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岩崎貴宏個展「箱景」

開催情報

【作家】岩崎貴宏
【期間】2024年11月1日(金)~2024年11月26日(火)
【開館時間】11:00~20:00
【料金】無料

https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/42971-0927420928.html

会場

会場名:京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
webサイト:https://store.tsite.jp/kyoto/
アクセス:〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.
電話番号:075-606-4525(営業時間内) 

概要

日常やその土地の空気感を敏感に感じ取り、誰しもが美しいと感じるわけではないものにも秩序のある美しさを見出して、作品に昇華する岩崎貴宏の視点。それは、私たちの概念や固定された感覚を壊し、新たな気づきを与えてくれます。広島で生まれ育ち、今も制作の拠点を置いている岩崎の作品の根底には、広島の土地の記憶や歴史があり、「瞬間性」が色濃く映し出されています。創造と破壊が繰り返される営みの中から切り出された一瞬の風景は、さまざまな出来事が私たちの日常と地続きであり、見方を変えることで新たな発見の機会に満ちていることに気づかされます。
金津創作の森美術館(福井県あわら市)で12月15日まで開催中の個展「もし、アップルパイを最初からつくろうと思うなら、君はまず宇宙を作らなきゃ」での大型インスタレーションとは対照的に、本展では景色をフレーミングした小さな世界を創作しています。岩崎の切り取った風景の「瞬間」が、緻密で繊細な世界の奥で広がりを見せる様子を会場にてご体感ください。

アーティストステートメント

これまで池に映る平等院や、金閣、厳島神社の虚像を含めて立体化した「リフレクション・モデル」シリーズや、衣服から解いた糸で鉄塔を作り、布にできる皺を山の起伏に見立てた「アウト・オブ・ディスオーダー」シリーズ、本の栞を解いてクレーンを作る「テクトニック・モデル」シリーズ、チラシの企業ロゴを切り抜いて立体化させ小さな都市を再構成した「フェノタイピック・リモデリング」シリーズなどを制作してきた。これらの共通点は、建築を含む風景を縮減化したインスタレーションであり、展示空間に直接介在したジオラマのような作品である。これらは、建物の表層を映す水であったり、フラクタル構造を内包するパターンであったり、有機的な皺、ランダムな積層と、人工と自然、秩序と混沌が複雑に絡み合って出来ている。鑑賞者はその大きな体を屈ませながら眼球を巧みに動かして小さな風景を旅する。この時、作品は現実のスケールを縮減したスケール模型ではなく、人の知覚を拡張する為の科学の分子模型や、地質構造模型のあり方に近いと考えている。また素材に衣類や本、歯ブラシを使うことで日々、気にも止めない日常性をより際立たせ、現実風景の人工性やまなざしの人為性を強調させている。
岩崎貴宏

プロフィール

岩崎 貴宏(いわさき たかひろ)
1975年広島県生まれ。広島県在住。
岩崎は、歯ブラシ、タオル、本の栞、ダクトテープなど身の回りの日用品を用いて繊細で儚い風景を作り出し、対象との距離、スケールを変えて可視化することで、日常を送る中で見過ごしている固定化された私たちの視点を揺さぶり、意識を変容させる。床に雑然と積み上げられたタオルに鉄塔が建つ様は、山奥の送電線を支える鉄塔を想起させ、林立する文庫本の栞にクレーンが建つ様は、まるで建設中のビル群を見ているようでもある。
歴史的な建築物の地上の実像と水面に反射する虚像を一体化させた姿を、ヒノキの木片で精巧に再現する「リフレクション・モデル」も岩崎の代表的なシリーズとして知られる。これらの作品は、一瞬にして壊滅し、戦後の復興期に軍事都市から平和都市へと180度転換した史実からの影響が見て取れ、岩崎自身の時間への意識を感じさせる。
これまで国内外の美術展にも数多く参加しており、2017年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で日本館代表作家に選出されたほか、日本や世界各国のパブリックスペースに作品がコレクションとして収蔵されるなど、高い評価を得ている。

