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HAPS KYOTO selection #4 HABURI「Flag-waving」開催のお知らせ

《Flag series(フラッグ シリーズ)》、2023年、3180×1240×50mm、竹

一般社団法人HAPSは、京都市にゆかりある若手アーティストの作品販売を支援するため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」へ、オンラインギャラリー「HAPS KYOTO」を出店しています。また、「HAPS KYOTO」に出展される作品をオフラインで直接ご覧いただく展覧会シリーズ「HAPS KYOTO selection」を開催しています。

この度、同シリーズの第4回として、HAPS KYOTO selection #4 HABURI「Flag-waving」展を、2024年2月10日(土)よりHAPSオフィスで開催いたします。

中華人民共和国の内モンゴル自治区に生まれ、少数民族として美術教育と大国による愛国教育を受けた後に日本へと渡ったHABURIは、内モンゴル、中国、日本という3つの政体と風土を通り抜けてきた自らのアイデンティティを顧みるところから制作を始めています。タイトルである「Flag-waving」は、国家主義の象徴として中国の津々浦々に翻る国旗を、その形状をなぞりながら日本の素材を編み込んだ竹細工に置き換えるという行為によって生み出された「旗」の「かたち」を表しています。歴史や政体、文化によって育まれる人と「かたち」との関係を鋭く暴き出しながらも、それらを自らの手で解きほぐし編み直すかのようなHABURIの実践は、ひとりの人間が「力」に対して向き合い、それが自らの血肉であることも認めつつ、新たな「かたち」を生み出すことの可能性を感じさせます。どうぞご高覧ください。

 私が中学⽣および⾼校⽣だった頃、学⽣たちは集団歌唱のイベントでよく「没有共产党就没有新中国」(共産党がなければ新しい中国はない)という歌を歌っていた。この歌は第⼆次世界⼤戦中に⽣まれたもので、共産党⽀配下での中国の素晴らしさと変⾰を描写している。今でもこの歌詞は私の⼼に深く刻まれている。中国の愛国主義は戦時中に⽣まれた。私の成⻑する過程で、中国政府は学校教育、メディア、テレビ、ラジオ、そして公共デザインを通じて愛国主義を広め続けており、今⽇では主にインターネットを通じて宣伝されている。その中で、国旗はナショナル・アイデンティティの象徴として広く使⽤されている。⼩学校から⼤学まで、国旗の形状は学校の教室、体育館、道路、レストラン、テレビなど、⽇常⽣活の中で私の前に侵略的に現れ、どこにでも存在していた。それは私の視覚的な認識に影響を与え、この形状に⾮常に敏感になった。  私は⽵の⼯芸技術を⽤いて、多くの旗が翻る形をした現代彫刻を制作した。編み込みと解体を繰り返すことで、愛国主義とナショナル・アイデンティティに疑問を投げかけたが、これらの作品において、旗は象徴する具体的な国家を持たず、単純な形となり、情報の記号となった。編み込む⾏為はまた、この記号と私との密接な関係を反映しており、それが私⾃身の⼼と視覚に与える永続的な影響を示している。(⽵⾃体は静岡県の原泉地域で取られた⽵である。⽵ヒゴを作ってから編んだ)  -HABURI

■概要

イベント名|HAPS KYOTO selection #4 HABURI「Flag-waving」
会期|2024年2月10日(土)〜2024年3月5日(火) 3月12日(火)まで会期を延長します!
会場|HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
鑑賞時間|18:00〜9:30(翌日朝)
休館日|会期中無休
料金|無料
主催|一般社団法人HAPS

※本展出展作品の一部は2月10日(土)18:00よりアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」で購入が可能になる予定です。
※本展はHAPSの東山オフィス1Fに展示された作品を、ウィンドウ越しに建物の外からご鑑賞いただく形式となります。終夜のご鑑賞が可能です。

◼️アーティストプロフィール

photo by Fabian Hammerl

HABURI(ハブリ)
1992年、中華人民共和国内モンゴル自治区⽣まれ。中国の改⾰開放後期の「一人っ子政策」下で育ち、内モンゴルで美術の基礎教育を受けた。2016年に東京へ移住して以降は、個⼈の感情と都市システムの⽭盾に関する考察や、留学⽣として東京に住むことから⽣まれた経験をもとに、絵画・パフォーマンス・インスタレーション・写真といった⼀連のメディアを通して制作を⾏っている。2020年に東京藝術⼤学⼤学院修⼠課程を修了後、岩⼿県に1年半滞在したのち、現在は京都を拠点に活動する。内モンゴル、中国、⽇本から形成された視点で、⼯芸や⼿仕事の実践を通じて、個⼈の政治的アイデンティティの問題や歴史を扱う。主な個展に、「⽤事がなければ、帰ってこないで」(⼭中suplexの別棟「MINE」、⼤阪、2023)、「Drive landscape」(銀河101、東京、2023)、主なグループ展に、「I Left My Hometown」(ギャラリー林、東京、2023)、「HARAIZUMI ART DAYS 2023」(HARAIZUMI art project、静岡、2023)、「Portrait of Humanity: FACE & LIPS」(ギャラリー林 、東京、2022)、「東京インディペンデント2019」(東京藝術⼤学、東京、2019)、「内モンゴル⾃治区⻘年美術作品展」(内モンゴル美術館、中国、2015)などがある。

Website : https://www.haburi.net Instagram:@habur.i

◼️参考作品

《社会主義パンチ》、2023年、約250×200×150mm、陶土
「用事がなければ、帰ってこないで」展より《Round》、2023年、サイズ可変、毛糸 photo by 前谷開
《Made in China, About Hong Kong》、2019年、サイズ可変、プラスチック・樹脂・黒紙

【HAPS KYOTOについて】

HAPSでは京都にゆかりある若手アーティストの活動環境の向上、アート市場の活性化、アーティストとコレクターの新たな関係づくりを図るため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にオンラインギャラリー「HAPS KYOTO」を出展し、京都の作家と作品を紹介・販売しています。今後の飛躍が期待される若手や商業ベースに乗りにくい作家、京都のアートシーンに確かな足跡を残してきた作家をHAPS独自の視点でセレクトし、収益は各作家ならびに今後の作家支援に還元されます。若手から中堅まで、性別を問わず、障害の有無を問わず、美術/工芸やハイアート/サブカルチャーなどの垣根を超えて、HAPSにしかできない方法で「多様な表現」のあり方を守り、発展させることを目指します。

出展作家:阿児つばさ/上田要/金氏徹平/清水宏章/黒川岳/ゲシュタルト崩壊フラグ/小林椋/武内もも/鬣恒太郎/谷澤紗和子/知原諒汰/HABURI/藤田紗衣/水木塁/迎英里子/八幡亜樹/山﨑愛彦/リュ・ジェユン

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