舞いによって身体の輪郭を固めていたはずの諸条件が音を立てずに溶かされていく。今回は髙橋がここに参入、接触することで新たな身体の運用を体現する機会を得たいと思う。

(企画:髙橋耕平)

出展作家

[1]石川卓磨(いしかわ たくま)
1979年 千葉県生まれ 
2004年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース卒業

近年の主な展覧会に
「AIRS企画vol.5 石川卓磨『真空を含む』」(国際芸術センター青森・ACAC AVルーム, 青森, 2016)、「石川卓磨×山本良浩展 responsive/responsible」(teco gallery, 青森, 2016)、「教えと伝わり|Lessons and Conveyance」(TALION GALLERY, 東京, 2016)、「第9回恵比寿映像祭『マルチプルな未来』」(東京都写真美術館, 東京, 2017)、「石川卓磨、槙原泰介、ミヤギフトシ『犬死にか否か』」(TALION GALLERY, 東京, 2017)などがある。

《Motion/Capture#2》/2016/発色現像方式印画/278×417mm/ TALION GALLERY(東京) 
《Tennis (Blow-Up『欲望』| Kiyotaka Suzuki, Aisa Shirai, Daisuke Awata)》/2017/HD video/6分24秒/TALION GALLERY(東京)

[2]三重野龍(みえの りゅう)
1988年 兵庫県生まれ 
2011年 京都精華大学グラフィックデザインコース卒業

近年の主な展覧会に
個展「日常」(momrag, VOU, 京都, 2016)、VOU POPUPSHOP&三重野龍EXHIBITION in なごや(LIVERARY, 愛知, 2017)、 VOU POPUPSHOP&三重野龍EXHIBITION in中目黒(THE WORKS, 東京, 2017)、HAND-WRITTEN SHOWCASE(Bird代官山, 東京, 2017)などがある。

《それからの街》フライヤー/2017/A4
《MASK Open Strage 2017 金氏徹平「見せる収蔵庫」》ポスター/2017/B2

[3]笹岡由梨子(ささおか ゆりこ)
1988年 大阪府生まれ
2017年 京都市立大学大学院美術研究科博士(後期)課程メディア・アート専攻満期退学

近年の主な展覧会に
「COLLECTING TIME_2016」(Espace cheminée nord, ジュネーヴ/スイス, 2016)、「瀬戸内国際芸術祭 2016」(小豆島, 香川, 2016)、「まぼろし村と、あなたとわたし」(青森県立美術館, 青森, 2016)、「第19回岡本太郎現代芸術賞」(川崎市岡本太郎美術館, 神奈川, 2016)、「BRASHNAR OPEN STUDIO」(Brashnar art project, スコピエ/マケドニア, 2017)、「不安的海埔地-國際交流展」(WINWIN ART 未藝術, 高雄/台湾, 2017)、「群馬青年ビエンナーレ2017」(群馬県立近代美術館, 群馬, 2017)「command X」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery, 東京, 2017)、「Hello Holy!」(ギャラリー@KCUA, 京都, 2017)などがある。

《Hello Holy!》/2017/ビデオ・インスタレーション/「Hello Holy!」展 ギャラリー@KCUA(京都) 
《Swiss》/2016/ビデオ・インスタレーション/「COLLECTING TIME_16」Espace cheminée nord(ジュネーヴ)

[4]柳瀬安里(やなせ あんり)
1993年 埼玉県生まれ 
2016年 京都造形芸術大学美術工芸学科写真コース 卒業

近年の主な展覧会に
「DIALOGUE展」(Johnbull Private Labo, 京都, 2014)、「PARK展」 (KYOTO ART HOSTEL kumagusuku, 京都, 2015 ※三人娘(菊池のえる・松本杏菜・柳瀬安里での出品)、「開校70周年記念国際交流展」(弘益大学校現代美術館, ソウル/韓国, 2016)、「不安な干潟-Insecure tide land-」(福利社 FreeS Art Space, 台北/台湾, 2016)、「フクシマ美術」(KUNST ARZT, 京都, 2016)、「光のない。- 私の立っているところから」 (KUNST ARZT, 京都, 2017)、「なにをみて、なにをつくる」(京都精華大学ギャラリーフロール, 京都, 2017)などがある。

《線を引く(複雑かつ曖昧な世界と出会うための実践)》/2015-2016/ビデオ/京都造形芸術大学卒業制作展(京都) 
《光のない。-私の立っているところから》/2016-2017/ビデオ/京都精華大学ギャラリーフロール「なにをみて、なにをつくる」展(京都)、KUNST ARZT個展「光のない。-私の立っているところから」(京都)

[5]小林耕平(こばやし こうへい)
1974年 東京都生まれ 
1999年 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業

