開催情報
【期間】2026年3月24日(火) 〜 2026年3月29日(日)
【開館時間】12:00~19:00(最終日17:00まで)
【休館日等】月曜
【料金】無料
詳細:https://hillgate.jp/日下部-淑子-遺作展/
会場
会場名:ギャラリーヒルゲート 1F
webサイト:http://www.hillgate.jp
アクセス:〒604-8081 京都府京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町535
電話番号:075-231-3750
概要
日下部淑子さんを偲んで — 廣田 政生(独立美術協会会員)
日下部さんは、大学の大先輩です。そのようなご縁もあり親しく交友させていただきました。一番の思い出は、2014年に京都市美術館において独立会員の日下部、秋口、木村、廣田の画友4名で、大作を展覧する機会を得、ご一緒させたいただいたことです。日下部さんと私の展示は209号室の広い空間で、互いの作品群が向かい合い刺激共鳴し合う贅沢な時を持たせていただきました。また画廊などでお目にかかると、師である須田國太郎先生の思い出や、欧州へ取材旅行に行かれた時のお話しなどを聞かせていただいたことを懐かしく思い出され、特にイタリアで出会ったオリーブの巨木をモチーフに作品化したいと、目を輝かせて語っておられた姿が強く印象に残っています。
日下部さんは1954年に美大を卒業後、家庭に入られ、約30年のブランクを経て、1983年52歳の時に、第51回独立展に初出品・初入選をされました。その後は、独立展はもとより、女流画家協会展や個展、グループ展などを発表の場とし、それまでのブランクを感じさせない堰を切ったような勢いで旺盛な制作活動を展開されました。生前そのことを「上昇するロンド(輪舞)のような展開を続けているという実感」と語っておられました。画家デビューは遅くとも、長いブランクを経てもなおの初志貫徹はお見事、相当の強い意志がなければ叶わぬことです。自らの意志に正直に前に進むことができる強い女性だったと思います。日下部さんの作品には、全面を覆うほどの大きな花が、おおらかな力強いフォルムで宙を舞っています。フォルムも色彩も強いが決して華美に流されず、やさしくて上品、やわらかい質感はご本人そのままです。
独立出品者の中には、子育てを終えて、あるいは仕事の現役引退など個別の事情は異なるものの、晩年の人生の目標として独立展に挑戦している方が何人もおられる。日下部さんの生き様は、新たな挑戦を目指す人にとって大変な励みになるに違いない。
より多くの方に、作品を通じて、この画家のその人となりを知っていただきたいと思います。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
このたびの遺作展は、地元京都の独立美術協会の皆様、ならびにヒルゲート様の多大なるご支援により、開催の運びとなりました。心より御礼申し上げます。
母・日下部淑子は、2024年12月17日、九十三歳にて永眠いたしました。
母にとりまして絵画活動は、子育てを終えた後――すなわち私の就職以降の、生きる糧でありました。芸術大学卒業後、長い空白期間を経ながらも、凡そ五十歳から八十五歳までの約三十五年間、制作活動を続けてまいりました。大作に挑み、独立美術協会および女流画家協会の会員としての活動、ならびに個展や絵画教室での活動を行い、絵画に囲まれながら天寿を全うすることができましたのも、ひとえに皆様のご理解と温かいご支援の賜物と、心より御礼申し上げます。
母の生涯のテーマでありました「花と生命」を主軸に展示させていただきます。テーマについて母と詳しく語り合ったことはございませんが、生命は巡る、あるいは受け継がれていく、そうした生命の力強さを、花の美しさに託して表現しようとしていたのではないかと推察しております。
実家の和室をアトリエとし、父がマネージャーのような役割を担い、二人三脚で制作を続けてまいりましたが、2018年に介護施設へ入居して以降は制作活動から遠ざかっておりました。このたび、約八年ぶりに母の絵を皆様にお披露目する機会を得ることができました。母の「絵に対する情熱」を、再び感じ取っていただけましたなら幸いです。
日下部 隆