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「スローイング・スパゲッティat HAPS HOUSE」開催のお知らせ

撮影:大澤一太 スローイング・スパゲッティat VOXビルの様子

この度、東九条の拠点である「HAPS HOUSE」にて、アーティストの “集まり” であるスローイング・スパゲッティによる、展示・パフォーマンス・トークなどからなるイベント「スローイング・スパゲッティ at HAPS HOUSE」を開催いたします。

本展会期中は、スローイング・スパゲッティメンバーによる「話し合いのためのパフォーマンス」が行われます。HAPS HOUSEに組み上げられたインスタレーションや実験装置を用いた、迂遠とも言える手段を通じて行われる「話し合い」は、集団における合意形成の困難さを寓意的な形に置き換えながら、それでも互いにコミュニケーションを行おうとする意思や手段がその場で形成される可能性を探るものです。会期中、これらのインスタレーションや装置は毎日組み替えられ、来場者が実際に鑑賞したり、参加することが可能です。

併せて2023年8月に開催された「スローイング・スパゲッティ at VOXビル」の展覧会アーカイブの展示を行うとともに、初日には「スローイング・スパゲッティ at VOXビル」を振り返るトークショー、最終日には実践した「話し合い」を通じて”集まり”の方向性を探るクロージングトークを行います。

2023年5月に京都で発足した「スローイング・スパゲッティ」。本企画では、スローイング・スパゲッティでの取り組みの中で発生した集団でのコミュニケーションをめぐるそれぞれの「話し合えなさ」から、様々なコミュニケーションの実践を試みます。” throwing spaghetti at the wall” 色々やって、何が上手くいくのか試すというフレーズを元に、会場で行われる様々なコミュケーション手法の実践から再度「話し合う」ということを見つめ直します。  
-スローイング・スパゲッティ

■概要

イベント名|スローイング・スパゲッティ at HAPS HOUSE
日時|2024年3月8日(金)~3月10日(日)/3月15日(金)~3月17日(日)11:00~18:00 
会場|HAPS HOUSE〒601-8004 京都市南区東九条東山王町1
※駐車場、駐輪場はございません。来場には公共交通機関をご利用ください。
入場料|無料
出展者|スローイング・スパゲッティ
(伊藤真生/梅岡隼人/大澤一太/沖野颯冴/高橋順平/田村久留美/中井梓太郎/船越晴稀/humu/峰松沙矢/吉田コム)
※本イベントは「下京・南まちなかアート」に参画しています。

□オープニングトークイベント『「スローイング・スパゲッティ at VOXビル」 を振り返る』
日時|2024年3月8日(金)13:30〜16:30 ※予約不要、入退場自由。
展覧会「スローイング・スパゲッティat VOXビル」について、メンバー全員で振り返るトークショーを開催します。

話し合いのためのパフォーマンス1
日時|3月8日(金)12:00〜13:00
会場内に張り巡らされた糸電話を動かしながら会話を行います。糸電話に、自立しつつ車輪で移動可能な什器を組み合わせることで、歩き回りながら糸電話で話すことができる状況を構成します。話者が動く度に、それぞれを繋ぐ糸は絡まり合い、混線し、複雑な形状を成していきます。コミュニケーションの距離感や障壁を可視化しつつ会話し続ける試みです。

話し合いのためのパフォーマンス2
日時|3月9日(土)15:00〜17:00
光で書いた文字でコミュニケーションを行います。暗室に蓄光塗料が塗られたパネルを設置し、ペンライトの光を反応させて文字や図を描きます。光を当てて書いた文字は10〜20秒ほどで消えてしまいます。文字の可読性や、文面が残らないことを考慮しながらの対話を試みます。

話し合いのためのパフォーマンス3
日時|3月10日(日) 15:00〜17:00
複数の話者同士で、立ち位置に高低差を設けた状況で会話を行います。椅子や机などの家具や既成のオブジェクトを組み合わせることで、高低差のある空間を会場内に展開します。目線の違いを体感しながら、その不平等さが話し合いに与える影響を考える試みです。

話し合いのためのパフォーマンス4
日時|3月15日(金) 15:00〜17:00
数人の身体を結びつけた状態で、五十音表が書かれた床面を指し示して文章を作ります。お互いの身体を引っ張り合いながら、指す文字を決定します。複数人での意思決定について、身体的なアクションを交えながら考える試みです。

