GLOBAL ART TALK 017「リサーチ、分析、 インタープリテーション ― 美術はヒストリーとどう向き合うか」
神谷幸江(ジャパン・ソサエティー、ニューヨーク、ギャラリー・ディレクター)
グローバル・アート・トーク017では、ニューヨークを拠点にキュレーターとしてご活躍されている神谷幸江さんをお迎えします。
「地域を隔てる距離だけでなく、過去と隔てられた時間を現代からどう捉えるか、これは私にとってキュレーティングにおける大きな課題です。アーカイブ資料へのアクセス、写真や映像などの過去の記録の再生がより容易に可能になった現在、リサーチを元にした歴史の探求、過去の事象の再考が美術の実践の中でも様々に試みられています。そこには絶えず記録からの翻訳、意訳、また誤解、想像という展開が伴います。過去から遅れてきた現代に生きる私たちの目に、時間を遡る探求から見えてくる隠された事実や物事のつながり、政治的・社会的影響など、過去をどう捉え、解釈し、現代に表現するのか。ニューヨークで催した展覧会、ビエンナーレという一時的な場においての近年の企画を事例にお話します。」(神谷幸江)
概要
日時:2019年7月22日(月) 19:00-20:30会場:京都造形芸術大学人間館NA102教室
https://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/
料金:無料(要申込み)
定員:100名
※日本語のみ
主催:京都造形芸術大学大学院、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
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講師プロフィール
神谷幸江ニューミュージアム・アソシエイト・キュレーター、広島市現代美術館・学芸担当課長を経て2015年より現職。日本、アジアの美術を中心とした展覧会企画を国内外で行う。第12回上海ビエンナーレ「ProRegress」(2018-2019)、「ふぞろいなハーモニー:アジアという想像物についての批評的考察」(ソウル、広島、台北、北京巡回2015-2018)、「Re:Quest:1970年以降の日本現代美術」(ソウル大学美術館2013)他、コ・キュレーターを務める。2011年「サイモン・スターリング:仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)」展により西洋美術振興財団・学術賞受賞。主なカタログ、書籍の執筆に「Hiroshi Sugimoto: Gate of Paradise」(Skira/Rizzoli,2017)、「California-Pacific Triennial」(2013)、「Creamier: Contemporary Art and Culture」(Phaidon,2010)がある。
申込み・お問合せ
申込み・問い合わせ先:グローバル・アート・トーク017お申し込み専用フォーム http://bit.ly/GAT0722お問合せ:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp
GLOBAL ART TALK By KUAD x HAPS
<現代アートで京都と世界をつなぐ>現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都造形芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
*GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)の「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
*京都造形芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。