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「つきうつし」展

開催情報

【作家】山田真美・山西杏奈
【期間】2023年10月17日(火)〜10月28日(土) 
【開館時間】12:00〜18:00
【休館日】月曜
https://art16.net/archives/6069

会場
会場名:galerie 16
webサイト:https://art16.net
アクセス:京都府東山区石泉院町394 白川橋上ル

概要

「つきうつし」展introduction 

月は夜間を照らす光明であるとともに、ときに妖しく変幻的な存在でもあり、その捉えがたさゆえか古くか ら人々の目を惹きつけてやまない。お月見に代表される日本の観月文化は、平安時代に中国よりもたらされ たものだが、風流を好んだ当時の貴族たちは月を直接まなざすだけではなく、池や盃の水鏡にうつしてその

姿を眺めたともいう。俗説だが「否(さかずき)」とは、酒を盛ったうつわに反転してうつる「逆月(さかづき)」 に由来するのだそうだ。こうした趣向の背景には、あえて媒介を設けることによって対象を深く観想しよう

とする精神性、あるいは彼方に浮かぶ魔不思議な存在を手中に収めんとするような大それた思惑もあっただろうか。

いずれにせよ本展ではこのような趣向を、捉えがたいものとの隔たりを補うための術として着目し、 この術を仮に「つきうつし」と言い表したい。これには「月映し」を意味するほか、「月」と「映し」それぞ

れに語根を同じくしつつ、古くより祭祀の空間や芸能・絵画・工芸の領域にわたって駆使されてきた「憑き」 と「写し」へと、意味の揺れを含ませている。本展においては、身近な事物が垣間見せる表情や振る舞いを 木死に落とし込む山西杏奈と、土地の民俗に取材しその軌跡を木版画に刷り上げる山田真実の表現を、この 多義的な「つき・うつし」の性質によって特徴づけ、作品をある種の港代/うつわとして、捉えがたい種々

の事柄を認識の手もとへとうつし出す。

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