話し合いのためのパフォーマンス5
日時|3月16日(土) 15:00〜17:00
スパゲッティをモチーフにした細長いチューブ状の装置に入って会話を行います。チューブの中ではお互いの顔が見えない上に、発話した人の声が管のなかで反響してしまいます。話者の身体性を自覚させつつ、音声の存在感を強調しての話し合いを試みます。

□クロージングトークイベント『どうなる?スローイング・スパゲッティ』
日時|2024年3月17日(日)15:00〜18:00 ※予約不要、入退場自由。
これまでに行われた話し合いを通じてこれからの集団についてのあり方についての話し合いをオープンミーティングとして行います。

■アーティストプロフィール

スローイング・スパゲッティ(Throwing spaghetti)
スパゲッティを茹でる際の手で捻ってから鍋に投げ入れる動作から話し合いの場を築きあげる取り組みとして発足し、展覧会、企画を通して話し合いの場の発展、継続を目的に活動している京都を拠点に活動している同年代のアーティストの集まり。
https://www.instagram.com/throwing__spaghetti

【メンバー】

伊藤真生 (いとう まお)
1998年熊本県生まれ。京都市立芸術大学大学院修士課程 美術研究科彫刻専攻在籍。物体や状況の模倣からその本質を探る。近年は発話やコミュニケーションを模擬した作品を制作している。主な展覧会に、「Campus Artist in Residence 2022」(筑波大学総合交流会館、茨城、2022)、「悪魔の子供」(room_412、東京、2022)、「サーフィン(ここにあるビーフン)」(千鳥文化ほか、大阪、2022)、「リロケーションまで 引っ越し・ボウルの中のアイス」(下京いきいき市民活動センター、京都、2023)など。

梅岡隼人(うめおか はやと)
2000年京都府生まれ。京都芸術大学情報デザイン学科在籍。デザイナー。生成的な音景や空間の物音、ログとして行うフィールドレコーディングを起点に、生成的な音景や空間の物音から想起する観念を通した平面構成/デザインを扱ったパフォーマンスを匿名的に行う。

大澤一太(おおさわ いつひろ)
1999年埼玉県生まれ。2022年京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)美術工芸学科写真・映像コース卒業。現在は京都芸術大学大学院修士課程美術工芸領域映像メディア専攻在籍。自らが経験した出来事、また他者との関わりの中での、ある場面における特定の状況からの視点をモチーフに、映像、写真、サウンド、既製品を用いて、ある状況を省みるように制作を行う。主な展覧会に、個展「花火が打ち上がること、うp すること、それは些細な一事」(engawa KYOTO、京都、2022) 、二人展「フーリガン(位置について)」(ギャルリ・オーブ、京都、2023) 、「P.O.N.D.2023 Dialogue/あたらしい対話に、出会う。」(PARCO MUSEUM TOKYO、東京、2023)、「アトランティック・タッチ」(BOOTLEG gallery 、東京、2023)などがある。

沖野颯冴(おきの そうさ)
1999年兵庫県生まれ。京都府在住。2022年京都芸術大学美術工芸学科写真・映像コース卒業。個と様々な関係性を思考する為のコミュニケーションのあり方を探る試みとして映像作品やパフォーマンスを用いて制作している。

高橋順平(たかはし じゅんぺい)
1999 年新潟県生まれ。京都芸術大学大学院修士課程美術工芸領域映像メディア専攻在籍。身体の物質/非物質化の感覚に基づき、セルフポートレートや植物などをモチーフにして、個人的身体感覚を共有可能にするための装置としてのインスタレーションを制作する。主な展覧会に、「ウサギ・ハチドリ・ホムンクルス〜新しい地平の作り方〜」(MEDIA SHOP gallery、京都、2023)、「KUA ANNUAL 2022」(東京都美術館、東京、2022)、「GEM PROJECT」(旧区役所解体現場、大阪、2021)などがある。

