環境危機や戦争、社会の分断が進む現代において、西洋中心的な価値観を問い直す「デコロニアル(脱植民地主義)」の視点が、現代アートにおいて重要性を増しています。日本でも、多文化共生や貧困、孤立、差別といった課題に向き合う多様な芸術実践が生まれていますが、それらを支える持続的な研究・教育体制は十分とはいえません。
2023年~2025年に実施した大阪公立大学「EJ ART」プログラムでは、ソーシャルアートを、社会課題を抱える現場において住民とともに地域の知恵から学ぶ実践として捉え直してきました。これはデコロニアルな視点にも通じるものです。本プログラムではこの成果を継承し、アートを社会にひらき、他者とともに創るプロセスを重視します。
特に、本プログラムでは単一の作家性に依拠せず、複数の主体が関係しながら知や表現を立ち上げる実践を重視します。
動は概ね3年間を想定し、以下のように展開します。1年目は、コレクティブでの活動・制作や、次年度に向けたリサーチ、プランニングを行います。2年目は、コレクティブによる発展的な制作、または個別の活動・制作へと展開します。3年目は、成果を踏まえた展覧会やプロジェクトの企画・実施へとつなげます。
期間中は制作費およよび交通費の一部を、現場に応じて助成し、第一線で活躍するキュレーターが継続的に伴走支援を行います。大阪・関西、熊本の現場において美術館や文化ホール、オルタナティブスペースと連携し、大阪公立大学の多様な研究資源を活用することで、学問と芸術の横断的な出会いから新たな創造的実践の萌芽を生み出すことをめざします。
社会課題に向き合い、国際的な視野を持ちながら、他者とともに表現を立ち上げていく意欲的なアーティスト等の応募をお待ちしています。
■プログラム
実践プロジェクト(いずれかを選択)
・美術館と連携したアートプロジェクト
・文化ホールと連携した表現プロジェクト
・新進芸術家と社会人大学院生との協働プロジェクト
ゼミナール(いずれか1ゼミを選択)
・芸術表現の理論・歴史
・場・空間を作る技法
通期プログラム
・アート×哲学カフェ(いずれか1回参加)
・DA-Lab交流会
・評価
・ブックレット
・アーカイブ
・基礎講座
■募集対象
1)新進アーティスト(美術、舞台芸術、音楽、映像等、現代アートに関する創造的活動を行う者)
本格的に活動を始めようとしている者、または新たな展開を模索する者
2)キュレーター、アートマネージャー、文化施設や芸術団体に関わる者、大学院生、研究生
※活動歴は概ね1~10年程度を目安としますが、大学院生など活動初期段階の者も含めます。
※芸術実践に関心を持ち、将来、現代アートおよびその関連分野や芸術界での活躍が期待される力を有することを重視します。
■募集締切
2026年6月22日(月) 23:59