• 2013年07月05日

開催情報

【期間】2013年7月5日(金) – 2013年7月17日(水)
【料金】無料
http://blow-works.com/gallery/press/130705_0717.html

会場

会場名:gallery near
webサイト:http://blow-works.com/near
アクセス:〒606-8227 京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍 B1F cafe dining near 店内
電話番号:075-708-8822
開館時間:12:00〜22:00(最終日17:00まで)
休館日等:木曜日休み、7月11日(木)は休廊

概要

2013年7月5日(金)から7月17日(水)までの12日間、gallery nearにて、寺脇 扶美 展「come and go」を開催いたします。
寺脇は、金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科絵画専攻日本画コース在籍時から日本各地で開催されるグループ展や公募展に積極的に出展し、注目を集めてまいりました。近年では、Daegu Art Fair2012 EXCO(韓国・大邱)や、Hong Kong Contemporary ‘13(The Excelsior・香港)といった、現代アートシーンでも注目を集め活性化する、アジア圏内のアートフェアに多数出展するなど、日本だけでなく、世界に向けても活動の幅を広げており、今後が大いに期待される作家の一人であります。
寺脇は主に日本画の素材・技法を用いて、一見、ファブリックパネルを彷彿とさせる非常にデザイン的な画面を表出します。果物をモチーフとしたキャッチーな画面には、ドットやストライプといったポップな装飾が描かれつつも、そこに佇む有限であるモチーフの哀愁が内包され、緊張と緩和が絶妙に配された世界観を生み出しております。寺脇は作家活動を本格化させる以前に貴金属メーカーでジュエリーデザイナーとしての勤務経験もあることから、1つの画面における構図や配色に洗練されたデザイン的な印象を醸し、そこに日本画材独特の質感とポップなイメージを持つモチーフを掛け合わせることで、現代的でありながらも伝統的な美意識を感じさせる画面を表出します。
寺脇の表現による主題《作品を通して既存の世界に対する再考と新しい世界の創造を目指す》にある「既存の世界に対する再考」とは、今の世の中の価値観や倫理観、常識とされているもの、規則、法律など、現代社会における既存のルールや概念を考察することなく、無条件に絶対のものとして受け入れ生活する事に対し、疑問を投げかけます。寺脇自身もモチーフと対峙し、モチーフが存在している空間に内包される全ての事象を描き出すことで、《日常に存在するあらゆるものに境界は存在せず、目に見えているものだけでなく、可視化・言語化・数値化などができない、更に言えば認識すらできないものまでも含めて、それぞれが価値を持ち、常に流動的に存在している》という思想を導き出しており、我々に「既存の世界」を再考するきっかけとして、作品を提示します。それらの作品と対峙することで、画面に内包される要素を自由に解釈し、鑑賞者自身が主体的な動きをしていることに気付くこと、そういった力があったと認識できること、そしてその能力を鑑賞者それぞれの生活に生かしていくことを望んでおり、すなわち、個人個人が主体性を持つことで、それぞれの「新しい世界」が開かれ、「既存の世界」から脱却した「新しい世界を創造する」ことになるということを示唆しております。
本展は、2013年に制作された新作を中心に、過去作品も交えた大小様々な作品で構成されます。目まぐるしく変化する現代社会において、日々生活することに追われがちな我々は、そこにあるものが当然のように存在し、考察することもままならないまま、時間だけが過ぎ去っているような感覚を覚えます。寺脇は描くという行為をもって、過ぎ行く時間、事象を、鮮度を保ちながら繋ぎ止めようとし、それら繋ぎ止められた世界を鑑賞する我々は、画面の表層上にあるものだけでなく、描かれていないもの、描けないものを意識することにより、寺脇が目指す「新しい世界の創造」を垣間見ることができるのではないでしょうか。今、作品と対峙しているこの瞬間にも、作品とこの空間を取り巻くすべての瑞々しい存在によって、新しい世界への扉が今にも開かれようとしているのであります。
本展をぜひ、貴媒体にてご紹介いただき、広くPRくださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。