• 2014年04月24日

開催情報

【作家】
荒井良二、大谷有紀、古武家賢太郎、谷口正造、トラフ建築設計事務所、村瀬恭子
【期間】2014年4月27日(日)~5月6日(火)
【料金】500円(小学生以下無料)
http://www.foiltokyo.com/event/zenkyoan2014.html

会場

会場名:大本山建仁寺塔頭 禅居庵
webサイト:http://www.zenkyoan.jp/
アクセス:〒605-0811 京都市東山区大和大路通四条下る4丁目 小松町146
電話番号:075-561-5556
開館時間:10:00~18:00
休館日等:-

概要

フォイルと関わりのあるアーティストが、絵画・インスタレーションなど、
新作を含めた作品を、京都最古の禅寺・建仁寺にある禅居庵で展示します。
関連イベントも連日開催いたします。
禅とは何か、アートとは何か。
それは、いつどんな時にも変わる事のない本質を追求すること。
結果やその行為の意味を求めるのではなくただひたすらに。
そして本質とはカタチのないもので、追求し続ける事をやめた途端にどこかへ消えてなくなってしまう。
 「コン!コン!コン!……」突然辺りの静寂を破り、雲水の叩く打版の音が鳴り響く。臨済宗の修行道場では毎日、道場に掛けられた分厚い木版を打ち鳴らして時を知らせます。そこにはこう書かれています。
「生死事大(しょうじじだい) 光陰可惜(こういんおしむべし) 無常迅速(むじょうじんそく) 時不待人(ときひとをまたず)」
どう生きどう死ぬかは誰もが避けて通れない一大事、時間はあっという間に過ぎていく、この世は無情で常に存在するものは何一つ無い。過ぎ去った時間は取り戻せない。余計な事にとらわれず日々生死の問題に精進すべし。
私たちは生きる上で様々な問題に悩みます、そのなかでいつの時代も変わらない本質的な問題が生死です。修行僧はこの音を聞き、常に「生死事大」を心に置くのです。
本年は建仁寺の開山栄西禅師(かいさんようさいぜんじ)八百年大遠諱(だいおんき)の年です。現在、東京国立博物館では特別展「栄西と建仁寺」が開催され大きな注目を集めています。展示では禅師ゆかりの品や建仁寺が所蔵する美術品を数多く見ることができます。平安時代から江戸時代、寺の歴史と共に進んでいきますと、それはまるで禅とアートの歴史を見るようです。栄西禅師によってもたらされた禅は現在日本人の心や生活に浸透し様々な影響を及ぼしています。当時の優れた作家が心血を注いで描いた作品は今も観る者の目を釘付けにします。それは禅もアートもいつどんな時にも変わる事のない本質を追求する行為だからなのではないでしょうか。
 禅居庵ではフォイルとの共催でゴールデンウィークの数日間、禅とアートをテーマに催しを開いています。寺で現代アートの展覧会をするというと何か新しい事と思われる方が多いようですが、長い寺の歴史から見るとむしろずっと昔から続いてきた事なのです。禅とアートの歴史は何百年の時を越えて、今も「コン!コン!コン!……」毎日聞こえてくる打版の音のように鳴り響いています。
 本展では、フォイルに関わってきた作家6組が絵画・インスタレーションなど新作を含めた作品を展示します。寺という開かれた場所で作品に対峙することで、自身の心の声にしずかに耳を澄ます場を提供できれば幸いです。初夏の禅居庵に、皆様ぜひ足をお運び下さい。
(禅居庵副住職・上松正宗)