2015年には小山市立車屋美術館、黒部市美術館、ニューヨークのアジアソサエエティにて個展を開催、2017年には第 57 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家に選出された。また2020年には「針の穴から天を覗く」(ANOMALY、東京)、「焦点距離」(SHIBUYA SKY、東京)、2023年には「REFLECTION MODEL(ITSUKUSHIMA)」(NGV International、メルボルン、オーストラリア)や、「Takahiro Iwasaki:Nature of Perception」(ポートランド日本庭園、ポートランド、アメリカ)、「ネガティブ・ケイパビリティ」(広島市立大学芸術資料館、広島)、2024年には「もし、アップルパイを最初からつくろうと思うなら、君はまず宇宙を作らなきゃ」(金津創作の森美術館、福井)と個展を開催。

近年は、「ジパングー平成を駆け抜けた現代アーティストたち」(佐賀県立美術館他、2024年)、「2024広島竹原芸術祭 記憶の地層」(竹原市町並み保存地区およびその周辺、広島、2024年)、「CHAT 5th Anniversary – Factory of Tomorrow」(Centre for Heritage, Arts & Textile、香港、2024年)、「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」(富津埋立記念館、千葉、2024年)、「The Hints 今と未来を見つめる12の視点」(三井住友銀行東館1階 アースガーデン、東京、2023年)、「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023 物質的想像力と物語の縁起ーマテリアル、データ、ファンタジー」(桝田酒造店 満寿泉、富山、2023年)、「市原湖畔美術館開館10周年記念展 湖の秘密ー川は湖になった」(市原湖畔美術館、千葉、2023年)、「六本木アートナイト2023」(第一レーヌビル、2023年)、「跳躍するつくり手たち「アート、デザイン、テクノロジーの現在と未来:6人のつくり手たちと語る」」(京都市京セラ美術館、2023年)、「日常のあわい」(金沢21世紀美術館、2021年)、「Collection as Poem in the Age of Ephemerality」(X museum、北京、中国、2020年)、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」(伊藤家住宅、2019年)、「日本・キューバ現代美術展 近くへの遠回り」(ウィフレド・ラム現代美術センター 、ハバナ、キューバ、2018年)、「水と土の芸術祭 2018」(万代島多目的広場、新潟、2018年)、「MAMコレクション005 リサイクル&ビルド」(森美術館、東京、2017年)、「奥能登国際芸術祭2017」(三崎地区 森腰の古民家、石川県、2017年)、「PARADOXA-ARTE GIAPPONESE OGGI 」(ウディネ近現代美術館、イタリア、2016年)、「日産アートアワード2015」(BankART Studio NYK、神奈川、2015年)、「INVENTO -The Revolutions That have Invented us-」(OCA Museum、サンパウロ、ブラジル、2015年)、「We can make another future: Japanese art after 1989」(クイーンズランド州立美術館、ブリスベン、オーストラリア、2015年) など、国内外を問わず数多くの展覧会に参加している。

2022年、第33回タカシマヤ美術賞受賞。2018年、芸術選奨 美術部門において、文部科学大臣新人賞受賞。

【パブリックコレクション】
カディスト・アート・ファウンデーション、パリ、フランス
ヴィクトリア国立美術館、メルボルン、オーストラリア
クイーンズランド州立美術館(QAGOMA)、ブリスベン、オーストラリア
ジャン大公近代美術館(MUDAM)、ルクセンブルグ
エジンバラ王立病院、エジンバラ、スコットランド
M+、香港
Centre for Heritage, Arts and Textile、香港
X 美術館、北京、中国
熊本市現代美術館、熊本
金沢21世紀美術館、石川
森美術館、東京
横浜美術館、神奈川
高松市美術館、香川
川崎市市民ミュージアム、神奈川
国際交流基金、東京
日産アートコレクション
広島市立大学、広島
高橋龍太郎コレクション
タグチアートコレクション

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