HAPSが協力する展覧会のお知らせです。

■概容
会場|立命館大学国際平和ミュージアム1階企画展示室
休館日|日曜日
開館時間|9:30〜16:30(入館は 16:00まで)
料金|大人 400(350)円/中学生・高校生 300(250)円/小学生 200(150)円
※( )内は 20 名以上の団体料金
※障害者手帳・被爆者健康手帳・戦傷病者手帳をお持ちの方は、ご提示いただきますと入館料が免除になります。付添の方も 1 名まで無料です。
※立命館で学ぶ人・働く人は無料です。
主催|大和楓(アーティスト)、長谷川新(インディペンデントキュレーター)
後援|立命館大学国際平和ミュージアム
協力|一般社団法人HAPS
助成|京都市「Arts Aid KYOTO」補助事業
デザイン|山本悠
https://rwp-museum.jp/special/20250819_01/
大和楓(やまと・かえで)はこれまで、ある社会集団が繰り返してきた身振りを、その集団に属さない人であっても、いまここで個人的に反復できる(できてしまう)彫刻的装置を制作してきた。それは阿波踊りにおける「男踊り」「女踊り」、沖縄の踊りである「カチャーシー」、あるいは辺野古の座り込み抗議を続ける人々が強制的に移動させられる際の体勢であったりした。
大和は今回、沖縄戦で捕虜となり、収容所生活を経験した祖父の痕跡をたどるなかで、沖縄県公文書館の写真資料に写る人々の「姿勢」に注目する。捕虜の姿勢――彼らの「身の置き方」に自らの身体をにじり寄せることで、一時的にでもその時代に腰を下ろし、その時代の人々の「生き延びた時間」に迫ろうとする。
沖縄戦から80年が経つ。語る人、語らないと決めた人、語れなかった人、残そうとした人、忘れようとした人、再び語り直そうとした人、さまざまな判断と選択、葛藤と意志があったはずである。と同時に、私たちの眼前にはいま、残された写真や映像の資料群がある。大和がここで踏み出すのは、写真のなかの人々の内面を想像し、その不可能性の前で身体をこわばらせるのではなく、写ってしまった人体の外形を軽快に反復する方向である。思い切って言えば、態度ではなく姿勢の可能性を、精神よりも肉体の力を信じるという選択である。
80年後にもその姿勢がとれてしまうということ、これから自分がその姿勢をとる可能性があるということを、迫りくる危機の喧伝ではなく、人間の可能性として読み替える。かつて、確かに、このような姿勢をした人がいた、という印画紙に焼きついた事実を跳板にして、大和は時間に座ろうとする。
長谷川新(本展キュレーター)
■関連イベント
オープニングレセプション「Sit and drink in Kamogawa River」
日時|8月19日(火)18:30〜
会場|鴨川デルタ
時間にすわって形をなぞる・ミュージアム資料の観察ワークショップ
日時|8月30日(土) 14:00~(約2時間)
会場|立命館大学国際平和ミュージアム2F ピースコモンズ
料金|大人400円(350円)、中学生・高校生300円(250円)、小学生200円(150円)
※()内は20名以上の団体料金
https://rwp-museum.jp/event/20250830_01/
立命館大学国際平和ミュージアムに保管されている歴史資料を特別に見せてもらってじっくり観察し、 描くことで向き合うワークショップ。 戦争にまつわる資料をただ見るのではなく、時間をかけて 「観て描く』 ことで、それぞれの資料がもつ重層的な意味や歴史の記録としての在り方を体で探ります。 絵の得意・不得意に関わらず、どなたでも。描いた作品は自分で持って帰ることができます。
■プロフィール
大和楓(やまと・かえで)
1998年、徳島県生まれ。沖縄県在住。
主な展覧会に「CAF賞2024入選作品展覧会」(東京/代官山ヒルサイドフォーラム、2024年)、 「1998_oid」(東京/LURF GALLERY、2025年)、「NEW Days」(神奈川/Art Center NEW、2025年)。8月からは東京都現代美術館の企画展「日常のコレオ」にも参加予定。
受賞・採択に、三菱商事アート・ゲート・プログラムスカラシップ奨学生(2022年) 、公益財団法人クマ財団クリエイター奨学金7期生(2023)、「第11回 CAF賞(Contemporary Art Foundation Award)」優秀賞(2024年)などがある。
個々の身体の動きや所作に、その人が属する社会のかたちが反映されていると捉え、日常の中に埋もれている些細な身振りからひとつの型を掘り起こすことをテーマに作品を制作している。好きな食べ物はシュークリームと小豆ときなこ。2021年に手書きの新聞「ぽよぽよ新聞」を立ち上げ、毎月執筆中!