【作家】イ・スンヨル
【期間】2025年1月10日[金]- 2月9日[日]
【開館時間】13:00-20:00(水・木・金)/ 11:00-19:00(土・日・祝)
【休廊】月・火
【料金】無料
https://purple-purple.com/exhibition/good-afternoon-good-evevning-and-good-night/
会場
会場名:PURPLE
Webサイト:https://purple-purple.com
アクセス:〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
電話番号:075-754-8574
概要
イ・スンヨル(Seungyul Lee 1994年生まれ ソウル在住)は、第18回 写真批評賞(2021年)、第6回 釜山国際写真祭ポートフォリオレビュー優秀作家(2022年)に選ばれるなど、韓国で注目の新鋭作家です。
イ・スンヨルは、空間を解体し再構成する過程で生じる歪みを意図的に追求しています。さまざまな構造物や建物を含む空間の見方を再解釈しているのです。
彼のシリーズは一貫して、写真の中の内と外、空間の中の内と外を繰り返し反転させ、平面と立体を行き来することにより、観者の知覚と感覚を揺さぶります。
空間のかけらを集め、ひとつの構造物をつくることで、空間の可変的な属性や視点によって現れるエラー、平面媒体である写真から発現する空間感に対する制作を続けています。
「Camouflage」シリーズ(2019-2021)では、違法マッサージ店の壁紙を屋外に設置して撮影しました。公然とは言及できない私的な空間の雰囲気を形成する壁紙を、公的な屋外に設置することで、日常的な空間に異質感とぎこちなさをもたらしています。マッサージ店の内部にあったときは、見えているのに見えないもののような存在であった壁紙を見えるようにする作業であり、異なる空間を衝突させることで生じるものに注目しています。
「Mirage」シリーズ(2021-2023)は、不特定な空間の写真を収集することから始まりました。収集した空間を実物より小さな模型へと再構成し、それをさらに平面の写真へと記録する過程を経ます。模型は本来の色と質感を失い、見えない部分を想像で補ったりするため、距離感と立体感の歪みを帯びます。写真として再撮影されたイメージは人為的で縮小され、実際の姿とは異なる感覚で存在します。平面と立体を行き来しながら生じる歪みを探求し、本質的な構造の境界を明らかにするシリーズです。
「Proto Type」シリーズ(2023-)は進行中の最新作です。対象の一部を拡大したり縮小したりして撮影した場合、平面上では、普段経験する視点とは異なる空間感が形成されます。写真は現実を再現するという認識と、非現実的な視覚情報が衝突し生み出される知覚的な混乱に対するアプローチです。
イ・スンヨルは、今回の展示タイトルを映画『トゥルーマン・ショー』の最後のセリフから付けています。「Good Afternoon, Good Evening, and Good Night」、トゥルーマンが作られた世界から外の世界へと出ていくときの挨拶の言葉です。
内と外とが重なり交差していくイ・スンヨルの作品の在り方を暗示し、私たちのいる空間と写真へのを問いを投げかける実験にご期待ください。
イ・スンヨル|Seungyul Lee | 이승열
1994年、韓国ソウル生まれ。弘益大学大学院デザイン工芸学科 写真学博士課程修了。第18回 写真批評賞(2021年)、第6回 釜山国際写真祭ポートフォリオレビュー優秀作家(2022年)、 IMA Next : THEME #44 TRICK 受賞(2023年)。
主な個展に「Winking Aiming Shooting」(2021年、モノセ、ソウル)、「A Very Flat Sculpture」(2022年、FF Seoul 、ソウル)。ソウル特別市 文化本部博物館、国立現代美術館 政府美術銀行に作品が収蔵されている。