席に着く前から始まっていた。
17:00開場の舞台上では、もうすでにショーが始まっていた。
回り続けるダンサーが5人。
DJの流す鋭いビートにノって流れるように、キミドリやオレンジ、ピンクに、ブルーの蛍光色の衣装を着た、派手な、、、本当に派手な5人が舞台の上をぐるぐるとバレエのシェネのような、安定的な回転を続けていた。
さぁ!と受け入れる準備もできぬままに私たちは彼らの世界に入り込んでしまった。この稀有な状況に圧倒されながらも、なにが始まるんだ!と、好奇心全開で、真ん中の席に急いで滑り込んだ。
舞台装置は、天井から舞台に向かって伸びるネオン管が7本と、テープで描かれた床の装飾、舞台袖のDJブースのみ。
シンプルだけれど、5人のダンサーと2人のDJによってそこは紛れもないナイトクラブのようだった。
もう、横揺れ必至。
バレエ、ヴォーグ、クランプ、ステップ、レゲエ、トゥワーク。
オールジャンル、一見カオスにもなりがちなジャンルの混ぜ合わせをコンテンポラリーとして成り立たせるのに説得力を与えているのは、彼らのダンサーとしての優れた技術だろう。
ダンスが上手い、下手という見方があるが、彼らは「優れて」いる。才能だ、と思った。
軸がしっかりあって身体にブレがない、それを支えるインナーマッスル、外殻の筋肉。
音楽と、感情の表現力の高さ、世界観に合ったキャラクターの徹底ぶり。
時折、ダンサー自身が楽しくて見せる素の笑顔が、余計に愛しい。
完璧な世界だ、と思った。
トップレスに、Tバック。
舞台の終盤にはゲシュタルト崩壊しそうなほどお尻を見続けたのだが、下品なエロスになることはなく、この驚喜の舞台では、とてもチャーミングな要素の一つだった。
彼らの熱量と野性的な本能のままのダンスが、観ていた私までも包み込んで、感動から離さなかった。
あぁ彼らと一緒に回り続けていられたら、どんなに楽しいだろう!
また、再会したい、素晴らしい舞台でした。