開催情報
【作家】大久保紗也
【期間】2024年9月21日(土)~10月20日(日)
【開館時間】11:00~20:00 ※最終日のみ18:00閉場
【料金】無料
https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/42435-1146060829.html
会場
会場名:京都 蔦屋書店 5F エキシビションスペース
webサイト:https://store.tsite.jp/kyoto/
アクセス:〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.
電話番号:075-606-4525(営業時間内)
概要
大久保紗也は1992年福岡生まれ。他者との距離感のつかめなさや理解しきれない感覚をテーマに、日々の生活のなかで描き貯めたドローイングをもとに、身体の一部や人間が日常的にとる多様なポーズを表現しています。作品展の開催が決まると、大久保はテーマに合ったドローイングを選定することから準備をスタートさせます。本展示では、ポール・オースターの小説「リヴァイアサン」をモチーフとした作品と、これまで描きためた物語をモチーフとしたドローイングから制作した作品を合わせて、約20点の新作絵画を発表いたします。波形のトタン板を支持体にして制作したシリーズや立体作品も含め、さまざまな表情を見せる作品の数々をご覧いただけます。
アーティストステートメント
物語るレプリカ/Replicas that tell a story
絵画とは、タロットカードのようだと思う。
そこに描かれているものから何を受け取るのか。
決定するのは観る者と、そこに付随する物語(記憶)、そして社会である。
描かれたものを正位置の「世界」とするのか、逆位置の「死神」とするのか
究極的には作家自身にも決めることはできない。
言葉が人類共通、共有の伝達方法であれば、絵画とは随分と独りよがりな方法
ということになる。
それは作家本人にしかわからない言語で書かれた物語。
解読は難解であるが、わからずとも共感することのできる物語。
作品とは、作家の自我をめぐる物語の一端である。
そして受け取った個々の中で、それぞれの時間の中で、物語は変容していく。
ポール・オースターは自我について、「果てしなき独白、死ぬまで続く自分自身
との対話、絶対的な孤独のなかで起こる対話 」によって形成されるものだと語
り、著作「リヴァイアサン」では個々のエピソードや対話から一人の男につい
て、そして彼の周りの人々について描かれる。
本展示では「リヴァイアサン」をモチーフとした作品と、これまで描きためた
物語をモチーフとしたドローイングから制作した作品とを合わせて展開し、
それらの作品の多くは「互いに模倣しあう」方法で描かれる。
2枚のパネルを並べ、1つ色を置くごとにもう一枚はその筆跡を模倣しながら
絵の具を置き、それを交互に繰り返していく。
リフレインする独白のように、互いが互いを語るように。
その先に出来上がった作品はそれぞれがオリジナルであり、お互いが出来の悪
いレプリカという関係でいてほしい。
サックスが破壊して回った女神像のように白々しく、
是非もなく突きつけられるタロットカードのように。
大久保紗也
アーティストプロフィール
大久保紗也
1992 年福岡県⽣まれ。
2017 年に京都造形芸術⼤学⼤学院・芸術専攻・ペインティング領域を修了。現在東京を拠点に活動中。⾃⾝の制作を、「平⾯空間におけるモノや⼈の存在、実存について探る⾏為」と語る⼤久保は、輪郭線として表現される記号的なイメージと、物質感を伴う抽象的な像のうねりという、⼆つの分離した要素を共存させた絵画を制作しているアーティストです。近年の展覧会に、2024年個展『Leimotiv』(三越コンテンポラリーギャラリー、東京)、グループ展『RE:FACTORY_2』(WALL_alternative、東京)、2023年グループ展『TAKEUCHI COLLECTION『⼼のレンズ』』(WHAT MUSEUM 2F、東京)、2022年個展『Box of moonlight』(WAITINGROOM、東京)、個展『The mirror crack’d from side to side』(六本⽊ヒルズA/Dギャラリー、東京)、個展『We are defenseless. / We are aggressive. (無防備なわたしたち/攻撃的なわたしたち)』(三越コンテンポラリーギャラリー、東京)、2020年個展『They』(WAITINGROOM、東京)などが挙げられます。『第4回CAF賞⼊賞作品展』(2017年、代官⼭ヒルサイドフォーラム、東京)では⽩⽯正美賞を受賞。