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アレナ・ブラコワ『WOMAN’S ID』

開催情報

【作家】アレオナ・ブラコヴァ
【期間】2025年5月13日(火)~18日(日)
【時間】11:00-18:00
【休館日等】月曜
【料金】入場無料

https://www.g77gallery.com/ja/woman-s-id

会場

会場名:Gallery G-77
住所:〒 604-0086京都府京都市中京区中之町73-3
webサイト:https://www.g77gallery.com/ja

概要

ギャラリーG-77では、アレオナ・ブラコヴァによる力強い写真展『WOMAN’S ID』を開催いたします。本展は作家自身の個人的な経験から生まれたもので、親密かつ象徴的なイメージを通して、女性らしさ、脆さ、そしてアイデンティティを探ります。 わずか6日間の開催となります。ぜひお見逃しなく。


現代のポストヒューマニズムの概念に着想を得た「Woman’s ID」は、デジタル化が進む世界において、身体をアイデンティティの場として探求しています。本プロジェクトは、仮想環境によって加速する非身体化の傾向に対するカウンターポイントを提示し、つながりや自己を理解する上で身体という物理的存在がいかに根本的に重要であるかを再確認させます。また、身体を個人と集団の歴史を宿すアーカイブとして位置づけ、その形状、質感、脆さを通じて響き合う物語を描き出しています。ブラコワは、乳房を記憶と意味を宿す器として前面に押し出すことで、人間の身体に刻まれた層状のナラティブに観客を引き込もうとしています。

この探求において、「Woman’s ID」は乳首に象徴されます。この親密な部位に焦点を当てることで、作品群は女性のヌードとセクシュアリティにまつわる根強い社会的タブーに挑戦しています。母と子の絆や栄養の象徴、あるいは恐怖や病に直面しながらも乗り越えた個人的な強さの証として、多様な視点から提示されることによって、本プロジェクトは女性の身体性をめぐる文化的対話をさらに深化させています。そして、女性性の自然な側面に対するスティグマを取り除こうとする継続的な努力に貢献し、観る者に対してその豊かさと複雑さを受け入れるよう促します。

「WOMAN’S ID」電子書籍版

本展覧会には、近日刊行予定のアートフォトブック「Woman’s ID」が併設されます。正式な出版に先立ち、来場者の皆様には象徴的な価格でPDF版をダウンロードしていただける予定です。本書は単なるカタログにとどまらず、展覧会のテーマをさらに掘り下げ、親密かつ携帯可能な形でその世界観に触れる体験を提供します。


「Woman’s ID」は、深く個人的な経験、内省、そして回復力から生まれた写真シリーズです。私がこのプロジェクトに取り組むきっかけとなったのは、乳房の腫瘍を摘出する手術を受けた人生の転機でした。この経験により、私は乳房を単なる身体の一部としてではなく、女性性、生命、そして世代間のつながりを象徴する強力なシンボルとして捉えるようになりました。

回復の過程で、私は癒しと自己表現の手段としてアートに向かいました。職業としてはアートセラピーを専門とする心理療法士であり、自らの癒しのためにその実践を応用し始めました。当時、私は深い心理的トラウマと向き合い、変化した乳房を受け入れ、そして愛することを学ばなければなりませんでした。

私はまず、顔のない身体に乳房を描くスケッチから始めました。女性のアイデンティティの文脈において、その美しさと意義を探求するためです。やがて私は写真へと移行し、パートナーの優しい触れ合いや新生児への授乳といった、世代を超えたつながりの場として乳房に焦点を当てるようになりました。

「Woman’s ID」は、乳房を個人的なアイデンティファイアとして捉え、セクシュアリティと母性の両方を体現するものとして考察した結果を反映しています。このコレクションは、多様性、個性、そして女性の身体の美しさを祝福するものであり、各イメージがそれぞれの物語を語りかけます。また、乳首に体現される、栄養、愛情、そして生命の循環という深い絆について、観る者に思索を促します。

「Woman’s ID」を制作するにあたり、私は自らの物語を共有するだけでなく、生命を支える女性の身体と精神の尽きることのない力に敬意を表したいと考えました。この作品は、女性性についての対話に対する私の貢献であり、多くの女性たちの個人的な物語に共鳴しながら、すべての女性を唯一無二の芸術作品として大切にすることを呼びかけるものです。

このテーマの複雑さとタブー性を十分に認識したうえで、私はこの本で「Woman’s ID」プロジェクトを共有し、読者の皆さまに偏見なく、開かれた心で私の探究に向き合っていただけることを願っています。

​アレナ・ブラコワ

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