近年の主な展覧会に
「六本木クロッシング 2007-未来への脈動」(森美術館, 東京, 2007)、「ヴィデオを待ちながら 映像-60年代から今日へ」(東京国立近代美術館, 東京, 2009)、「ユーモアと飛躍-そこにふれる」(岡崎市美術博物館, 愛知, 2013)、「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋-日本と韓国の作家たち」(国立新美術館/東京、 国立現代美術館果川館/韓国, 2015)、「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」(豊橋会場, 愛知, 2016)、「瀬戸内国際芸術祭2016」(伊吹島, 香川県, 2016)、「小林耕平×髙橋耕平 切断してみる。-二人の耕平」(豊田市美術館, 愛知, 2017)、「小林耕平×髙橋耕平 遠隔同化 -二人の耕平」(KYOTO ART HOSTEL kumagusuku, 京都, 2016-2017) などがある。

《三本のしわ ニッポンの豚足 どこまでも転がるロースト》Three Wriiinkles Pickled Pigs Feet An Endlessly Rolling Roast/撮影:大西正一+中川周/「1974年に生まれて」(群馬県立近代美術館)
《東・海・道・中・膝・栗・毛》To-Kai-Do-Chu-Hiza-Kuri-Ge/撮影:中川周/「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」(豊橋会場, 愛知)

企画者プロフィール

企画:髙橋耕平(たかはし こうへい)
1977年 京都府生まれ 
2002年 京都精華大学大学院芸術研究科修了

近年の主な展覧会に
「パズルと反芻 “Puzzle and Rumination”」(Island MEDIUM, NADiff a/p/a/r/t JIKKA, 東京, 2012)、個展「史と詩と私と」(京都芸術センター, 京都, 2014)、「Imitator2」(MART, ダブリン/アイルランド, 2014)、「ほんとの うえの ツクリゴト」(旧本多忠次邸, 愛知, 2015)、「still moving」(旧崇仁小学校, 京都, 2015)、「PAT in Kyoto 第二回京都版画トリエンナーレ2016」(京都市美術館, 京都, 2016)、個展「髙橋耕平 – 街の仮縫い、個と歩み」(兵庫県立美術館, 兵庫, 2016)、「小林耕平 × 髙橋耕平 切断してみる。- 二人の耕平」(豊田市美術館, 愛知, 2017)、「小林耕平 × 髙橋耕平 遠隔同化 – 二人の耕平」(KYOTO ART HOSTEL kumagusuku, 京都, 2016-2017) などがある。

《史と詩と私と》/2014/撮影:表恒匡/京都芸術センター(京都)
《かつて「大西」を名乗った者達への聞き取り》/2017/撮影:大西正一/豊田市美術館(愛知)

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とし、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく構成となっています。

関連記事


ALLNIGHT HAPS 2016 前期「人と絵のあいだ」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2013年より毎年「ALLNIGHT HAPS」を開催し、今年で4年目となります。本企画は、HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく独自の構成となっております。また同時に、若手アーティスト・若手キュレーターの養成を目的としております。
2016年度前期は、詩人としての活動とともに、若手作家を起用した展示企画を数多く行っている野口卓海の企画による「人と絵のあいだ」を開催いたします。各展示期間中にはアーティスト・トークも開催します。

概要

会期:2016年4月22日(金)〜8月14日(日) 会期中無休
企画:野口卓海
出展作家:鬣恒太郎/加藤方彦/しまだそう/田中秀介(会期順)
展示時間:19:00~10:00(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339)
主催:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援:平成28年度文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団

展示期間

鬣 恒太郎 2016年4月22日(金)満月 ~ 5月17日(火) トーク 5月13日(金)19:00-
加藤 方彦 2016年5月22日(日)満月 ~ 6月15日(水) トーク 6月10日(金)19:00-
しまだそう 2016年6月20日(月)満月 ~ 7月15日(金) トーク 7月15日(金)19:00-
田中 秀介 2016年7月20日(水)満月 ~ 8月14日(日) トーク 8月5日(金)19:00-

*トーク予定日は都合により変更する場合があります。

企画

【企画:野口卓海】
1983年京都市生まれ。2007年近畿大学文芸学部芸術学科造形美術専攻芸術理論コース卒業。
大学卒業後、批評活動を展開しながら、サウンドアーティストである金崎亮太とのユニット”Yoha Public.”として美術展示・演奏会などの企画を行う。主な企画として、「Tasting Art Exhibition」阪急メンズ大阪(2009年より複数回)、「Hankyu meets Art -summer-」阪急うめだ本店(2011年)、「根底の響きを探って」京都芸術センター(2012年より複数回)、「5 Artist Exhibition」阪急メンズ大阪(2013年)、「有馬温泉路地裏アートプロジェクト」(2013年)、「まよわないために -not to stray-」the three konohana(2014年)、「松見拓也 写真展 | KASET」hinemos(2015年) など。また現代美術へのアプローチと平行し、デザイン・ストリートカルチャー・音楽といった同時代的な他領域へ積極的に携る活動として、hinemosにも参加している。

 

