東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

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2025年度 第2回コレクション展

開催情報
【会期】2025年7月3日(木)~9月28日(日)
【開館時間】午前10時~午後6時 金曜日は午後8時まで開館 *入館は閉館の30分前まで
【休館日等】月曜日
【料金】
一般:430円(220円)
大学生:130円(70円)
高校生以下、18歳未満、65歳以上:無料

夜間割引

夜間開館日(金曜日)の午後6時以降、夜間割引を実施します。
一般 :430円 → 220円
大学生:130円 → 70円

https://www.momak.go.jp/Japanese/collectiongalleryarchive/2025/collectiongallery2025no02.html

無料観覧日

2025年7月5日(土)12日(土)、9月20日(土)27日(土)
*都合により変更する場合がございます。

会場

会場名:京都国立近代美術館
webサイト:https://www.momak.go.jp
アクセス:〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
電話番号:075-761-4111(代表) 

概要

1933年にドイツで政権を獲得したナチ党は、そのイデオロギーにそぐわない表現主義、ダダ、新即物主義ノイエ・ザッハリヒカイトなどの芸術を反道徳的・不健康な「退廃芸術」と断じ、前衛芸術家たちは活動や生活が困難な状況に追い込まれます。
 ハノーファーを拠点とし、印刷物や毛糸、針金などをコラージュした「メルツ絵画」や、彫刻・詩作・演劇・建築など多分野にわたる活躍で知られるクルト・シュヴィッタースは、公共美術館からの自作の排除、秘密警察ゲシュタポによる友人一家の逮捕などを受けて1937年にノルウェーに亡命、その後1940年にドイツの北欧侵攻を受けて英国に逃れました。「敵国人」として収容所に送られた彼は1941年11月にようやく釈放され、その後ロンドンに身を落ち着けます。今回の出展作はこの時期に制作されたものです。
 多くの芸術家たちが亡命を選択する中、ベルリン・ダダを代表する芸術家ハンナ・ヘーヒは当地に留まりました。しかし「文化ボルシェヴィスト」と中傷され、作品発表の機会を失った彼女は隠棲を余儀なくされます。《不安》は当時の苦難と孤独を端的に示しています。
 1940年6月、パリを含むフランス北部はドイツに占領され、南部も傀儡政権の支配下に置かれます。かねてよりナチを非難していたフォーヴの画家アルベール・マルケはパリを脱出し、戦火を避けて仏領アルジェリアに渡ります。この頃描かれた《港のクルーズ船》には、彼が好んで主題としたアルジェの港が描かれています。
 一方フォーヴを代表する画家アンリ・マティスはフランス本国に残りました。《鏡の前の青いドレス》は第2次世界大戦前夜の1937年の作ですが、その後の戦乱の中で数奇な来歴を辿ります。もともと本作はパリの画商ポール・ローザンベールの所蔵でしたが、ドイツのパリ占領後、ユダヤ系であった彼の財産はナチにより没収されました。当時ナチは組織的な美術品略奪をおこなっており、政策に合致する古典絵画などを本国に送る一方、「退廃芸術」とされた作品は外貨獲得のために売却されたり、「ふさわしい」作品との交換に利用されたりしました。1942年、本作も17世紀オランダ絵画と引き換えにドイツ人画商グスタフ・ロホリッツの手に渡ったのち、フランス人画商ポール・ペトリデスに売却されます。しかし戦後複数の画商の手を経由したのちローザンベールに返還され、米国の著名収集家ノートン・サイモンの所蔵を経て、1978年に当館に収蔵されました。
 戦争やイデオロギーが、いかに芸術のあり方や芸術家の生活に暗い影を落とすのか——これらの作品は現代の我々に対し、重く語り掛けています。

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