東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

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藝術 文化 共生社

About

撮影_片山達貴_0N2A0010

「藝術 文化 共生社」は、京都市内で活動するアーティストたちのサポートを包括的に担ってきた一般社団法人HAPSの新たな取り組みです。プロジェクトの企画・運営や記録・発表、トークやワークショップ、リサーチや資料の公開などを通じて活動しています。

肩書きを問わず文化・芸術に関わる創造的な取り組みを通して、多様な背景を持つ人が生きる社会における共生のあり方について、足元から様々な人とともに考え、日常的に実践を継続するよりどころとなることを目指しています。

本取り組みでは社会における中心と周縁の力学、表現の可能性/特権性に意識を向け、倫理的配慮を伴うアートプロジェクトのあり方の模索と共有を試みます。各々が希求する方向が異なる流動的な「社会」において、ともに生きる術を模索する実践や制作が生じ続け、多様な存在が尊重される社会へつながるよう試行し続けます。

主な活動内容

 – プロジェクト
社会状況や社会的課題、地域・コミュニティの歴史・文化をふまえた文化的・芸術的実践を様々な人と協働で行い、包括的/部分的な関係づくり・企画・マネジメント等を担っています。現在は、京都市内の三地域(東九条地域、崇仁地区、楽只地区)でプロジェクトに取り組んでいます。
思考や対話の記録、事業終了後数年にわたる関係者へのインタビュー等を可能な範囲で報告書や記録集に収録し、広く公開しています。

 – トーク
「藝術・文化や共生にかかわる生態系をひらくトークシリーズ」として、重なる領域の取組みや研究を重ねてきた人々をお招きし、トークプログラムを不定期に開催します。有機的かつゆるやかなつながりを築きながら芸術・文化と共生について、広く多様な角度から考える場を開きます。

 – リサーチ・ネットワーキング
重なる志をもつ各地の団体・個人とネットワークを築くとともに知見を蓄積し、実践を通して様々な形で共有していきます。

 – 資料の公開・アウトリーチ
ウェブサイト上で報告書を公開し、拠点の一つであるHAPS HOUSEの書棚では記録集や報告書のほか、参考資料を一部公開していきます。また、依頼に応じて授業やレクチャー、ワークショップなどを行い、文化・芸術を通した共生に関わる取り組みについて考える場をつくります。本プログラムでの知見が、より広く社会の中で循環するよう働きかけています。

*「藝術 文化 共生社」は2017年度から実施している「共生」に関わる以下の事業をふまえて、2026年度に開設しました。過去10年間に様々な存在とともに育んだモデル事業での知見を引き継ぎ、よりどころとして活用されることを目指し、日常的な取り組みを継続していきます。
2017年度 「文化芸術で人が輝く社会づくりモデル事業 多文化共生プロジェクト」 
2018年度 「文化芸術による共生社会実現のための基盤づくり事業 モデル事業」
2019年度~「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業 モデル事業」


2026年度の企画(決定次第随時追加予定)

「発酵する空き地 – みそのてまえ」
mimacul(ダンサー/文筆家の増田美佳氏が主宰するパフォーマンス・ユニット)
場所|市営住宅跡の空き地/「ふれあい共生館」とその周辺(京都市北区楽只地区)
主催|一般社団法人HAPS、mimacul
共催|楽只学区自治連合会
協力|北区南部エリア未来まちづくり協議会、京都市北いきいき市民活動センター、京都市人権資料展示施設 ツラッティ千本、京都市楽只児童館、NPO法人くらしネット21  ※ 随時更新予定

mimaculと協働で、かつて多くの人々の暮らしがあった市営住宅跡の空き地を中心に、プロジェクト「発酵する空き地 – みそのてまえ」を行います。味噌作りでの「発酵」は、微生物や有機物の動きに、人の手と時間が重なって生じます。空き地で大豆を育て、味噌を仕込み、発酵を待つ過程の時間の蓄積や、その間に生じるであろう創造的な動きを「発酵」に見立て、土地と人との新たな関わり方を探る試みです。1年後には完成した味噌汁を囲む予定です。
※ プロジェクトの様子は「mimacul 増田美佳の栽培日記。」としてinstagramで随時発信致します。(>>@misonotemae

美馬摩耶 展覧会
美馬摩耶(アーティスト)
テキスタイルを通じて、アイデンティティと帰属をテーマに個人的および地域的な記憶を探求している美馬摩耶氏(アーティスト)と協働で、展覧会(個展)を開催します。
会期|2027年2月頃開催予定


Pick Up Past Practices

2022年度〜2025年度
離れられない大切な場所で ともに
生きていくために」

協働:2024年度〜2025年度
崇仁絆子ども食堂」
崇仁絆子ども食堂実行委員会
崇仁地区


Recent practices

【藝術・文化や共生にかかわる生態系をひらくトークシリーズ】

「藝術 文化 共生社」は芸術・文化を通して、多様な存在が共に生きることのできる社会のあり方を広く探る機会を企画してきました。このトークシリーズは、重なる志を持った取組みや研究を重ねてきた方々をお招きしてお話を伺い、芸術・文化と共生に関わる視点を共有し、ゆるやかにつながっていこうとするものです。個別的な出会いを通して、この世界に多様な背景を持つ人が生きていることを知り、目を向け、一人ひとりが共生について考えるきっかけになればと思います。

