開催情報
【作家】林銘君(Lin Mingjun)
【期間】2025年10月7日(火)~ 10月27日(月)
【時間】10:00~20:00 ※最終日のみ17:00閉場
【入場】無料
詳細:https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/49918-1030360917.html
会場
会場名:京都 蔦屋書店 6F アートウォール
webサイト:https://store.tsite.jp/kyoto/
アクセス:〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.
電話番号:075-606-4525(営業時間内)
概要
林 銘君(Lin Mingjun)は中国・北京の中央民族大学で美術を専攻し、その後留学した多摩美術大学大学院で日本画に出会い、魅了されました。現在は、伝統的な水墨画の技法を軸にカタツムリとカラスを象徴的なモチーフとして描いています。
カタツムリは人間のメタファーとして描かれ、内と外の境界や自己と他者との関係性を象徴します。安全性と束縛の両方の性質を併せ持つ「殻」を背負いながら、画面内で屏風の内外をゆっくりと行き来している様子は、囚われと解放の両方の状態を表しています。また、殻の部分は黒く塗りつぶし、胴体は白く写実的に描くことで、見かけ上の個体差を排除し、内面を強調しようとしています。
一方、抽象的に描かれたカラスは、来日した当初に暮らしていた語学学校の寮に吊るされていたカラス避けの「紙のカラス」からインスピレーションを受けて生み出した独自のモチーフです。作家はカラスの印象を、故郷である北京においては侵略的な力を持つ存在として、活動拠点の東京では孤独や制約を感じさせる存在として捉え、強い恐怖心を持っています。作品には、本物への恐怖と同時に、自身で作り出した偽物への恐怖にも怯えるという矛盾が表現されています。
本展では、墨を用いた黒と白の画面を通して、内と外の流動、個と集団の緊張といった、日常に潜む平凡と不安の気配を描き出します。
アーティストステートメント
常常とは、日々が繰り返し積み重なること。
安定したリズムのなかで、平凡と不安が静かに入り混じっている。
その持続はありふれて見えながら、決して避けることはできない。
黒と白の冷静な画面には、かすかな不安と焦燥が潜んでいる。
作品はまさにそのような、日常に潜む言葉にならない状態を語りかけている。
林 銘君