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日野田崇「偶然を過ごすための手色形楽」

開催情報

【期間】2023年10月25日(水) ~ 11月25日(土)
【開館時間】12:00 – 18:00 *10月27日(金)は20:00まで
【休館日等】日、月、祝
【料金】無料

https://www.imuraart.com/exhibition/current.html

会場

会場名:イムラアートギャラリー京都
ウェブサイト:https://www.imuraart.com
アクセス:〒606-8395 京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
電話番号:075-761-7372

概要

イムラアートギャラリーでは今秋、手色形楽(しゅしきけいがく)の作家・日野田崇による個展を開催いたします。手色形楽とは、日野田によって考案された、「美術」に代わる用語で、造形芸術の元来の「身体」ともいえる色・かたちを作家の手(身体)を媒介にしてつくりだすことに焦点を当てる試みを指します。

 日野田の制作スタイルは土を手びねりで形成し、マスキングをしながら陶芸用の顔料を吹き付けて彩色が行われます。電気窯で焼き、再度彩色を施しては、焼く、という作業を繰り返して作品が形づくられていきます。20年ほど前から始めたインスタレーション形式での展示空間づくりも特徴的で、陶作品に加えて、モチーフを模したカッティングシートを床や壁などに張り巡らせ、時には天井にも及びます。この空間づくりは、陶作品を制作する延長としての感覚で、カッティングシートを切るといった身体的な試みにより実践されてきました。食器や花器など、もともと人間と親密な距離で使われていた陶という素材を、現代の美術の空間や文脈に対応させるために、これまで日野田はさまざまなアプローチを試みてきましたが、今回、原点に立ち返り、陶作品単体に内在する密度や重量感でギャラリーの白い箱に拮抗させる試みに挑戦します。

 作品の表面にはその時代の社会問題に問いを投げかけるようなモチーフが描かれますが、手色形楽では、まずは概念よりも、色やかたちの響きや動き、ぶつかり合いを楽しむ事が前提とされています。音を楽しむような、匂いや味覚で味わうような感覚で、彼の作品を会場にて楽しんでいただけたら幸いです。


今回の展示作品は、今年の5月に開催されたアートフェア「台北當代」において個展形式で発表した新作を中心とするものです。

 今回の展示では、壁面全面に、植物の盲目的な成長のイメージを展開した台北での展示とは対象的に、陶立体のみを点在させる簡素な展示を試みます。これは、これまで空間全体に広げていた線の力の響きを作品の内部に凝縮させて、観る人に一点一点で扱われている内容に集中してもらうための方策です。

 瓦や煉瓦、タイルなどのような建材に見られるように、堅牢でありながら、陶の素材感には、触覚的に親しみのある肌を持つという特徴があります。長年、この素材を扱ってきて、問題であったのは、展示される環境で、観客との接点や距離をどうやってつくっていこうかということでした。茶道での茶碗の愛で方を思い起こすとわかりますが、私たちの身体と親和性が高い反面、造形芸術の素材としての視覚的主張に弱く、広大な虚空間では、孤児のように居所を見つけ出すのがなかなか難しいのです。
 

美術という枠組みを脇において、「手色形楽(しゅしきけいがく)」という領分を立ち上げ、自身の制作を表すために、この数年、この用語を使ってきました。もともと美術は、労働の精華のなかでももっとも特殊な位置付けをされてきたもののひとつですが、この2世紀ほどは概念とリサーチを中心にしたものに偏向し、変化してきました。私は、自身のやりたいことを見極めるなかで、手(労働)と色とかたちの三者の組み合わせでまだまだ何かが生み出せるのでは、とあらためて期待するようになりました。色、かたち、それをつくりだしたり、味わったり受け止めたりする身体、この三つが構成する三角形が廻転していくうちに、多義的な世界の響きが聞こえてくるようなものが生み出せればとつねに考えています。

 私の制作は、作品が、一義的な意味や、特定の物語と直結するのを何よりもまず避けるようにしてきました。なぜなら世界を理解のしやすい物語に回収することは、ある種の慰めにはなりますが、同時に大変安易で危険な方向にも転じる可能性があるからです。ですから、いつもは、作品は、直接的に時事的な問題を、何かの答えや断定として扱うことはまずありません。ですので、一見したところ、それらは相当に混沌とした状態に見えるはずですが、その反面、私たちの生きている世界の様相を垂直的な時間軸で切り取ろうとする試みだと強く信じています。

日野田崇

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