企画にあたって
「絵は、それ自体が発光しないという点において、月と似ている。」
私の友人の画家が、ある平凡な夜にそんな風なことをぽつりと漏らした。
私たちの視覚は、普段どれほどの自律発光体に晒されているだろう。あれらは便利だ。目と心を簡単に奪う。絵は動きもしない。光らず、まして拡大や縮小もできない。それでもなお、たくさんの人が絵を描いている。なぜって?私はいまだ、そのわけを知らない。
絵を描かない私が、そのわけを知りたいと思ってから十数年が経つ。その当時、私はこの世に画家がいるだなんて思ってもみなかった。私が初めて出会った絵描きは二歳年上で、その人から「もう絵はやめました」と書いた手紙を受け取ったのが数日前。私たちはもっと話さなければならない。人と絵のあいだで交わされている、たくさんのやりとりについて。

鬣 恒太郎(たてがみこうたろう)

1981年 兵庫県生まれ
2011年 京都造形芸術大学情報デザイン学科先端アートコース卒業
2013年 京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻総合造形領域修了

[個展]
2011年 +×÷(HOTEL ANTEROOM KYOTO, Gallery 9.5/京都)
2014年 鬣くん、最近どんな絵を描いているの?(ARTZONE/京都)
2016年 Dear Big Brother(京都芸術センター/京都)

[グループ展]
2011年 SANDWICHES(HOTEL ANTEROOM KYOTO Gallery 9.5/京都)
Flowing Narrative Following Narrative(ARTZONE/京都)
2012年 ANTEROOM PROJECT(HOTEL ANTEROOM KYOTO Gallery 9.5/京都)
2013年 AT PAPER. EXHIBITION “ 09 ”(kara-Sギャラリー/京都)
RADICAL SHOW 2013(渋谷ヒカリエ 8/CUBE/東京)
2014年 KUAD graduates UNDER 30 selected(京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ/京都)

[その他]
2015年 アーティストブック「辺集」(Group Exhibition on Book)参加
「Dance Fanfare Kyoto vol.03 美術xダンス」内企画「Don’t look back in anger.Don’t be long 時化た顔で振り向くな、早くおうちに帰っておいで」参加(元立誠小学校/京都)

鬣 恒太郎|OSH9070

加藤 方彦(かとうまさひこ)

1982年 京都府生まれ
2005年 同志社大学文学部国文学専攻卒業
2008年 武蔵野美術大学油絵学科卒業
2011年 ミュンヘン造形美術大学絵画科
2014年 ドレスデン造形美術大学絵画科Ralf Kerbachクラス卒業
2014年-ドレスデン造形美術大学マイスターシューラー在籍

[個展]
2005年 同時代ギャラリー, 京都
2008年 Roof, 東京)
2010年 Klartext, ミュンヘン

[グループ展]
2012年 Wesseling美術賞(ケルン)
2013年 ACTアート大賞展(東京)
ワンダーシード2013入選(東京)
Klangkunsthöfe 2013(ベアバルデ)
Hype internationale figurative Aussetellung(Geh8/ドレスデン)
四季 ACTアート大賞展 優秀賞グループ展(東京)
2014年 Diplomausstellung(ドレスデン)
日本人美大生の展示とワークショップ(ケムニッツ鉄道博物館/ケムニッツ)
グループ展(ギャラリーIrrgang/ライプツィヒ)

加藤 方彦|アトリエの夜2

しまだそう

1983年 大阪府生まれ
2009年 近畿大学文芸学部芸術学科卒業

[個展]
2009年 double bind(gallery Den/大阪)
2010年 せこはん景色・でらっくす(spectrum gallery/大阪)
2011年 B面の界隈(spectrum gallery/大阪)
2012年 0≒Be式(コンテンポラリーアートギャラリーZone/大阪)
    そううぃんどう(street gallery/神戸)
1,000×しまだそう×青い家(AIR南山城村「青い家」/京都)
2013年 明後日の芳香(spectrum gallery/大阪)
2014年 そううぃんどう(street gallery/神戸)
    8th wonder of the galaxy(spectrum gallery/大阪)
    ようやく無題(2kw gallery/大阪)
    NO PLAN―脳腐乱―(KUNST ARZT/京都)
2015年 イメージでした(spectrum gallery/大阪)
キャプテンフランスパンとレーザーワニ(2kw58/大阪)
    Maybe, Cosmos (YIRI ARTS/台北)

[受賞・入選]
2008年 全国公募 第七回サムホール大賞入選
2012年 ゴールデンコンペティション2012優秀賞受賞
シェル美術賞2012 入選(2011、2010も入選)
2015年 YOUNG ART AWARD 2015 ベスト5ノミネート

[パブリックコレクション]
南山城村役場(冬耳、長友紀子、沖晋吾、田中秀介、岩名泰岳、しまだそうによる共同制作作品)

しまだそう|ズドン

田中 秀介(たなかしゅうすけ)

1986年 和歌山県生まれ
2009年 大阪芸術大学美術学科油画コース卒業

[個展]
2013年 回想と突発のわれわれ(Gallery Morning/京都)
2015年 私はここにいて、あなたは何処かにいます。(Gallery PARC/京都)
2016年 円転の節(トーキョーワンダーサイト渋谷/東京)

