一般社団法人HAPSでは、若手アーティストの支援活動の一環として、あらゆる人からの「仕事」の相談とアーティストのクリエイションを結びつけることにより、新たな「もの」を生みだすお手伝いを行う「芸術家×仕事」事業を実施するとともに、本事業の一環として、「ART⊆WORKSHOP」プロジェクトをスタートしました。本プロジェクトでは、現在「ワークショップ」と呼ばれるような表現の収集・公開に取り組むとともに、アーティストによるワークショップの実施に意欲のある方とアーティストとのマッチング、サポートを行っていきます。
『アーティスト黑田菜月の作品上映、そしてその質問と回答』は、「ART⊆WORKSHOP」事業の前提を確認するイベントとして企画されました。リサーチやフィールドワーク、ワークショップなど多数の活動経験を持つアーティスト・黑田菜月の作品上映会を二日間かけて開催し、ワークショップのイメージをより立体的、具体的、多角的に深めていく機会を作ります。黑田とゲストによる対話や、来場者の方々と感想を話す会をもうけ、それらを通して「ワークショップ」の「語彙」が増えていき、ウェブサイトに記録(文字起こし)され、ワークショップについて話すハードルが下がっていくといいな、ワークショップの奥行きを感じるとっかかりのひとつになるといいな、というイベントです。みなさまのご参加をお待ちしております。
■概要
日時|2024年10月26日(土)18:00~20:00/10月27日(日)13:00~19:00 ※両日とも入退場は自由
会場|ロームシアター京都 3Fパークプラザ/会議室(〒606-8342京都市左京区岡崎最勝寺町13)
料金|無料(予約優先)
定員|20名程度(当日参加も可能ですが、上映会やトークイベントへの参加は予約者を優先します)
アーティスト|黑田菜月
ゲスト|渡辺亜由美(京都国立近代美術館特定研究員)※10月27日
プログラム|
10/26(土)
18:00~《友だちの写真》上映(会場:3F会議室/上映時間約30分/入場は17:30から)
19:00~ 質問と回答 黑田作品篇(会場:3F会議室)
10/27(日)
13:00~作品上映(会場:3F会議室)
上映作品:《動物園の避難訓練 13:10~14:00》《部屋の写真 14:10~40》《友だちの写真 14:50~15:20》《野鳥観察 15:30~16:10》
13:00~半公開作戦会議、ときどき散歩(会場:3Fパークプラザ )
16:30~質問と回答 全体篇(~19:00/会場:3Fパークプラザ/ゲスト:渡辺亜由美)
参加予約フォーム|https://forms.gle/bjEzcmTbEGRtmMa48
突然ですが、「ワークショップ」ってなんでしょう。「制作」「展覧会」「パフォーマンス」「上演」とはまた異なる「ワークショップ」は、定義もイメージも人によってさまざまです。
「ワークショップ」について、もっと言葉にしてみたい。ワークショップに参加したり、企画したりしたけど、そのときのことについて、もっと誰かと話してみたい。
黑田菜月さんは、「観察して言葉にすること」を軸にしたワークショップを開催し、それを記録したものを作品として発表しているアーティストです。今回は、10月26日(土)、27日(日)の二日間、黑田さんがこれまでに発表してきた作品の上映会と、「質問と回答」に特化したトークイベントを開催します。題して、「アーティスト黑田菜月の作品上映会、そしてその質問と回答」。
10月26日(土)は、動物園で写真を使ったワークショップを行った記録である《友だちの写真》の上映後に、黑田さんの作品に関する「質問と回答 黑田作品篇」を行います。そして翌日27日(日)には、黑田さんの作品上映会に加え、「質問と回答 全体篇」として、ゲストに渡辺亜由美氏(学芸員、京都国立近代美術館)をお招きし、黑田さんと互いに質問をしあったり、会場に寄せられたワークショップにまつわる質問に回答していきます。
どちらか一日だけの参加でも、上映会のみの参加でも、二日間上映もトークも全部参加するでもOKです。ぜひ、ご参加ください。
主催|京都岡崎 蔦屋書店
共催|一般社団法人HAPS、ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)
※本イベントは京都岡崎 蔦屋書店「アセンブリープログラム」、 HAPS「芸術家×仕事コーディネート」事業として開催されます。
※本イベントのレポートは、後日「ART⊆WORKSHOP」事業のウェブサイトで公開予定です。
■アーティストプロフィール
黑田菜月(くろだ・なつき)
1988年神奈川県生まれ。2013年に第8回写真「1_WALL」展でグランプリを受賞。近年は、リサーチやフィールドワーク、ワークショップなどを交えた映像作品、写真作品を手がける。また、公立動物園の周年企画に携わったり、子育てと制作のあり方を探る座談会を開催したりと、幅広い活動を行っている。
主なグループ展に、企画も担当した「どうぶつえんの目」(横浜市立金沢動物園、神奈川、2019)、「東京ビエンナーレ 東京の処方箋 『動物園の避難訓練』」(エトワール海渡、東京、2019)。個展に、「けはいをひめてる」(ガーディアン・ガーデン、東京、2014)、「αMプロジェクト2020–2021『約束の凝集』vol. 3 黑田菜月「写真が始まる」(ギャラリーαM、東京、2021)、「つくりかけラボ13『野鳥観察日和』」(千葉市美術館、千葉、2023)などがある。
■ゲストプロフィール
渡辺亜由美(わたなべ・あゆみ)
京都国立近代美術館特定研究員。2014年から2023年6月まで滋賀県立美術館学芸員として「生命の徴 −滋賀と「アール・ブリュット」−」(2015)、「時と風景 −未来をつなぐコレクション」(2016)、「めぐれ!つながれ!色とかたち。ワイワイわれらのモダニズム」(2017、成安造形大学との共同企画)、「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」(2021)を企画・担当。
京近美では、「自転車にのって−乗り物の動力」などコレクション展内のワンコーナーをしばし担当。「LOVEファッション−私を着がえるとき」展サブ担当。専門/関心領域は20世紀後半から同時代にかけての美術表現。
■ART⊆WORKSHOPについて
HAPSでは、若手芸術家の支援活動として、「芸術家×仕事」事業を実施し、あらゆる人からの「仕事」の相談と芸術家のクリエイションを結びつけることにより、新たなものを生みだすお手伝いを行っています。
この度、「芸術家×仕事」事業の一環として、新たに「ART⊆WORKSHOP」と題したプロジェクトをスタートしました。本プロジェクトでは、現在「ワークショップ」と呼ばれるような表現を収集・公開し、アーティストによるワークショップの実施に意欲のある方とのマッチング、サポートを行っていきます。
また、アーティストによるワークショップの実例とプロジェクトの理念をご覧いただけるウェブサイト「ART⊆WORKSHOP (Temporary Site)」を公開しています。
ワークショップ掲載アーティスト|木曽路(きそじ)、黒川岳、本山ゆかり、レトロニム