開催情報
【作家】迫鉄平、西澤諭志、五十嵐愛実
各作家の展示時間は、迫鉄平が20時過ぎから23時頃、西澤諭志が23時過ぎから26時頃、五十嵐愛実が26時過ぎから30時頃です。
【会期】2026年2月27日(金)20:00〜28日(土)6:00
【キュレーター】中本憲利
【料金】無料(屋外から窓越しに鑑賞)
ご来場にあたっての留意事項|展示会期は夜間〜深夜時間帯〜早朝となりますので、静かにご鑑賞いただき、また、長時間の滞在はお控えくださいますよう、何卒お願い申し上げます。
会場
会場名:表裏 by FINCH ARTS
webサイト:https://www.instagram.com/omoteura_by_fincharts/
住所:京都市左京区一乗寺里ノ前町24-7 「ニハ」ウィンドウギャラリー
アクセス:叡山電鉄「一乗寺」駅から徒歩1分
協力:FINCH ARTS、ニハ
運営・広報協力:沢田朔
概要
企画趣意
「誌面開放」は、三名の作家によるプリント作品を約三時間ごとに掛け替えてゆく、連続個展としてのグループ展である。迫鉄平・西澤諭志・五十嵐愛実ら参加作家は、コンビニのネットプリントで出力することを前提とした平面作品を委嘱される。それらの作品は、キュレーターの手によって会場近隣の店舗で印刷されたのち、アーティストの指示に基づいて展示空間に搬入・設置され、順次掛け替えられてゆく。鑑賞者は屋外から窓越しに作品を鑑賞することになる。作品の内実に関しては、各作家への全面的な白紙委任を旨とする。
さて、このたび観覧に供される諸作品は、実のところ、事後的にある書物の「誌面」を構成する。それらは展示終了後、同時に開催されている一般非公開の催し「思い出し、製本」の中で「製本」される展覧会「無宿」(於・札幌、2025年8月)の記録集に綴じ込まれるのだ。したがって、本企画はその形式において、『美術手帖』誌の野心的な試みであった「誌面開放計画」(第24巻第359号、1972年10月)や、1970年にニューヨーク近代美術館で開催された「インフォメーション」展のカタログなど、制作の行為主体性【エイジェンシー】や複製=再生産【リプロダクション】の問題を探究した美術史的諸例にオマージュを捧げるものである。
しかしながら、それだけにとどまらず、われわれは、時間的・空間的に固有な個別的実践の公開範囲をいかに画定しうるか・すべきかという問いに対して、パブリシティ(宣伝)とパブリケーション(出版)とを実演しつつ、高度なプライバシーの実現によって応答したいと考えている。上述の催しを機縁としつつ、あくまで独立した形で挙行される本展は、裏面で遂行されている発表【リリース】されざる営みを(文字通り)遮蔽しながら、同時に、その遮蔽の事実じたいは開けっ広げに広報することで、「思い出し=再成員化[re-membering]」(©︎ジェイムズ・クリフォード『ルーツ』)の試みに、もう一つの漏出線を引くことになるだろう。
アーティスト(◆)とキュレーター(◇)のプロフィール
◆迫鉄平(さこ・てっぺい)|1988年大阪府生まれ。神奈川県在住。2014年京都精華大学大学院芸術研究科前期博士課程修了。瞬間を切り撮るスナップ写真の方法を動画へと転用することで、その瞬間性を引き延ばす動画作品や、複数の瞬間を一枚の写真に畳み込むスナップ写真のシリーズにおいて、制度化された「決定的瞬間」から被写体と鑑賞者を解放することを試みている。主な展示に、個展「砂と砂」アート/空家 二人(2025、東京)、個展「パワーショットのエルドラド」eN arts(2025、京都)、「New Photographic Objects」埼玉県立近代美術館(2020、埼玉)がある。2015年第38回公募キヤノン写真新世紀グランプリ受賞。
◆西澤諭志(にしざわ・さとし)|写真家/映像作家。カメラで記録した身辺の映像から、細部の社会的、経済的な側面へも目を向けるための作品を発表。主な展覧会に、「西澤諭志 個展「1日外出券」」YAU STUDIO(2025、東京)、「クリテリオム98 西澤諭志」水戸芸術館現代美術ギャラリー(2022、茨城)、「Parrhesia #013 西澤諭志[普通]ふれあい・復興・発揚」TAPギャラリー(2018、東京)。近年は、国内外の実験的な映像作品を紹介する上映団体「Experimental Film Culture in Japan」、ブレヒトのフォト・エピグラム『戦争案内』 の翻訳刊行を目指す「『戦争案内』研究会」のメンバーとしても活動。
◆五十嵐愛実(いがらし・まなみ)|1999年埼玉生まれ。2022年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。東京藝術大学大学院油画専攻在籍。シルクスクリーンによる複製を軸に紙や家具、陶器やガラスなどの様々なメディアを支持体とし版画や彫刻を制作。主な個展に、「虹が2つ」JOYFUL (2025、茨城)、「暗転する眼差し、運命のサンプル」ターナーギャラリー4F(2024、東京)、「ひるがえる窓」えん川(2024、東京)。主なグループ展に、「ゆめかみず」HAGIWARA PROJECTS(2026、東京)、「Two Steps to the Lamp-lit Cellar」YUGA Gallery(2025、東京)、「cozy corner」東京藝術大学芸術祭(2025、東京)、「U.F.F.U.」EUKARYOTE(2025、東京)。
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◇中本憲利(なかもと・けんと)|1999年東京生まれ。批評家/インディペンデントキュレーターとして、展覧会や上演の批評・企画に取り組んでいる。近年の関心領域として、批評的審級としての〈作者の生〉、ミュゼオロジーとアーカイブの理論的拡張、思想史における〈習慣論〉の展開など。主な仕事に、作家論「索引(INDEX)」(綾野文麿『Why Don’t You Dance?』2025年12月)、展覧会評「型について」(近刊)、展覧会+図録出版 飯島暉子個展「室内経験」(Marginal Studio/文華連邦、2021年)、雨宮庸介との対談(「CURATION⇄FAIR Tokyo」内、2026年1月25日)がある。2026年は、いくつかの作家論を書き、キュレーション(広義)を実施してゆく。哲学専攻。
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問合せ先|本展キュレーター・中本憲利(catalogcontributions@gmail.com)