[グループ展]
2013年 夜水鏡みがかず見るよー死と詩ー(Gallery OUT of PLACE/奈良)
有馬温泉路地裏アートプロジェクト2013(有馬温泉/兵庫)
2014年 まよわないために -not to stray-(the three konohana/大阪)
CONSTELLATION 2014-星座的布置展-(上野の森美術館/東京)
2015年 liquid section(2kw gallery/大阪)

[受賞・入選 等]
2009年 第24回 ホルベイン・スカラシップ奨学生認定
「Art Camp 2009」サントリー賞受賞
2014年 FACE 2015 損保ジャパン日本興亜美術賞入選
シェル美術賞 入選
2015年 トーキョーワンダーウォール2015入選
Gallery PARC Art Competition 2015入選

田中 秀介|いにしえと青年の道

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とし、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく構成となっています。

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ALLNIGHT HAPS 2016後期 「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2013年より毎年「ALLNIGHT HAPS」を開催し、今年で4年目となります。本企画は、HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく独自の構成となっております。また同時に、若手アーティスト・若手キュレーターの養成を目的としております。
2016年度後期は、自身も画家として活躍する厚地朋子の企画により「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」を開催いたします。展示空間に入ることができないショーケースギャラリーの特性を活かし、彫刻における触覚的な視覚性を問う試みです。

概要

ALLNIGHT HAPS 2016後期
「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」

 

会期:2016年10月1日(土)~ 2017年2月12日(日) 会期中無休
企画:厚地朋子
出展作家:花岡伸宏/吉田朝麻/對木裕里/山下耕平(会期順)
展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
協力:taïmatz、TEZUKAYAMA GALLERY、 MORI YU GALLERY
支援:平成28年度文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団

展示期間

・花岡伸宏  2016年10月1日(土)〜 10月31日(月)
・吉田朝麻  2016年11月8日(火)〜 11月30日(水) *11月19日(土)17:00-「マッスルNTTなどズLIVE」開催!
・對木裕里  2016年12月4日(日)〜 2017年1月4日(水)
・山下耕平  2017年1月12日(木)〜2月12日(日)

企画

【企画:厚地朋子】
厚地朋子は1984年京都府生まれ。
2008年 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業、2010年 京都市立芸術大学大学院修士課程修了。2010年「絵画の庭—ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪)や 2014年「絵画の在りか The Way of Painting」(東京オペラシティアートギャラリー、東京)などグループ展に多数参加。2013年「わたしたちは粒であると同時に波のよう」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)や2014年「egØ -「主体」を問い直す-」(punto、京都)などの自主企画展も積極的に企画、参加している。また2015年にはアートブック『辺集』を企画、出版。最新の展覧会は2016年1月の個展「コズミックダンス」(taïmatz、東京)。
現在、京都にて制作、活動中。
 

企画にあたって
「ALLNIGHT HAPS」の大きな特徴のひとつに、作品と鑑賞者の間に絶対的に立ちはだかるガラス扉の存在があります。鑑賞者が作品に近寄りたくとも許されません。それは何ともはがゆいものです。しかし、実際にALLNIGHT HAPSを鑑賞したときの経験から、これは立体や空間を扱う作品を展示するべきだと思いました。
(本来、様々な角度から鑑賞されるべき作品が一方向からしか鑑賞できず全体が把握できない状況は、王座に君臨する何者かのようで、またコインに描かれた横顔の権力者とどこか似ていると思いました)
ガラスを隔てた作品の在る空間に身体を置けなくとも、視覚は進むことができます。鑑賞者は制約の中で自分の思考と想像力を総動員し作品と向き合います。ものの全てを把握できない状況を積極的かつ肯定的に捉えたい。それは、目で触るかのようであって彫刻を絵画のように見るようでもあります。
高村光太郎は「触覚の世界」で「私にとって此世界は触覚である」と述べています。絵描きである私にとってこのことは非常に新鮮なものでした。私はいささか触覚について無頓着であったと思うのです。そして自分と外界との完全なる分離を改めて認識しました。この展覧会を作るうえで目指したことは、「内側の拡張」と「感覚の総動員」です。見えているものが全てではなく、見ることを通して手触りや音や匂いを感じ、さらにその奥にある何かを必死に感じようとする心と思考のトレーニング、とも言えます。
(個人的な話になりますが、今回、初めて展覧会をキュレーションすることになり、とてもびびっています。やはり自分の日々の制作から切り離して考えることが難しく、結局、自分の絵を考えるように展覧会を考えました。昔、一瞬の気の迷いから立体作品を作ったことがあります。しかし、ある人から「立体作っても結局絵だね」と言われたことがあります。今回の展覧会も「展覧会作っても結局絵だね」となるかもしれません。)
 

選出理由
手垢や手触りの多い作品を置きたいという欲求がありました。舐め回すように遠くから見つめるだけで、満たされる気持ちと満たされない気持ちの両方をいっきに味わう。夜道に佇んで、想像力という力でガラスを超え、身体の心地よい置いてけぼり感を食らう。そんな風景を思い描いています。
花岡伸宏や對木裕里の作品には手垢や手触りがしっかり残っています。それらは思わず触ってしまいそうになります。山下耕平の作品は、この不自由な自由を楽しむことができる柔らかさがあります。吉田朝麻はさらに音を扱うことができます。音を通して、ガラスを超え鑑賞者と作品が触れ合うことができると考えました。
触覚というものは最も幼稚であり、最も根源的なものであるという高村光太郎の言葉と同時に、私は、いい作品に出会うとどんなメディアであれ触りたくなることを思い出しました。

