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HAPS KYOTO selection #3 水木塁「若者のすべて -路上の花」開催のお知らせ

「見るは触れる 日本の新進作家 vol. 19」展示風景 提供:東京都写真美術館 撮影:井上佐由紀
Installation view of Seeing as though touching: Contemporary Japanese Photography vol.19, Courtesy of Tokyo Photographic Art Museum, Photo: INOUE Sayuki

一般社団法人HAPSは、京都市にゆかりある若手アーティストの作品販売を支援するため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」へ、オンラインギャラリー「HAPS KYOTO」を出店しています。また、「HAPS KYOTO」に出展される作品をオフラインで直接ご覧いただく展覧会シリーズ「HAPS KYOTO selection」を開催しています。
この度、本シリーズの第3回として『HAPS KYOTO selection #3 水木塁「若者のすべて -路上の花」』を開催いたします。
都市文化に深い関心を寄せる水木は今回の作品で、若者が多く集う東西の「広場」を題材に取り、その場所に束の間刻まれた痕跡を見逃すことなく掬い上げています。混迷を深める現代を生きる若者 -キッズの痕跡と、作者の足跡(のなさ)を明らかにする記号が多様な方法で重ね合わされたイメージ群は、そこにいる/いた存在の匿名性を表すようでありながらも、その場にいた人間の存在を確かに突きつける、都市の徒花として私たちの眼前に立ち現れます。ぜひご高覧ください。

「わたしたちの街をキレイにしましょう」と書かれたチラシを町内の掲示板で見かけた。今まで気にもかけなかった “わたしたち”の文字(が妙に気になった)。少なくとも僕はこの街を「私」の街として感覚したことがない。改めて考えてみると、この“わたしたち”の中に自分が含まれているのかどうか少し不安になってくる。 -2023年4月29日の制作ノートより抜粋

《若者のすべて -路上の花》(2023〜)は「新宿東宝ビル」周辺の路地(通称 トー横)と大阪ミナミのグリコ看板下(通称 グリ下)のフィールドワークと失効済みのパスポートを起点に制作を始めた。具体的には路上に残されたトー横やグリ下に屯する若者(通称 キッズ)たちのパーティーの跡/痕とパスポートに刻印されたVOIDの文字とID ナンバーをモチーフに、サイアノタイプによる印画、薬剤による漂白、レーザー光線による彫刻を組み合わせて作品化した。路上で見つけた光景や出会ったものを印画と消去の過程に組み込み、露光不良や異物の溶かし込み、薬液の操作などによって紙面上に不純なイメージとして定着させていく。パスポートに刻印された文字と数字が醸し出す無味乾燥した情景(ID写真の中の私はちょうどキッズたちと同じような年頃である)、街とキッズたちの間で交感される衝動的なエネルギー、一方でそこはかとなく漂う悲壮感や虚無感、それら全てがないまぜになり、都市の中で時折感じる戸惑いや寄る辺のなさへと私の意識を向かわせた。
(水木塁)

◼️概要

イベント名|HAPS KYOTO selection #3 水木塁「若者のすべて -路上の花」
会期|2023年12月2日(土)〜2024年1月13日(土)
会場|半兵衛麸五条ビル2F ホールKeiryu(〒605-0903 京都市東山区問屋町通五条下る上人町433 五条大橋東南側)
開場時間|10:00〜17:00
休館日|水曜日、12月31日~1月4日
料金|無料
主催|一般社団法人HAPS
協力|半兵衛麸

※本点出展作品は12月2日(土)10:00よりアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」で購入が可能となります。
※これまでのHAPS KYOTO selectionは、京都市東山区のHAPSオフィス1階スペースを主たる会場として夜間に開催しておりましたが、今回は別会場・日中の展示となります。ご注意ください。

出展作品

《若者のすべて -路上の花 021》2023年、400mm x 600mm(額装込み)サイアノタイプ、市販薬、レーザー彫刻、シートミラー
《若者のすべて -路上の花 022》2023年、400mm x 600mm(額装込み)、サイアノタイプ、市販薬、レーザー彫刻、シートミラー
《若者のすべて -路上の花 035》、2023年、400mm x 600mm(額装込み)、サイアノタイプ、市販薬、レーザー彫刻、シートミラー
《若者のすべて -路上の花 009》、2023年、400mm x 600mm(額装込み)、サイアノタイプ、市販薬、レーザー彫刻、シートミラー


◼️アーティストプロフィール

水木塁(みずき るい)
1983年生まれ。京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業、同大学美術研究科メディア・アート領域博士号取得。郊外、多種性、自然、ストリートカルチャー、振る舞い、即席、移動を鍵語に、それらを都市文化と美術史上の問題に接続することで、現代都市におけるリアリズムを基にした風景・情景・身体・モノの絡まり合いをテーマとした作品制作を行う。とりわけ近年は「自然」の定義を「人間のアクティビティーの彼岸」として捉え、都市の持つ器物性と共異体としての性質に着目し、様々なメディアを用いて作品を展開している。東アジア特有の思想である山水をテーマに、現代の芸術と社会について考えるコレクティブ「山水東京」のメンバーとしても活動。近年の個展に、「東下り」(WAITINGROOM、東京、2019)、「鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」(gallery αM、東京、2017)、グループ展に、「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館、2022)、「ON―ものと身体、接点から」(清須市はるひ美術館、愛知、2022)、「constellation #02」(rin art association、群馬、2021)など。

【HAPS KYOTOについて】

HAPSでは京都にゆかりある若手アーティストの活動環境の向上、アート市場の活性化、アーティストとコレクターの新たな関係づくりを図るため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にオンラインギャラリー「HAPS KYOTO」を出展し、京都の作家と作品を紹介・販売しています。今後の飛躍が期待される若手や商業ベースに乗りにくい作家、京都のアートシーンに確かな足跡を残してきた作家をHAPS独自の視点でセレクトし、収益は各作家ならびに今後の作家支援に還元されます。若手から中堅まで、性別を問わず、障害の有無を問わず、美術/工芸やハイアート/サブカルチャーなどの垣根を超えて、HAPSにしかできない方法で「多様な表現」のあり方を守り、発展させることを目指します。

出展作家:阿児つばさ/上田要/金氏徹平/清水宏章/黒川岳/ゲシュタルト崩壊フラグ/小林椋/武内もも/鬣恒太郎/谷澤紗和子/知原諒汰/HABURI/藤田紗衣/水木塁/迎英里子/八幡亜樹/山﨑愛彦/リュ・ジェユン

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