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退任記念展 金澤 徹 写真展 鉄のシリーズⅦ「儚き移ろい」in progress

開催情報

【期間】2024年4月1日(月) – 4月13日(土)
【開館時間】11:00 – 17:00
【休館日等】4月7日(日)、8日(月) 休館
【料金】無料

https://artcenter.seian.ac.jp/exhibition/6996/

会場

会場名:成安造形大学【キャンパスが美術館】
webサイト:https://artcenter.seian.ac.jp
アクセス:〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4丁目3−1 図書館棟
電話番号:077-574-2111(代表)

概要

このたび成安造形大学 キャンパスが美術館では、金澤 徹の写真展「鉄のシリーズⅦ 「儚き移ろい」 in progress」を開催いたします。


今回展示をする「鉄のシリーズ」は1989年9月の初発表以来続けている作品群で、「鉄」という強固なものが自然環境や時代背景の中で変化する様を捉えながら、我々が生活をする日々が、時間の流れとともに大小の全てのことが移り変り行くものであることを再認識できます。(2017年開催個展『儚き移ろい』のギャラリーステートメントより抜粋)

2001年8月27日にニューヨーク・マンハッタンのハドソン川対岸のフェリー乗り場より、後にアパートメントとなる建築工事現場とニューヨークのWTCを含んだ撮影をしました。『儚き移ろい』では、2003年から同じ地点を毎年撮影し続けている作品群が構成において大きな意味合いを持っています。

当時のニュージャージー側は、工事が盛んに行われており、2001年の撮影場所の周りも現在までに大きく変化しています。当初から、ロワーマンハッタンを望むには、当該のアパートメント自体は障害物ではありましたが、このビルを含みながら、WTCツインタワーのあった場所を探りつつ、毎年撮影に通います。そして、数年経過してから、20年間この作品を撮り続けることを決心します。2022年に20年が経過しましたが、計画時には全く予期しなかった、COVID-19のパンデミックの影響で、2年間渡米できませんでした。幸いいつも世話になっている友人のお陰で、その2年(2点)の作品も今回展示していますが、自身で同じ撮影の方法で20年間記録をしたいという思いがあり、本展開催時にはまだ区切りがついていないという意味で、”in progress”を加えました。

また、本展示においては私が大学3年生の時に制作した12点構成の”192 West Norwich Avenue”(1981年4月)も展示しています。この作品は日本にいる家族に、自分の住んでいるアパートの周りを紹介するという設定で制作したものです。そして、学んだばかりのアーカイバル処理と無酸性のラグマットでのブックマットも43年前に自身でしています。

インターネットが当たり前の現在では、外国との音声や映像によるコミュニケーションが簡単にできますが、当時は国際電話も高額の上、ネットなどでのイメージのやり取りが簡単にできない時代でした。たまたま、同時期に特派員として日本のテレビ局のワシントン支局に駐在していたおじのオフィスを訪ねたときに、初めてFAXで日本から文章や不鮮明でも写真が送られてきたところを見て、驚いたことを今も鮮明に覚えています。そのような時代は今から見ると「昔」で、便利でスピード感のある生活を経験している、現在の私達が手に入れているモノやコトの質に対しての感覚は、少し違っています。大切なモノやコトとは何なのでしょうか。

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