• 2015年03月19日

開催情報

【作家】
西山裕希子
【期間】2015年3月28日(土) ─ 4月12日(日)
【料金】無料 

会場

会場名:Gallery PARC
webサイト:http://www.galleryparc.com/
アクセス:〒604-8082 京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル
[ル・グランマーブル カフェ クラッセ]2階
電話番号:075-231-0706
開館時間:11:00~19:00(金曜日のみ20:00まで、最終日は18:00まで)

概要

 ギャラリー・パルクでは、3月28日[土]から4月12日[日]まで、西山裕希子による個展 “ You ” を開催いたします。
 2003年に京都市立芸術大学大学院(染織)修了、現在は同大学大学院博士課程(油画)に在籍する西山裕希子(にしやま・ゆきこ)は、染織をルーツに、蝋纈染などのテクニックを用いた作品制作をはじめ、近年は銀塩写真や鏡、ガラスなどをあわせて用い、インスタレーション的な空間展開を試みています。
 『人の関係のなかの、精神的な距離の曖昧さや、揺らぎや緊張、他者へイメージを重ね投影するといった「うつす」ことに関心をもっています。』とする西山は、人の姿をおもなモチーフに、蝋と蝋の境界に出来る隙間を線として画面に残す蝋纈染めの技法を用いて描いています。この蝋纈染めによる蝋と蝋の境界にある不確定で見えない隙間(距離)を、線として顕在化させるこのプロセスは、人と人との間にある曖昧な境界を巡る行為として作品化されているといえます。
 また、このプロセスにおいて西山は「うつす」へも興味を寄せています。プリントされた既存のモチーフを西山の手によりうつしとるトレースドローイングによる作品は、うつす行為の中に回避し難い僅かな像のズレ(対象との距離)を孕むものであり、西山はこうした「うつす」行為が「人の関係の間にある距離の曖昧さ」へと繋がるものであると捉えています。同時にゼラチンシルバープリントやトレースドローイング、鏡や写真、物質への映り込みや光の反射などを要素に、ひとつの像が別の媒体に「うつる」ことへの着目は、作品の在り方をフレームにより切り取られたひとつの物質に限定するのではなく、空間におけるそれら相互の関わり(距離)へと展開させています。
 2012-14年にかけて、3度のドイツ・ベルリン滞在を経た後の発表となる本展では、西山がこれまで一貫して取り組み・深めてきた「人の関係の間にある距離の曖昧さ」への視点をなぞるとともに、現在の主眼のひとつである「うつす」ことへの関心をも垣間見ることができるのではないでしょうか。また、本展会場において鑑賞者は、そこに作品をはじめとする様々な要素を見出し、それぞれの関わりや狭間にある距離を計りながら、いつしか空間そのものをなぞるかのような鑑賞を体験頂けるのではないでしょうか。
 本展会期中には、2回に分けてトークイベントを開催します。
 4月4日(土) には京都芸術センタープログラム・ディレクターである山本麻友美氏をお招きし、染織によるテクニック中心としたこれまでの西山作品を中心にトークします。
 4月11日(土)には、2012年に京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催された「かげうつし―写映・遷移・伝染―」、現在開催中の「第二回かげうつし展覧会『Here-After』」などの企画を手がける京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員・林田新氏をお招きし、現在の西山の主題のひとつである「うつす」をテーマにトークいたします。
主催:ギャラリー・パルク
助成:公益財団法人ポーラ美術振興財団、公益財団法人吉野石膏美術振興財団、公益財団法人野村財団

イベント・その他

トークイベント:session_1
西山裕希子×山本麻友美(京都芸術センタープログラム・ディレクター)
4月4日(土) 16:00〜(75分予定)予約不要・入場無料
 京都芸術センター・山本麻友美氏をお招きし、染織をルーツに、「蝋結染」による絵画制作から、現在の鏡・写真などを用いたインスタレーションまで、これまでの西山作品の展開を中心にトークいたします。
トークイベント:session_2
西山裕希子×林田新(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)
4月11日(土) 14:30〜(75分予定)予約不要・入場無料
 2012年に開催された「かげうつし―写映・遷移・伝染―」、現在開催中の「第二回かげうつし展覧会『Here-After』」などの企画を手がける林田新氏をお招きし、現在の西山の主題のひとつである「うつす」をテーマにトークいたします。