東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

 EN サイトマップ
© 2014-2024 一般社団法人HAPS

ファルマコンの再生 —生の祭壇—

開催情報

【期間】2023年11月2日(木) − 11月19日(日)
【開館時間】11:00−18:00 ※土日10時開場、オープニング当日 (11月2日) のみ15時開館
【休館日等】月曜日
【料金】300円 ※大学生・大学院生含む学生無料、障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方無料

http://mrexhibition.net/pharmakon/

会場

会場名:アトリエみつしま
webサイト:https://mtsm.jimdofree.com
アクセス:〒603-8215 京都市北区紫野下門前町44
電話番号:075-406-7093

概要

展覧会「ファルマコン」は、キュレータ・大久保 美紀(任意団体art-sensibilisation代表)が日仏の作家とともに医療・エコロジーの領域における芸術的アプローチの模索に取り組んできた展覧会であり、2017年に第一回「ファルマコン:医療とエコロジーのアートのための芸術的感化」(京都・大阪)を開催して以来、コロナ禍も止むことなく開催を続け、今年で7回目となります。本展の出展作家であるフロリアン・ガデンと堀 園実は、このテーマについて一貫した取り組みを続けてきました。彼らはこれまで、絵画・彫刻・写真・インスタレーションという異なる表現に挑戦し、エコロジーの領域における芸術的なアプローチを模索しながら、自身の表現を磨いてきました。

「ファルマコン」(Pharmakon=φάρμακον, Greek)はギリシャ語で「毒」と「薬」を同時に意味する両義的な言葉です。プラトンは『パイドロス』という対話篇において、私たちの記憶を外部化し、大量の文字情報を正確に保持することを可能にする「書き言葉」が、実は身体技法としての生きた記憶の動態を喪失させると指摘しました。「ファルマコン」の両義的な性質は、フランスの哲学者ジャック・デリダやベルナール・スティグレールらによって現代的な文脈で再考されるようになります。

「ファルマコン」的な本質的両義性への不理解・不寛容は、現代社会における諸問題に現れています。たとえば、行き過ぎた健康志向や潔癖傾向、マイノリティに対する不理解、中庸を認めない二分法的議論の不毛さ、そして人間中心主義を脱することのないエコロジーの取り組み…。コロナ禍は、こうした問題をとりわけ顕在化したに過ぎず、私たちはずっと以前からこうした状況に取り巻かれていたと言えるでしょう。「ファルマコン」を再考すること、つまり、世界の両義的な性質を認めることは、私たちの思考を解放し、このような問題の打開へ私たちを導いてくれるに違いありません。

「生の祭壇」とは、あらゆる生命に捧げられる表現のことです。人間中心主義に基づき文明を築き上げてきた人類が、一つの「生」として自らを思考することができるなら、それは「ファルマコン」的ものを再生し、そのものアンビバレントである「生」を受け入れることによってこそ成し遂げられるでしょう。本展覧会が、そのための布石となるよう願っています。

関連記事



HAPSについて | アーティスト支援 | アートと共生社会
お知らせ | 相談・お問い合わせ | アクセス
サイトマップ | プライバシーポリシー



JP | EN

© 2014- 2024 一般社団法人HAPS