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石黒昭「秋吉台のカルスト台地を写し撮る Capturing the Karst Plateau of Akiyoshidai」

開催情報

【作家】石黒昭
【期間】2024年10月12日(土)~10月29日(火)
【開館時間】11:00~20:00 ※最終日は18:00まで
【料金】無料
詳細:https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/42830-1722070920.html

会場

会場名:京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
webサイト:https://store.tsite.jp/kyoto/
アクセス:〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.
電話番号:075-606-4525(営業時間内) 

概要

石黒昭は長年内装仕上げ業の職人として活動した後にアーティストへ転身し、近年では「地質学的時間を景色としてとらえる」という考えに基づいた”GRAVITATIONAL FIELD”や”Marblesque”といった大理石絵画シリーズを通して層序の表層へ着目した絵画作品を主に制作、国内外で発表しています。

本展では、“Sunlight”と“Moonlight”の2つのセクションで構成された新作、カルスト(Karst)シリーズの“Sunlight”に焦点を当てて、石黒がここ数年間に渡りリサーチしてきたカルストをテーマにした新しい試みである写真と立体からなる実験的な作品を展示します。秋吉台のカルスト台地を舞台に撮影された巨大な写真が会場の壁面を覆い、床面に擬似石灰岩を配置することにより現地を再現しています。

アーティストステートメント

山口県美祢市秋吉台のカルスト台地を写し撮る

カルストは雨水や土壌水に大気中の二酸化炭素が溶け込み弱酸性となった水によって石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が溶食されてできた地形です。また大理石とは学術的には「石灰岩がマグマの熱を受けて再結晶した結晶質石灰岩」のことを指しますが、石材として模様が綺麗な非変成の石灰岩の呼び名にも使われます。それらは一般的には石材として切り出され、研磨された商品の名称だと私は認識しています。

2023年5月に初めて秋吉台を訪れた際に地表に現れた幾つもの石灰岩が地下では大きなひとつの石灰岩の塊であることに私は興味を持ち、そして稜線の彼方まで続くゴツゴツした大地に立つ私は虫の目線で地球の表層を見ていることに気が付きました。

私はジオパークの解説員に美祢市周辺で採れる大理石の中でも希少な“淡雪”という銘柄の大理石を見せていただきました。以前は建材や土産物として加工され使われてきたそうですが、現在では国定公園として保護されて外部に持ち出すことが出来ません。そこで私は土産物のように磨かれた秋吉台の石灰岩の擬岩を作ってみることにしました。

“Sunlight”は巨大なロールキャンバスにプリントされた風景写真を壁に掛け、床には擬似石灰岩を配置します。巨大な風景写真に囲まれることで生じる臨場感と地表から露出したように見える擬似石灰岩は鑑賞者が立っている場所の地下に巨大な石灰岩が埋まっていることを想像させます。

“Moonlight”では床に配置された擬似石灰岩と写真の中の同じ形をした石灰岩の画像を重ね合わせた風景写真を壁にプロジェクションをします。暗室の中で照らし出された磨かれた擬似石灰岩は光を反射し鑑賞者を惹きつけますが近づくと彼ら自身の影により隠れてしまうでしょう。それは同様に現場の月明かりの下で私がそれを私自身の影で隠していることに気付いたという些細な出来事と重なります。そのわずかな時間会場のプロジェクターの光は月の光に変わり、鑑賞者は私の気付きを追体験することになるでしょう。

今回の展示では“Sunlight”に焦点を当てて秋吉台の景色を写真と立体、絵画を通じて抽象的な要素を風景として写し撮ることで表層の違和感へのアプローチを試みています。

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