第0回 1970年代イギリスのコミュニティ・アート運動:移民地区ロンドン・イーストエンドの実践を中心に
話し手|小林瑠音さん (芸術文化観光専門職大学講師(当時))
日時|2024年2月22日 (木) 19:00~21:00
会場|京都市 地域・多文化交流ネットワークセンター

『英国のコミュニティ・アートとアーツカウンシル : タンポポとバラの攻防』を出版され、主に文化政策の領域で研究を重ねてきた小林瑠音さんをお招きしました。ロンドン・イーストエンドにおいて1884年にC.S.バーネットとその妻ヘンリエッタが設立したセツルメント発祥の地「トインビー・ホール」と、同地域での芸術実践の拠点となり、現在に至るまで地域内外を問わず幅広い近現代美術を紹介してきた「ホワイトチャペル・ギャラリー」を中心としたコミュニテイ・アートについてお話しいただきました。特に本事業が取組みを重ねてきた地域における福祉の歴史や、行われきた様々な文化的・芸術的実践を意識しながら、共通点や差異を考える機会となりました。 

第1回 アフガニスタン在住女性がおかれている社会状況や文化・手仕事について一視点から
北垣由民子さん( RAWAと連帯する会
日時|2025年2月8日(土) 14:00~15:30 
会場|京都市 地域・多文化交流ネットワークセンター

現在、女性の自由の制限が特に深刻なアフガニスタンで、40年以上にわたり、民主主義や政教分離、ジェンダー平等、人権、平和などを求めて活動してきた女性団体「RAWA(アフガニスタン女性革命協会)」。講演会・映画上映会・学習会・文化交流などを通して彼らを日本から支援する「RAWAと連帯する会」京都支部の北垣由民子さんをお招きし、アフガニスタンで生きる女性たちの現状や、「RAWA」「RAWAと連帯する会」の活動内容、アフガニスタンの文化や表現・手仕事の現在について、連帯して支援を行う立場からお話しいただきました。
京都市 地域・多文化交流ネットワークサロンとの共催

第2回 インドネシアのコレクティヴと食に関わる実践
廣田緑さん(造形作家、人類学者、国際ファッション専門職大学准教授)
日時|2025年3月23日(日) 13:30~15:00
会場|喫茶アミー 

廣田緑さんはアーティストとしてインドネシアに渡り、約16年にわたりアートシーンの中に身を置きながら、アーティストやコレクティヴとの協働を重ね、帰国後の2022年に『協働と共生のネットワーク―インドネシア現代美術の民族誌』を出版されました。現在もインドネシアのアーティストと関わりをもち、研究や協働のプロジェクトを行っています。2022年にドイツ・カッセルで開催された国際美術展「Documenta15」では、インドネシアのアートコレクティヴ ruangrupa がアジア初の芸術監督を務めました。世界中のコレクティヴ・ネットワークを築きながらその思想や手法を共有してきた、彼らのコレクティヴ実践を世界に広く示す契機となりました。前半では、このような動向を踏まえ、インドネシアのアートシーンにおいてコレクティヴが形成されてきた背景について、近現代史や文化、美術史と関連づけながらお話しいただきました。

後半では、各地で様々なテーマをもって活動するコレクティヴの中で、「食」をテーマとして周辺住民と協働する実践について話を伺いました。家庭や地域で育まれる「食文化」は、日々の営みの中で当たり前のように形成されていくがゆえに、コミュニティの当事者ではその独自性になかなか気がつきづらい面もあります。しかしよく見つめていくと、家族や地域の歴史、社会との関係性が見えてきます。アーティストだけでなく、多様な領域の専門家なども含めた集団が「食」と出会うことで生まれた表現について、bakudapan food study groupなどの事例をあげて紹介いただきました。

第3回 「やさしい日本語」の「やさしさ」とは?コミュニケーションの術を模索する
宮島みどりさん (「やさしい日本語」を広める会)
日時|2025年7月12日(土) 13:30~15:30 
会場|京都市 地域・多文化交流ネットワークセンター

〈「やさしい日本語」を広める会〉は多文化共生社会の実現を理念として、主に日本で生活する、言語文化が異なる人々との相互理解のために京都市内で設立された団体です。「言葉のレベルや文章の長さに配慮し、わかりやすくした日本語」を日本社会に広めることを通して、広く社会全体のコミュニケーション技術の向上に寄与することを目的として活動しています。「やさしい日本語」は阪神・淡路大震災を機に、外国人被災者への情報伝達を目的として全国的に研究・公的な使用が広まりました。