出展作家

花岡伸宏(はなおか のぶひろ)

1980年広島県生まれ、京都府在住
2006年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了

http://hanaoka.p2.weblife.me//

[個展]
2015 「Statue of clothes」MORI YU GALLERY KYOTO、京都
2013 「無形の排泄」MORI YU GALLERY KYOTO、京都/東京
2012 「回帰 recurrence」Gallery PARC、京都
「入念な押し出し」ギャラリー恵風、京都

[グループ展]
2016 「VOCA展2016」上野の森美術館、東京
2015 「RESONANCE Ⅳ -生活とかたち-」ギャラリー揺、京都
    「still moving」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
2014 「disappear」ギャラリーあしやシューレ、兵庫
  「Paraglider」ART SPACE ZERO-ONE、大阪
2013 「ユーモアと飛躍-そこにふれる-あいちトリエンナーレ2013
     並行企画事業」岡崎市美術博物館、愛知
  「集積と解放」京都府アールブリュッ都ギャラリー
2009 「After School-放課後の展覧会-」元立誠小学校、京都

[受賞歴]
2009 「第12回 岡本太郎現代芸術賞展」特別賞
2006 「JEANS FACTORY ART AWARD 2006」優秀賞
2005 「群馬青年ビエンナーレ’05」奨励賞

花岡伸宏 《statue of clothes(yellow)》, 2015

吉田朝麻(よしだ あさお)

1984年京都府生まれ、静岡県在住
2007年京都市立芸術大学美術学部デザイン科卒業

http://musclentt.com/nados/

2003年「マッスルNTT」名義にて音楽活動開始。ライブや自主リリース、テーマ曲の制作やリミックス等を行う。
2007年京都市立芸術大学 美術学部 デザイン科 プロダクトデザイン専攻 卒業。
2012年より印刷媒体zine(ジン)作りや様々な印刷技術を体験できる場作りユニット「ZING」(ジング)をトモノカナコと結成し、静岡県をはじめ長野県松本市美術館や東京都庭園美術館にて場所作りやワークショップ等を行う。
2014年自身のバンド「マッスルNTTなどズ」活動開始。2枚のアルバムを自主レーベル「百科」よりリリースし各地でライブ活動を行う。
2014年、15年、16年 浜松鴨江アートセンターレジデンス事業に採択され音楽制作や音にまつわる作品制作を行い展示やワークショップを行う。
2014年より鴨江アートセンター主催「鴨江アートバザール」のアートディレクションを行う。

《コトコロン》, 2015

對木裕里(ついき ゆり)

1987年神奈川県生まれ、東京都在住
2009年武蔵野美術大学彫刻学科卒業
2011年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了

http://tsuikiyuri.wixsite.com/potato

[個展]
2015 「左みずうみ」Alainistheonlyone、東京
2014 「分け入って、分け入って」古書まどそら堂、東京

[グループ展]
2016 「Identity XII–崇高のための覚書-curated by Taro Amano-」
日動contemporary art、東京
「ここにもアートかわぐち」川口市キュポ・ラ、埼玉   
「第11回大黒屋現代アート公募展」板室温泉 大黒屋、栃木 
2015 「Feb.」神奈川県民ホール
    「それには興味がわかないと思います。」Alainistheonlyone、
東京
  「第4回新鋭作家展 本の場」川口市立アートギャラリー・ア
トリア、埼玉
2014 「怪作展」ギャラリー新九郎、神奈川
  「第9回大黒屋現代アート公募展」板室温泉 大黒屋、栃木
  「面白い技術」清閑亭、神奈川
2013 「怪作展」ギャラリー新九郎、神奈川
  「第8回大黒屋現代アート公募展」板室温泉 大黒屋、栃木
  「ongoingXmas」art center ongoing、東京

[受賞歴]
2016 「第11回大黒屋現代アート公募展」大賞
2014 「第9回大黒屋現代アート公募展」入賞
     「第4回新鋭作家展」優秀賞/川口市立アートギャラリー・ア
トリア、埼玉
2013 「第8回大黒屋現代アート公募展」入賞
2011 「京都市立芸術大学作品展」同窓会賞

對木裕里《犬の土地》, 2016(photo by Kei Okano)

山下耕平(やました こうへい)

