Exhibition Review

2018.12.05

クリスチャン・ヤンコフスキー「Floating World」

クリスチャン・ヤンコフスキー

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

2018年9月15日(土) - 2018年10月28日(日)

レビュアー:小林モンヌ (25) 会社員


 
ニュイブランシュのプログラムの一環である展覧会を回っていた私はクリスチャン・ヤンコフスキー氏の展示があるということでギャラリー@KCUAに立ち寄った。
入ってまず目に入ったのはなんと緊縛されて吊るされた男の大きな写真だ。そこから先が展示空間になっているようだ。次に目に飛び込んできたのは入ってすぐの床に落ちている女性物の下着だ。なるほど、緊縛されて吊るされた男と女性物の下着。(これは所謂SMに関係した展覧会なのだろうか?)
展示空間全体には水音と鳥のさえずりが鳴り響いている。これは同士がプラハのヴァルタヴァ川にて実際に採取した音源らしい。レコードジャケットまで制作してある。(とてもリアルのままの音で落ち着くのでギャラリーの方に販売されていないのか尋ねたくらいだ。)その様子も壁に写真として飾られている。
そんな思いで辺りを再び見渡すと奥の壁一面になにやら無数の男女のポップなデザインのポスターが貼ってある。どの男女もまるでパーティーのあとに泥酔をして更には飲んでいた仲間にいたずらをされたことを思わせる格好で熟睡している。ある男は身体中に落書きをされ、バナナを握って眠りこけている。その中央下にはモニターがあり、映し出された男は体に落書きされたことを嘆いている。なんともシュールである。
それから私は順路に従い二階にあがった。さっきとはうって変わって大きなスクリーンから映し出された淡い青色の幻想的な空間がそこにあった。そのスクリーンに映し出されているのは例の川なのだろうか、あたり一面に水が映っており、水中から様々な多種多様の国籍の人が出てきてはそれぞれ「アートとは」を一言で語ってまた潜って消えていく。
ギャラリーの帰り際、水中に潜り消えたある男が言った言葉が私の心に残った「アートとは多分こういうものです。水中でも地上でもこうして正しい姿勢をとらなければならない。そしてここぞというときに浮かび上がる。」

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