HAPSが協力するトークイベントのお知らせです。

Courtesy of the artist, Bank/Manksociety & TKG+ Taipei
Photo by Wanchai Putthawarin
タイのジム・トンプソン・アート・センター芸術監督のクリッティヤー・カーウィーウォンさんをお迎えし、「ICA Kyoto TALK 059」を開催します。モデレーターはICA京都所長の片岡真実が務めます。90年代以降のタイと日本のアートの比較を試みる、芸術の秋にふさわしい内容となります。ふるってご参加ください。
本トークは2部構成で進行します。前半ではゲストのクリッティヤー・カーウィーウォン氏が、1990年代から今に至るまでのタイの現代美術の変遷を紹介します。1990年代におけるリクリット・ティラヴァーニャ、モンティエン・ブンマー、アラヤー・ラートチャムルンスックらの台頭に始まり、インディペンデントスペースやアーティスト主導の実践から、2000年代以降のバンコク芸術文化センター(BACC)やジム・トンプソン・アート・センターといった主要機関の成立、さらに2010年代半ば以降のビエンナーレの展開に至るまで、政治・社会状況の変化とともに発展してきた流れを概観します。後半ではICA京都所長の片岡真実が、クリッティヤー氏のプレゼンテーションに応答し、1990年代以降の日本国内におけるアートシーンとの比較を試みます。19世紀後半、ほぼ同時期に国家主導による近代化が始まった両国のアート・プラクティスを、欧米の枠組を介さずに比べることを通して、制度的背景、公共/民間/市民セクターでの実践のあり方、そしてアジアにおける現代美術の位置づけを考察する機会とします。(主催者)
■概要
⽇時|2025年10⽉3⽇(金) 18:30-20:00
会場|京都京セラ美術館 本館地下1階 講演室(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
定員| 50名程度/先着順(事前申し込み不要)
料⾦|無料
ゲスト|クリッティヤー・カーウィーウォン(ジム・トンプソン・アート・センター芸術監督兼キュレーター)
モデレーター|片岡真実(ICA京都所長)
日英逐次通訳|辻井美穂
主催|ICA京都、京都芸術⼤学⼤学院
協力|一般社団法人HAPS
詳細|https://icakyoto.art/news/90175/
■プロフィール
クリッティヤー・カーウィーウォン(Gridthiya Gaweewong)
バンコクにあるジム・トンプソン・アート・センターの芸術監督兼キュレーター。「The Open World」(タイ・ビエンナーレ、チェンライ、2023年)、「Imagined Borders」(第12回光州ビエンナーレ、2018年)、「Between Utopia and Dystopia」(メキシコシティ、2011年)、「Unreal Asia」(インターナショナル短編映画祭オーバーハウゼン、2009年)、「Under Construction」(東京、2000~2002年)など、アジア、ヨーロッパ、アメリカを含む各地で多数の展覧会を手掛ける。
また、ゲスト・キュレーターを務めた、インディペンデント・キュレーターズ・インターナショナル(ICI)主催の展覧会 「アピチャッポン・ウィーラセタクン:The Serenity in Madness」(2016~2020年)は世界6都市を巡回。2018年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーター・リーダーシップ・センターの研究員に選ばれ、2020年からはシンガポール美術館の収蔵委員会のメンバーを務めている。最近では、「ドクメンタ16」 のアーティスティック・ディレクター選考委員会のメンバーとしても活動している。
片岡真実(Mami Kataoka)
ICA京都所長、森美術館館長、国立アートリサーチセンター長、京都芸術大学大学院教授。第9回光州ビエンナーレ(2012年、共同監督)、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」芸術監督を歴任。2014-2022年国際美術館会議(CIMAM)理事/2020-2022年会長。2017-2019年度京都芸術大学KUA ANNUALディレクター。
■ICA Kyoto TALKとは?
ICA京都は2020年に京都芸術大学大学院の附置機関として創設され、これまで国内外で活躍するアーティスト、キュレーター、研究者、ギャラリストなどを招いたトークイベントを継続的に行ってきました。その一環である「ICA Kyoto Talk」は、これまでの「Global Art Talk」と統合し、京都と世界各地の多様なアートシーンを結びつけ、対話を重ねるためのプラットフォームです。ローカルな現場とグローバルな動向とを往復しながら、複層的な世界を実感し、新たな視点を開く場となることを目指しています。