1983年茨城県生まれ、京都府在住
2010年京都市立芸術大学大学院美術研究科造形構想専攻修了

koheiyamashita.jimdo.com

[個展]
2013 「ヒュッテにて」TEZUKAYAMA GALLERY、大阪
2010 「Traverse」TEZUKAYAMA GALLERY、大阪

[グループ展]
2015 「ART KAOHSIUNG」City Suites-Kaohsiung、高雄(台湾)
「The Glory (of phenomenon) : ActⅠ」TEZUKAYAMA
     GALLERY、大阪
  「See SawとK氏のコレクション展」See Saw gallery +
     café、愛知
2013 「わたしたちは粒であると同時に波のよう」京都市立芸術
     大学ギャラリー@KCUA
     「近所の迷子」taïmatz、東京
  「TSCA Rough Consensus」ホテルアンテルーム京都
2012 「OUR HIDDEN PLACES」a・room、京都
 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012」松代
     木和田原地区、新潟
  「隠喩としての宇宙」ホテルアンテルーム京都/タカ・イシ
     イギャラリー京都
「Views of Life」hpgrp GALLERY NEW YORK(アメリカ)

[その他]
2015 アートブック『辺集』企画・出版

[受賞歴]
2010 「京都市立芸術大学作品展」同窓会賞
2008 「京都市立芸術大学作品展」市長賞

山下耕平《ヒュッテにて》, 2013

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とし、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく構成となっています。

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ALLNIGHT HAPS 2015第一期「逆流」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2013年より毎年「ALLNIGHT HAPS」を開催し、今年で3年目となります。本企画は、HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく独自の構成となっております。また同時に、若手アーティスト・若手キュレーターの養成を目的としております。
2015年度前期は、美術家、金氏徹平の企画による「逆流」、後期は、音楽家であり、数々のイベント企画運営を行ってきた山崎伸吾による「DEMO」を開催いたします。
第一期と第二期の間には両企画者によるフェスティバルの開催を予定しています。

概要

第一期「逆流」

会期 2015年7月1日(水)~10月31日(土) 会期中無休
企画 金氏徹平
出展作家 TV Moore/森千裕/カワイオカムラ/小金沢健人/藤澤信輔/京都市立芸術大学彫刻専攻ゼミ1/金氏徹平(会期順)

展示時間 19:00〜10:00(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339)
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成 27 年度文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団

【企画者:金氏徹平】
1978 年京都府生まれ。個展「溶け出す都市、空白の森」(2009、横浜美術館)など国内での発表のほか、海外での個展や企画展も多数。近年では、シンガポールビエンナーレ2011、北京での個展「Towering Something(2013、ユーレンス現代美術センター)」、「ザ・コンテンポラリー1われらの時代:ポスト工業化社会の美術(金沢21世紀美術館)」など。また、2011 年「家電のように解り合えない」(作・演出:岡田利規、出演:森山開次)、2013 年、ARICA+ 金氏徹平「しあわせな日々」(あいちトリエンナーレ2013 にて初演)にて舞台美術を手がける。teppeikaneuji.com

【企画に当たって】
「上と下、過去と未来、現実と幻想、明と暗、静と動などの逆流がおこる場所と時間がテーマ。」

FESTIVAL OMOIDE(OMO_FES)

日時 2015年10月31日(土)-11月1日(日)
   12:00 – 20:00
場所 HAPSオフィス
出演 ALLNIGHT HAPS参加アーティストたち(未定)、その他ゲスト大勢

チケット
1日券:1,500円
2日券:2,000円

本キュレーターである金氏徹平と山崎伸吾、そして参加アーティストによるフェスティバルを開催いたします。詳細は追ってお知らせします。乞うご期待!
https://haps-kyoto.com/omofes/

出展作家/展示期間

TV Moore

7月1日(水)~ 13日(月)
シドニー大学(ビジュアルアーツ専攻)卒業、カリフォルニア芸術大学修了。世界中の美術館・ギャラリーなどで展覧会多数。絵画、ビデオ、フィルム、写真、演劇など複数のメディウムで制作を行っている。心理的空間、パフォーマンス、ナラティブ(物語叙述的)もしくは非-ナラティブな構造を用いながら、物語の中に物語、あるいは歴史の中にある歴史があるような無数の世界を表現している。主なグループ展に、韓国・釜山ビエンナーレ、第1回トリノトリエンナーレ(イタリア)、第16回シドニー・ビエンナーレなど。シドニー・ビエンナーレでの新作「エスケープ カーニバル」は、現在シドニーのコッカトゥー島に常設されている。また、ニューヨークで複数の重要なプロジェクトが進行中である。

森 千裕

7月14日(火)〜27日(月)
1978年大阪府生まれ、東京在住。2005年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。都市社会で、さまざまなことが同時に起こっている、この世の中の現象を作品にしている。日常品で構成した立体作品、水彩や墨などを用いて描かれた平面作品、膨大なドローイングや言葉や写真などを収録した「森ブック」の刊行など、さまざまな表現形態で作品を発表している。
今回展示予定の映像作品では音楽をOORUTAICHIが担当している。
主なグループ展に「ALLLOOKSAME ?/ TUTTTUGUALE ?: Arte Cina Giappone Corea Art」(2006年、サンドレット・レ・レバウデンゴ財団、トリノ、イタリア)、「夏への扉- マイクロポップの時代」(2007年、水戸現代芸術館)、「絵画の庭─ゼ ロ年代日本の地平から」(2010年、国立国際美術館)、「MOTコレクション第2部 残像から-afterimages of tomorrow」(2013年、東京都現代美術館)、「六本木クロッシング2013」(2013年、森美術館)がある。chihiromori.com

