東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

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2023年度 第2回コレクション展

開催情報

【期間】2023年7月13日(木)~10月1日(日)
【開館時間】10:00~18:00 
*金曜日は29時まで開館(9月29日を除く)
*入館は閉館の30分前まで
*新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開館時間は変更となる場合があります。来館前に最新情報をご確認ください。
【休館日等】月曜日 ※ただし9月18日(月・祝)は開館
【料金】
一般 :430円(220円)
大学生:130円(70円)
高校生以下、18歳未満、65歳以上:無料
*( )内は20名以上の団体
*国立美術館キャンパスメンバーズは、学生証または職員証の提示により、無料でご観覧いただけます。
*チケットは日時予約制ではございません。当館の券売窓口でもご購入いただけます。

https://www.momak.go.jp/Japanese/collectiongalleryarchive/2023/collectiongallery2023no02.html

 

会場

会場名:京都国立近代美術館
webサイト:https://www.momak.go.jp
アクセス:〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
電話番号:075-761-4111(代表)

 

概要

当館所蔵ないし寄託の西洋近代美術の優品を紹介するコーナーです。今回は、3階企画展示室で同時期に開催している「走泥社再考」展に関連し、ジョアン・ミロの作品をご覧いただきます。
 ジョアン・ミロ(1893-1983)は、スペインのバルセロナ出身の画家で、彫刻作品や陶芸作品も手がけました。一般的にはシュルレアリスムのオートマティスムを利用した作風で知られ、具象と抽象のあいだを揺れ動くような象形や自由な描線、鮮やかな色彩による画面構成が特徴的です。またミロと日本の間には様々な繋がりがあり、昨年開催された「ミロ展 日本を夢みて」(愛知県美術館ほか)では、それが包括的かつ詳細に紹介されました。
 『あらゆる試練に耐えて』は、1930年に刊行されたポール・エリュアールのテキストに、ミロが挿画を制作した作品です。テキストは「宇宙孤独」「制作」の二章構成で、そこに52の短詩が含まれています。大恐慌後の不穏な世情や妻との不幸な関係などを背景に、エリュアールの詩には失意や孤独感が表現されていますが、それを慰めるかのように、木版画にフロッタージュやコラージュの技法も駆使したミロの画は温かさとユーモアに満ちています。本詩画集の制作がミロに打診されたのは1948年ですが、80葉の挿画に233枚もの版木を用いたこともあり、完成には10年を要しました。実は本版画制作中の1952年に、ミロのもとを当館初代館長今泉篤男が訪ねており、その制作状況について「ジュネーブで出版するという自刻の木版の刷りをやっていたが、これも桜のような材に日本風の丸のみでやっていた」と報告しています。
 ミロの陶芸作品制作は、1942年にバルセロナで旧友のジョゼップ・リュレンス・イ・アルティガスによる陶芸展を訪れたことに端を発します。陶彫《あるモニュメントのためのプロジェクト》は、中国や日本の陶磁器に深い関心を寄せていたアルティガスそしてその息子とともに手がけた200点以上の陶芸作品の1点です。1951年からミロは《あるモニュメントのためのプロジェクト》と題した作品を散発的に制作していますが、それらは陶に限らず、木や鉄そしてブロンズなどを組み合わせたもので、ごく一部のみ巨大なモニュメントへと発展しました。陶片を積み上げたような本作に見られる頭部は、1945年に原型が制作された《太陽の鳥》と同じですが、1966年にはこの部分だけが大理石およびブロンズで拡大されています。屋外設置を前提としたモニュメントにおいてミロが目指したのは、作品が風景の一部となり自然と一体することでした。
 1966年、ミロは初めて来日します。東京の国立近代美術館と当時その分館であった当館で開催された大規模な『ミロ展』が、そのきっかけでした。ミロはその際、関西にも足をのばし、京都で桂離宮や龍安寺を訪れると同時に当館での「冨田渓仙展」を鑑賞、さらには信楽で信楽焼を見学しています。この関西旅行中、ミロに随行したのが八木一夫でした。

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