田村久留美(たむら くるみ)
2000年香川県生まれ。秋田公立美術大学美術学部美術学科アーツ&ルーツ専攻卒業。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻在籍。人と人やモノなんかの総合的な関わりの中で起こるロマンスをいつだって期待している。あたしのために優しくて愉快な革命にゆるやかに巻き込まれてください。など。主な展覧会に、「やにょとたみっめもぽぁ」(アトリオン、秋田、2021)、「曖昧模糊 模糊茫洋茫洋」(オンライン開催、2021)、「サーフィン(ここにあるビーフン)」(千鳥文化ほか、大阪、2022)、「パ」(京都市立芸術大学内小ギャラリー、京都、2023)、「路地裏の舞台にようこそ2023」(西成の路上、大阪、2023)、「思可牟展」(高松市立塩江美術館、香川、2023)など。その他いろんなゲリライベントやコレクティブに加担している。

中井梓太郎(なかい しんたろう)
2000年京都府生まれ。京都芸術大学美術工芸学科総合造形コース卒業。重なること、繋がること、反復すること、それらのレイヤーを一つの風景として捉え、制作を行なっている。主な展覧会に「京都芸術大学卒業展」(京都芸術大学、京都、2022)、「ART drops」(spinniNG MiLL、大阪、2021)、「白日自明」(ギャラリーマロニエ、京都、2021)などがある。

船越晴稀(ふなこし はるえ)
1999年静岡県生まれ。京都芸術大学大学院グローバルゼミ在籍。展示場所の窓から見える公園でバッティング練習をしていた少年のために、ホームランターゲットを室内の壁に設置したり、桜の木の下にまんじゅうを置き、その上に桜の花弁が乗るのを待ったりなど、自身の日常と他者や他種の日常を重ね合わせ、その場のコンテクストをつくりかえることで制作を行っている。その場があくまで日常であることを維持するために、専門的な技術での加工を行わなず、日用品を用いたミニマルなジェスチャーを一時的に行う。作品を事前に準備することはほとんどなく、搬入期間やそこでの生活の中で遭遇したランダムな状況によって経験した些細な出来事を延長し、それに付随する不備や包摂への抵抗などを扱う。主な展覧会に、個展「トラヴェルス・アドヴェンチュア」(山中suplexの別棟「MINE」、大阪、2023)、二人展「フーリガン(位置について)」(ギャルリ・オーブ、京都、2023)などがある。

humu(ふむ)
2000年兵庫県生まれ。成安造形大学美術領域現代アートコース卒業。空間認知や時間感覚、身体感覚を刺激する奇妙な記憶を出発点としながら、普遍的な人間の知覚を探っている。主な展示に「ベツレヘムの星を触る」(成安造形大学 キャンパスが美術館ギャラリーキューブ、滋賀、2022)、「salad bowl」(堀川御池ギャラリーA・B・C、京都、2021)、「ホワイトアウトダイアリー」(成安造形大学美術領域展示室、滋賀、2021)などがある。

峰松沙矢(みねまつ さや)
2000年大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科油画専攻在籍。他者との関係から自己を保つことを探り、絵を描くことと移されるイメージを通して、絵を描く意識と座標の徴を往来する制作をしている。主な展覧会に「東九条芸術祭」(コミュニティカフェほっこり/京都市地域・他文化交流ネットワークセンター、京都、2023)、「tiny moon, tiny sea」(gallery metabo、京都、2023)、「トゥルービヨン21 part1」(Oギャラリーeyes、大阪、2023)、「展示力合宿! inかなざわ」(金沢市民芸術村、石川、2023)、「はなあなたもたれるはな」(MEDIA SHOP gallery2、京都、2022)、「体内で満ちて」(ART SPACE NUI、京都、2021)、「包まれた触れ幅」(四谷未確認スタジオ、東京、2021)などがある。

吉田コム(よしだ こむ)
2000年大阪府生まれ。2022年京都芸術大学美術工芸学科総合造形コース卒業。何かの制度や仕組み、都市の構造、あるいは展覧会場の中に少しの仕掛け施し、現実を密やかに脱臼させるような振る舞いへ誘い込む装置として作品を制作している。主な展覧会に「反転するネットワーク」(MEDEL GALLERY SHU、東京、2023)、個展「House Aʼ」(Alternative Space yuge、京都、2022)、「KUA ANNUAL2022『in Cm | ゴースト、迷宮、そして多元宇宙』」(東京都美術館、東京、2022)、「写真は変成する MUTANT(S) on POST PHOTOGRAPHY」(ギャルリ・オーブ、京都、2021)などがある。

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