開催情報
【期間】2025年3月29日(土)~6月1日(日)
【開館時間】10:00~18:00
【休館日等】月曜日(祝日の場合は開館)
【料金】無料
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20250329-20250601
会場
会場名:京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル
webサイト:https://kyotocity-kyocera.museum/
アクセス:〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
概要
分からないものを目にするとき、私たちはどのように応対するでしょうか。本展作家の迎英里子は、分からないことと理解することの間にある距離を縮めていくことを作品の中心に据えてきました。
その作品制作は、自らが関心を寄せる様々な事象—例えば屠畜(とちく)や婚姻、石油採掘、織物産業、洞窟の掘削、植物の呼吸—を対象とし、リサーチをするところから始まります。私たちの身近にあるものを素材とした彫刻や装置を自作し、それらを操作しながら、リサーチの対象の内部の働きを単純で物質的な動きへと分節化します。そうした一連の動きを記録した映像も含めたインスタレーション作品は、いずれも近づくことを意味する「approach(アプローチ)」と題されています。
この「アプローチ」には2つのベクトルが含まれています。1つは迎自身が関心を寄せる対象への理解を深めていくこと、もう1つは一見すると何を意味しているか分からない個別の造形やパフォーマンスを通じて、鑑賞者が対象を理解していくことを指しています。ただしその道程は予め作家が用意したものを辿るのではなく、誤読も含みながら鑑賞者が進むものです。
本展で取り上げる「月経」は、女性の身体において周期的に起きる生理現象を指します。
この現象における、本来は眼にすることのない機能的な働きを、ボールを落とす、布を切り離す、などの動きに分解し、三次元空間の中に捉え直します。医学的知識や自ら装置を動かすというプロセスを飛び石のように伝いながら、迎は理解することへの歩みを進めていきます。こうした態度は、「分からなさ」へ向き合う私たちへの一つの道標ともなるでしょう。
迎英里子
Mukai Eriko
1990年兵庫県生まれ。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。主な展覧会に、国際芸術祭「あいち2022」(墨会館・小信中島公民館、愛知、2022年)、「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」(秋田県立近代美術館、2020年)、「OPEN SITE 2017‒2018 『不純物と免疫』」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2017年)など。