一般社団法人HAPSは、2024年3月2日より、遠藤水城のキュレーションによる展覧会「具ささ」を青山|目黒(東京)にて開催いたします。
HAPSは、京都市にゆかりある若手アーティストの居住・制作・発表を包括的に支援する団体です。2023年より、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」へオンラインギャラリー「HAPS KYOTO」を出店し、京都のアートシーンに確かな足跡を残してきた作家をHAPS独自の視点で紹介しています。加えて「HAPS KYOTO」の出展作品をオフラインで直接鑑賞できる展覧会シリーズである「HAPS KYOTO selection」を京都市内の各所で開催し、新進のアーティストとマーケットの出会いを促進し、多様な鑑賞の機会を創出してまいりました。
今回の展覧会「具ささ」は、「HAPS KYOTO」出展作家である武内ももと、大田黒衣美・黒田岳・斎藤玲児・千葉雅也といった、ジャンルや年齢にとらわれない表現者が一堂に会します。多様な作家それぞれの方法が積み重ねられた作品を、会場に配された「具」ととらえ、作品同士の相互作用とそれらを包摂する部屋の様相を「具に」ご覧いただくことを通じ、手法やメディウム、空間を超えた共鳴が直感されることでしょう。「HAPS KYOTO」の出展作家と、外部の多様な表現との出会いを通じて、京都ゆかりの若手アーティストを含む新たな鑑賞体験を東京の地で提示いたします。みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
◼️概要
イベント名|具ささ
会期|2024年3月2日(土)~3月24日(日)※オープニングレセプション|3月2日(土)18:00-20:00
アーティスト|大田黒衣美、黒田岳、斎藤玲児、武内もも、千葉雅也
キュレーション|遠藤水城
開廊時間|木、金曜日12:00~19:00/土、日、祝日12:00~18:00 ※20日(祝)は開廊
休日|月・火・水曜日
会場|青山|目黒(〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-30-6)
料金|無料
主催|一般社団法人HAPS
協力|KAYOKOYUKI/青山|目黒
◼️アーティストプロフィール
大田黒衣美(おおたぐろ えみ)
1980年生まれ。東京造形大学美術学科絵画科専攻、東京藝術大学大学院修士課程油画科修了。2019年に文化庁新進芸術家海外研修制度を受けベルリンを拠点に活動。現在は愛知県在住。ウズラの卵やチューイングガム、ティッシュペーパーなどを素材として、絵画、写真、映像、インスタレーションなど、さまざまな手法を用いて不安定な心に潜む原始的な知覚や思念を顕現させる作品を制作している。主な展覧会に「ねこのほそ道」(豊田市美術館、愛知、2023)、「食と現代美術 Part9—食とアートと人と街—」(BankART1929、神奈川、2023)、「DOMANI・明日展 2021」(国立新美術館、東京、2021)、「Mesa」(クンストラーハウス・ベタニアン、ベルリン、2020)など。
黒田岳(くろだ がく)
1946年長野県生まれ。萩陶芸家協会正会員。南地工房にて作陶。一度焼いた上からさらに焼成を重ねる「鬼萩」と呼ばれる手法を用い、通常の萩焼より強度が高く、力強い表情と質感の器を生み出している。
斎藤玲児(さいとう れいじ)
1987年東京都生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。2008年より、日々の生活の中で撮りためられた大量の写真と動画を素材とした映像作品を制作。近年の展示・上映会に「27 28 29」(People、東京、2023)、「25-3」(外、京都、2022)、「斎藤玲児作品特集 -Experimental film culture vol.4 in Japan-」(ポレポレ坐、東京、2022)、「25」(gFAL、東京、2021)、「A WAY OF DOCUMENTATION」(Á Space、ハノイ、2021)、「Art au Centre」(リエージュ、2019-21)、「24」(LAVENDER OPENER CHAIR、東京、2020)、「Black Box: And again {I wait for collision}」(KINGS、メルボルン、2019)、「鈴木光/斎藤玲児 映像上映」(KAYOKOYUKI、東京、2017)など。
武内もも(たけうち もも)
1997 年生まれ。2021年京都精華大学芸術学部陶芸コース卒業。陶芸と人、その周辺で同時に起こりうる複数の時間や身体のあり方について関心を持ち、暮らしにまつわる人やもの、風景や現象を起点に、陶芸の素材に由来する特性や焼成による変化を重ね合わせた作品を制作・発表する。近年の主な発表に「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」(奈良県吉野町、2023) 、「HAPS KYOTO selection #1」(HAPS、京都、2023)、「Art-SITE vol.1 武内もも個展『待つ身体、眠る身体』」(金沢市民芸術村アート工房PIT5、石川、2022)がある。また、2016 年よりレトロニムに所属。演出家・俳優と協同し、表現分野の垣根を越えた演劇の場について、パフォーマンスや展覧会、団体誌の発行などを通して発表している。
千葉雅也(ちば まさや)
1978年生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院総合学術研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。20世紀の哲学思想を起点とし、芸術、文化、社会について幅広く考察している。小説家としても活動する。以前行っていた美術制作を2020年に再開した。本展がその最初の展示となる。理論的著作として、『動きすぎてはいけない——ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社、2013、第4回紀伊國屋じんぶん大賞、第5回表象文化論学会賞)、『勉強の哲学』(文藝春秋、2017)、『現代思想入門』(講談社現代新書、2022、新書大賞2023)など。小説作品に、『デッドライン』(新潮社、2019、第41回野間文芸新人賞)、短篇「マジックミラー」(2021、第45回川端康成文学賞、『オーバーヒート』所収)、『エレクトリック』(新潮社、2023)など。
◼️HAPS KYOTOについて
HAPSでは京都の若手アーティストの活動環境向上、アート市場活性化、アーティストとコレクターの新たな関係づくりを図るため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」を通して京都の作家と作品を紹介・販売しています。今後の飛躍が期待される若手や商業ベースに乗りにくい作家、京都のアートシーンに確かな足跡を残してきた作家をHAPS独自の視点でセレクトし、収益は各作家ならびに今後の作家支援に還元されます。若手から中堅まで、性別を問わず、障害の有無を問わず、美術/工芸やハイアート/サブカルチャーなどの垣根を超えて、HAPSにしかできない方法で「多様な表現」のあり方を守り、発展させることを目指します。
現在の出展作家:阿児つばさ/上田要/金氏徹平/清水宏章/黒川岳/ゲシュタルト崩壊フラグ/小林椋/武内もも/鬣恒太郎/谷澤紗和子/知原諒汰/HABURI/藤田紗衣/水木塁/迎英里子/八幡亜樹/山﨑愛彦/リュ・ジェユン