(制作:2015年)
この作品は暮らしてみたいと思える理想的な社会を思い描いて編集しました。
理想的な社会では多様な良い関係性が培われています。人と物も仲良く、ゴミは限りなく少ない。物も動物も人間も皆、生き生きと幸せに暮らす。時間もたっぷりあり読書ができ、歌を歌いながら仕事をし、丁寧な手仕事をする時間があり、動物たちは大地から直に餌をついばんでいる。人間は自分の意見を、気持ちを誰に恐れることなく自分の声で自分の言葉で発語する。
人/場/物/動物、を映像と音楽で繋ぎ合わせて関係させて現実ではまだ出会ってないもの同士をつないで未来の文化の土壌を作る。
実際には試写会会場を撮影現場にしたりと、画期的にインタラクティブな製作方法を導入するも結果的には批判的な意見が続々と映像に寄せられ、度重なる再編集の末、大幅に内容は変更されました。舞台は飛騨高山からグルジアへ、登場する動物も牛から羊へとまるで別の作品に仕上がりました。
この作品はこれからの「場の文化」のために作りました。文化と文化が出会い育みあい社会の閉塞状況を乗り越えていく為の場/会議/労働を、人/場/物/動物と協力しあって作っていきたいです。
吉野正哲(マイアミ)
吉野正哲
2000年から東京で表現活動を始める。人が集まり表現することで生まれる、一過性および即興的な「発語イベント」を企画。2002年より京都に拠点を移 し、主にオルタナティブスペースで、詩と音楽を用いた即興パフォーマンスを行う。2003年より、岐阜県高山市飛騨数河で夏期開催される「高山建築学校」 に講師として毎年参加。学生参加型の即興的パフォーマンスを行い、建築とアートの思考プロセスを学生と実験している。
2015.12.11