開催情報
【期間】2025年9月15日(月)~ 9月23日(火)
【開館時間】木・金・土・日曜 14:00 ~ 19:00
【休館日等】
*15(月)、23日(火)オープン
*その他の日:予約制
アーティストトーク 9月20日(土)17:00~18:00
レセプション 9月20日(土)18:00~19:00
〒605-0829京都市東山区月見町10-2 八坂ビル地下1階
ことばを食べるカフェ みずうみ *併設のカフェもお楽しみいただけます。
【料金】無料
https://monadecontemporary.art-phil.com/?p=1293
会場
会場名:monade contemporary | 単子現代
webサイト:https://monadecontemporary.art-phil.com
アクセス:〒605-0829 京都府京都市東山区月見町10-2 八坂ビル地下1階 奥左入ル 2号室
概要
Louise Schmid(ルイーズ・シュミット)
イギリス・グラスゴーを拠点とするビジュアルアーティスト。特にドローイングや紙を用いた作品に関心をもっている。近年の個展として、Galerie Rosenberg(チューリッヒ)、201 Phone Box Gallery(ストラスギネス、スコットランド)などがある。近年のレジデンスとして、京都のメトロポリタン・福寿創、パリのシテ・アンテルナショナル・デ・ザールなど。
https://www.louiseschmid.net/
〈アーティスト・ステートメント〉
プロジェクトTOY-ING(おもちゃ遊び)は、2024年夏にメトロポリタン福寿創のアーティスト・イン・レジデンスで始まり、今後グラスゴーのサウス・ブロック・スタジオでさらに発展させていく予定です。
日常生活の場であるイギリスから切り離され、方向感覚を失った経験から、地域のおもちゃや遊び、お守り、レプリカ、子どもっぽいもの、ミニチュア化、そして子ども時代の文化に対する感覚が強くなりました。第二次世界大戦後、日本がどのように世界をかたちづくってきたのか――ハイテクから超カワイイまで、おもちゃのポップカルチャーの創造をとおして――に好奇の眼差しを向けています。日本のおもちゃ、ガジェット、ファンタジーの世界は、困難な時代にあっても私たちの暮らしのあらゆる面を深く変容させます。そうしたおもちゃは、人と人とのつながり方を変える一方で、孤立をも生み、社会変革への道を開きます。おもちゃは価値判断(例:あまり価値のないこと)や欲望と結びついています。私は近現代美術を子ども時代とのかかわりという視点から読み直しており、特に「子ども時代」がどのように理解され、構築されてきたかの変化に注目しています。
なぜ特定のおもちゃは一時的に過剰なほど可視化され、その後消えていくのでしょうか。おもちゃはどのように新しい社会的/美的状況に適応してきたのでしょうか。子ども時代の再考は、時宜を得たテーマとして、遊びの政治的側面――個人間を超えた意味――を浮かび上がらせます。資本主義的な風景のなかで、固定観念や空想を巧みに売り込むマーケティングは、尽きることのない「楽しみ」の可能性を提示します。しかし、消費社会は、自由な遊びに境界を設けてもいます(例えば、梅の花レゴセットのように)。
―― Louise Schmid
〈展覧会情報〉
monade contemporary | 単子現代では、Louise Schmidによる個展「TOY-ING | おもちゃ遊び」を開催します。
Schmidはこれまで、日常の生活や風景を織りなす政治・社会状況と宗教や神話の影の間をつなぐメタフォリカルなイメージをドローイングとして表現してきました。懐かしさを感じさせる雰囲気と不思議な印象をもつモチーフは、いまここにある物事がかつてあった物事と分かちがたくあり、その戯れのなかで世界が生まれることを予感させます。
本展では、京都での滞在経験をきっかけとして生まれたおもちゃと日本における戦後文化史への好奇心から制作されたドローイング作品を紹介し、Schmidが日本とイギリスの間で紡ぎだそうとする子どもらしさをめぐるイメージの変容に向き合います。紙というメディアへの関心とともに、現地で入手した紙、インク、水彩、日本の墨汁で描かれたガシャポンなどのファウンド・オブジェクトは、イメージがその成熟の手前で手に触れられるものとして自由に存在することの可能性を新たに示すことになります。
目の前に広がる風景や物事が時代を超えた眼差しと相見えるとき、どのようなイメージが誕生し、現実に触れられるものになるのでしょうか。おもちゃへの実存的なかかわりから生まれる、表象と現実の遊戯にご参加ください。