開催情報
【作家】佐々木 麦
【期間】2015年1月13日(火)~1月25日(日)
【料金】無料
http://gallery-tomo.com/?p=3276
会場
会場名:ギャラリー知webサイト:http://gallery-tomo.com/
アクセス:〒604-0995 京都市中京区寺町通丸太町東南角下御霊前町633
青山ビル1F
電話番号:075-585-4160
開館時間:12:00~19:00(最終日は18:00まで)
休館日等:月曜日休み
概要
佐々木麦の個展を弊画廊で開催する幸運に恵まれたのは本展で3年半ぶりの2度目となる。佐々木は守山を拠点に滋賀の風景を描いている。佐々木は従来、コロー、ミレー、テオドール・ルソーに代表されるバルビゾン派の流れを汲む作家として知られてきたが、彼は自分独自の作品を求め、その人生を旅する。
滋賀の気候は、最大の湖である琵琶湖があるせいか冬でも幾分穏やかな寒さで、空は広い。湖南部はかつての東海道が通る交通の要衝であり、都市部の開発も進んでいるが自然の雄大さは全国的に比類ない。南仏の太陽と塩味によって乾いた壁と太陽の極端な美しさとは確かに違う風景だが、湖、暖かい風、沈黙は独特のセンチメンタリズムを伴う創造的なモチーフだ。
佐々木はいつもの風景を描く。対象の光、色、温度、息吹を肌で感じながら絵で表現してきた。それが彼の生き方である。時とともに移ろうすべてを大事にしたい。自然という対象に向き合うことで、自分の存在を確かめる姿が感じられるのだ。油画とは西洋だけのものではない。かといって過去の記念碑のみが意味や価値をもつわけではなく、現代作家の描く懐古的なように見える自然主義的絵画はロマンチックな伝統と過去との新しい関係を見つけることができるように思う。湿った愛情に満ちた目だけで、盲目的にこの絵がすばらしい!と言っているわけではない。
西洋と東洋、2つの異なる地域の狭間でいつもの風景を描く。この行為は油画のマンネリに起因するものではなく、同時に新旧のものだ。そういった意味で自然主義は古い問題ではなく佐々木麦の作品に不可欠な要素となっているといえる。
この度の作品は18点、エスキース、習作をも混合した展示内容を、彼の感じた時の流れと共に楽しんで頂ければ幸甚である。