開催情報
【作家】山脇紘資
【期間】2025年11月21日(金)~2025年12月15日(月)
【開館時間】11:00~20:00 ※最終日のみ18時閉場
【料金】無料
詳細:https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/50853-1412091028.html
会場
会場名:京都 蔦屋書店 5F エキシビジョンスペース
webサイト:https://store.tsite.jp/kyoto/
アクセス:〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.
電話番号:075-606-4525(営業時間内)
概要
山脇紘資(やまわきこうすけ)は東京藝術大学大学院美術研究科を修了後、国内外で活躍するアーティストです。キャンバスいっぱいに動物の顔を描く作品で知られ、流動的な筆致で描かれた毛並み、瞳孔、門や穴といったモチーフを用いながら、目に見えない概念の深みを表現してきました。
「肉眼では捉えられない何かが、モノの内側からふと立ち現れる瞬間がある。その不可視の領域から新たな概念が生まれるとき、私はそれを『虚』と呼んでいる。対象と対象のあいだに生じる隙間や、そこに潜む穴のような空間にも、同じ感覚を覚える。とりわけ、風景の中にありながら、そこに同化することなく佇む存在に強い関心を抱いてきた。私にとって描く行為は、その『虚』の感覚を鑑賞者に示唆するための試みであり、モチーフは不可視の存在を映し出す焦点でもある。」
本展では、山脇が故郷に帰省した際に馴染みのあった風景が空き地になっていたことを契機として描いた新作を約10点発表します。自身が記憶していたかつての風景、そこに存在していたこと、なくなっても潜んでいるなにか、その先に待つまだ見えない情景が、キャンバスを通して鑑賞者に語りかけます。
展覧会ステートメント
「Vacant Land / 空き地」
故郷に帰省した際、近所の家が空き地になっていた。
そこには子供の頃の思い出が沢山あった。
痩せた老夫婦、奇妙な形をしたイチジクの木、よく吠える黒犬、草むらの陰からこちらを見据える白猫。
そんな数々の記憶があったが、家が空き家になってからはいつしか忘れていた。
たまに空き家を目にしても何も感じることはなかった。
しかしある日突然、その家が空き地となって目の前に現れた。
その瞬間、かつての家の姿が物質として存在していた頃よりも、鮮明に蘇った。
目を凝らすとさまざまなモノやコトがひっそりと、その地の奥に潜んでいるのが感じられた。
そこはとても充実した「無地の世界」だった。
静かなその空間を遠い面持ちで眺めていると、
頭の中が次第に騒がしくなり、意識がゆっくりと移動していく気配を感じた。
それは、記憶のある土地から、まだ記憶のない土地へと誘われていく旅のはじまりのような感覚だった。
山脇紘資