カワイオカムラ

7月28日(火)〜8月6日(木)
京都市立芸術大大学院在学中の1993年にアートユニット「カワイオカムラ」結成。94年同大学院美術研究科修了。97年以降、アニメーションを主とする映像作品を制作するようになる。98年、国際展「どないやねん~現代日本の創造力」(パリ国立高等美術学校)に出品。2000年、テレビ東京「バミリオン・プレジャー・ナイト」の制作に参加。05年、短編映画祭「第1回Under 10 minutes Digital Cinema Festival」グランプリ受賞。主な個展に「カワイオカムラマ?サマータイムブルースアニメーション?」(07年、京都芸術センター)、個展「クリテリオム71」(07年、水戸芸術館)。2011年、映画祭「現代日本映画番外編〝関西からの声〟」(パリ日本文化会館)、2012年には「第65回ロカルノ国際映画祭」短編部門特別プログラムに正式招待された。

小金沢健人

8月7日(金)〜21日(金)
1974年東京都生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。武蔵野美術大学映像学科卒業後ドイツに渡り、以来ベルリンを拠点に活動を続ける。映像、ドローイング、インスタレーションなど多様な表現メディアを用いた作品群を国内外で発表している。国内では、主な個展に「あれとこれのあいだ」(2008年、神奈川県民ホールギャラリー)、「Dancing in your head」(2004年、資生堂ギャラリー)。主なグループ展に「横浜トリエンナーレ2008」(新港ピア)、「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」(森美術館)、「ザ・コンテンポラリー1われらの時代:ポスト工業化社会の美術」(金沢21世紀美術館)など。

藤澤信輔

8月26日(水)〜9月24日(木)
2004年京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業。イメージと造形行為全般との関係から生じる自由意志について思考し、実践している。個展「イメージすること映像について歩きながら考える。」(2010年、同時代ギャラリー)、グループ展「境谷小学校作品展」(2013年)

*以下の時間のみ、鑑賞者が会場内に自由に入ることができます。
・8月29日、9月5日、12日、19日(土)12:00〜19:00(9月12日のみ夜間21時まで開場)

京都市立芸術大学彫刻専攻ゼミ1(川瀬鮎美、君嶋紗帆、楠井沙耶、辻村知夏、御厨阿未、宮木亜菜)

9月26日(土)〜10月12日(月)
「池の中でロクロール」
池に波が立つ。寄せては返す池の波は形を変え、どこまでも波紋を広げていく。
私たちはこの場所をいくつかの視点から眺めた。その視点によって絶えることなく変化し続けるそれぞれの場所は決して鳴り止まない。
いくつもの場所が提示され、間を繋ぎとめるひとつの波があったとき、それは大きくうねり出す。
一つの空間・一つのユニットを共有し、視点がずれていくようにリレー形式で行われる5つの展示と、それをつなぐ展示替えパフォーマンス。
断絶されることなく行われる“見る・見られる”の提示と変換によって生まれる新しい視点の獲得を目指します

金氏徹平

10月16日(金)〜30日(金)

撮影:守屋友樹

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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ALLNIGHT HAPS 2015第二期「DEMO」

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、2013年より毎年「ALLNIGHT HAPS」を開催し、今年で3年目となります。本企画は、HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく独自の構成となっております。また同時に、若手アーティスト・若手キュレーターの養成を目的としております。
2015年度前期は、美術家、金氏徹平の企画による「逆流」、後期は、音楽家であり、数々のイベント企画運営を行ってきた山崎伸吾による「DEMO」を開催いたします。
第一期と第二期の間には両企画者によるフェスティバルの開催を予定しています。

概要

第二期「DEMO」

会期 2015年11月7日(土)~2016年2月29日(月) 会期中無休
企画 山崎伸吾
出展作家 荒木優光/金氏徹平/小松千倫/松見拓也/梅田哲也(会期順)

展示時間 19:00〜10:00(翌日朝)
会場 HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路五条上る山崎町339)
主催 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
支援 平成 27 年度文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
助成 公益財団法人 朝日新聞文化財団

【企画者:山崎伸吾】
1978年倉敷市水島生まれ。音楽家/ディレクター。
京都を拠点に、音楽・美術・工芸・デザインなどを行う人たちと共同し企画を行う。
京都精華大学卒業後から環境や社会・アート・ライフスタイルをテーマにしたトークイベント、
先鋭的なアーティストを集め開催したフェス型音楽イベント、ショップ/ギャラリーが併設されたスペースの運営など、数多くのプロジェクトを行う。
現在は、地域に根ざしたものづくりに強い関心を持ち、主に伝統産業の分野で作り手に寄り添ったプロジェクトを行う。伝統工芸を中心とした若手工芸家のための育成プログラム「京都職人工房」、京都のデザインカルチャーWEBマガジン「Refsign Magazine Kyoto」、21世紀の公民館をコンセプトにしたスペース「Social Kitchen」のディレクターを担当。
その他、音楽家として双子の未亡人、モノクロームサーカス、高嶺格などのダンス/パフォーマンス作品に参加。バンドGTSVLではドラムを担当している。
 