前半では、代表の宮島さんより日本語という言語の独自性・文化性をふまえて、日本語を第一言語としない人にも伝わりやすい「やさしい日本語」のレクチャーをしていただきました。後半ではグループでアートプログラムのチラシを考えるワークショップを実施。最後は互いに発表しあいながら、思考を共有しました。芸術表現について書き言葉で伝える時、時に専門性や誠実さが先行して、チラシの情報が長く複雑になることがありますが、伝えたいことを大切にしながら、様々な市民の参加しやすさをどのように検討できるのか。広く多様な人が生きる社会でのコミュニケーションのあり方や共生について、多様な属性の参加者が集まって考える機会になりました。
※京都市 地域・多文化交流ネットワークサロンとの共催

第4回『抵抗のためのレシピ』のつくり方ーー パレスチナのガザ地区在住のعليا(アリア)さんから教えてもらった料理「كبة(クッベ)」をつくろう 
宍倉慈さん/松見拓也さん (『抵抗のためのレシピ』編著・出版/デザイン)
日時|2025年10月4日(土) 13:30~15:30 
会場|京都市 地域・多文化交流ネットワークセンター

『抵抗のためのレシピ』は、パレスチナのガザ地区在住のعلياء ناجي ميلاد(アリア・ミラド)さんと日本在住の宍倉慈さんが2024年にSNSで出会い、協働で制作されたパレスチナの一家庭料理の本です。本書は同年代の母親であり、同じように食に携わる仕事をしてきた2人の出会いをきっかけに、発案と執筆・編集・出版を宍倉さんが、レシピと料理写真の提供・執筆をアリアさんが、加わった松見拓也さんがデザインを担い、形になっていきました。宍倉さん・松見さんは、パレスチナの地を踏んだことがありません。切迫した状況の中で声を聞きとり、土地と分かち難く培われ受け継がれてきたコミュニティ – 家族 – 個人の歴史が織り込まれた一家庭料理ーー生活に根ざした文化を「本」という形式で残し広め、収益は労働の対価としてアリアさんにわたる流れを作りました。

この会では宍倉さん、松見さんとともに掲載されている料理「كبة(クッベ)」をつくり、ともに食卓を囲みながら料理や本の制作プロセスについて話を伺いました。表現を通じた文化の保存のあり方や労働の創出について考え、パレスチナに心を寄せる場をつくりました。
※京都市 地域・多文化交流ネットワークサロンとの共催

第5回  世界染織 −かつての手仕事からいま、学ぶこと
廣田繭子さん(「世界染織 月かげ」主宰/テキスタイルキュレーター)
日時|2025年12月6日(土) 13:30~15:30 
会場|HAPS HOUSE

布の起源は、古代に人が身の回りにある植物のつるや草、樹皮、動物の毛や皮などから作り始めたことに遡ります。現在、博物館などで見られるような古い手仕事も、日常的に使われ、飾られ、身に付けられ、あるいは埋葬品などとして機能してきました。世界各地の染織品*1からは、その土地の風土、気候、歴史、文化などの地域性や、それが作られ伝わってきた状況を感じとることができます。
人が周辺の自然環境とより密接に関わり合い、生活の中の手仕事が民族やコミュニティの知恵の結晶として作り使われ、今以上に生きていたこと。それを過去のものとして懐古するだけでなく、どのように現代につながる共生の思想を読みとくことができるのでしょうか。誰かに使用され、洗われ、すり減り、時に地中の中で過ごし、時に縫い継がれながら伝わってきた痕跡や未来の可能性を感じとりつつ、考える場になればと開催しました。

この会では、世界各地の染織品を扱う美術館(岩立フォークテキスタイルミュージアム)にて約20年にわたり勤務され、現在は「世界染織 月かげ」主宰でテキスタイルキュレーターの廣田繭子さんをお招きし、日本各地の自然布*2を中心に、世界の染織に関するお話を伺いました。資料や世界各地の染織品を多数お持ちいただき、展示した会場内で実際にそれらに触れながら、思考を巡らす機会となりました。

※1 染織品:染めや織りによりつくられた布製品
※2 自然布:樹の皮や草の繊維を採って糸にし、織られた布


【食の道具をつくる 子ども向けワークショップ】

HAPSは、文化芸術を通して共生のあり方を考える取組みの一環として、2024年度から、京都駅にほど近い崇仁地区を拠点とした「崇仁絆子ども食堂」と部分的に協働しています。地域の歴史や文化をふまえ、食や交流の場が豊かに生み出される中で、そうした精神性が循環していくような表現のあり方をともに考え実践してきました。その延長上で今年度はアーティストを先生に迎え、子ども食堂、児童館や高齢者施設などと連携しながら、身近な道具をつくり使うワークショップを開催しました。

第1回 たけ の おはし & はしおき を つくる
Haburiさん  
日時|2025年6月8日(土) 14:00~15:30
会場|喫茶アミー

第2回 たまねぎ🧅 の かわ で、ぬの を そめて おべんとうづつみ を つくる
美馬摩耶さん  
日時|2026年1月17日(土) 14:00~16:00
会場|崇仁児童館


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