【企画に当たって】
「集団での示威運動としてのデモンストレーションと、試聴盤としてのデモテープの2つの意味を持つ「DEMO」。また、[democratic]など制度または概念としての「民主主義」にまつわる言葉群にもつながる。今後、アーティストが放つアイデア(作品)が既成の制度に向けた試験的な運動へと変容していくと面白いだろうなという願いのような出会いのような。」

FESTIVAL OMOIDE(OMO_FES)

日時 2015年10月31日(土)-11月1日(日)
   12:00 – 20:00
場所 HAPSオフィス
出演 ALLNIGHT HAPS参加アーティストたち(未定)、その他ゲスト大勢

チケット
1日券:1,500円
2日券:2,000円

本キュレーターである金氏徹平と山崎伸吾、そして参加アーティストによるフェスティバルを開催いたします。詳細は追ってお知らせします。乞うご期待!
https://haps-kyoto.com/omofes/

出展作家/展示期間

荒木優光

11月7日(土)〜23日(月)
1981 年山形県生まれ。京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科卒業。音に関する作品 を作る。主な作品に 2015 年「sunroof〈代理シャウトのオーディオシステム〉」、2014 年「ダイアローグ no.1~no.6」、2013 年「パブリックアドレス-音場 2」「Public Address/パブリックアドレス」、2012 年「横断の調べ – 福島の海岸へ釣りに行った 男」「煙にまかれたジュークボックス」、2011 年「@アッチ&コッチ~N 市からの呼び声」、記録音源 「HIROSHIMA-HAPCHEON」など。他、舞台作品や映像作品における音響多数。2014 年、記録にまつわる作業集団「archives pay」発足。バンドNEW MANUKE のメンバー。

金氏徹平

11月28日(土)〜12月14日(月)
1978 年京都府生まれ。個展「溶け出す都市、空白の森」(2009、横浜美術館)など国内での発表のほか、海外での個展や企画展も多数。近年では、シンガポールビエンナーレ2011、北京での個展「Towering Something(2013、ユーレンス現代美術センター)」、「ザ・コンテンポラリー1われらの時代:ポスト工業化社会の美術(金沢21世紀美術館)」など。また、2011 年「家電のように解り合えない」(作・演出:岡田利規、出演:森山開次)、2013 年、ARICA+ 金氏徹平「しあわせな日々」(あいちトリエンナーレ2013 にて初演)にて舞台美術を手がける。teppeikaneuji.com

小松千倫

12月19日(土)〜2016年1月18日(月)
1992年高知県生まれ、2015年京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻構想設計在籍中。16歳の頃よりReaperを使用したサンプリングコラージュ、フィールドレコーディング、プロセッシングされたノイズ・音響作品を制作、高校時代よりmix CDの制作、ネット上での公開を開始。Madeggとしては、2012年 flauより1st 『Tempera』をTシャツにDLリンクという形式でリリースし、英MixmagのBest Album of Monthに選出されるなど欧米を中心に高い評価を得る。Sonar Sound 2013 Osaka/Tokyo 両公演に20歳の最年少記録で出演。2015年より、IdleMomenstと共同主催で『INTEL』をオーガナイズし、D/P/IやTCF等のアーティストを招聘。自身のレーベル『NOCREDIT』の運営をスタートした。また、知覚領域の内外における『音』をテーマにしたインスタレーション作品、映像作品、平面作品の発表、グラフィックデザイン、リトルプレスの制作も行う。
http://kazumichi-komastu.tumblr.com/

松見拓也

1月23日(土)〜2月8日(月)
1986年生まれ。京都精華大学デザイン学部卒業。
2010年よりパフォーマンスグループcontact Gonzoに加入。同年、NAZEと共に犯罪ボーイズ、鏡世界社を結成。フリーランスのデザイナー、フォトグラファーとして活動している。現在HAPSスタジオを活用中。

梅田哲也

2月13日(土)〜2月29日(月)
1980年熊本県生まれ、大阪を拠点に活動中。展覧会やライブパフォーマンス、即興演奏など、様々な形態で活動を展開。ミュージシャンや美術家とのコラボレーションも多数実践している。音や光などシンプルな物理現象を拡張するように、独自のライブ空間を築くアーティスト。近年の主な個展に、「クリテリオム」(2008年、水戸芸術館)、「大きなことを小さくみせる」(2011年、神戸アートビレッジセンター)など。主なグループ展では、「あいちトリエンナーレ2010」(二葉ビル、名古屋)、「Double Vision: Contempoary Art From Japan」(2012年、モスクワ市近代美術館)などにも参加し、近年では「十和田奥入瀬芸術祭」(2013年)でも注目を集めた。

HOTEL NEW OSOREZAN 2013/Ota Fine Arts SINGAPORE

ALLNIGHT HAPSについて

本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。

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