• 2015年01月31日

開催情報

 
【期間】2015年1月20日(火)~3月15日(日)
【料金】一 般:500(400)円、大学生:400(320)円、高校生以下:無料 
※( )内は20名以上の団体料金
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_shibun.html#eiseibunko

会場

会場名:京都文化博物館
webサイト:http://www.bunpaku.or.jp/
アクセス:〒604-8183 京都市中京区三条高倉 京都府京都文化博物館
電話番号:075-222-0888
開館時間:10:00~18:00/火〜木、土日(入館は17:30まで)
10:00~19:30/金(入館は19:00まで)
休館日等:月曜日休み(祝日の場合火曜日休み)

概要

江戸時代の大大名、熊本藩細川家のコレクションを母体として設立された永青文庫には、古今の優れた美術作品が数多く収蔵されています。そのうち質量ともに極めて高い水準を誇るのが、歴代当主が入手した禅僧たちの書画類です。
 古くから、細川家は京都の禅寺や禅僧と非常に深い関わりにありました。一門は室町幕府の重要な一角を占め、貿易や経済、宗教、文化政策を通じて、当時大いに高まっていた禅宗の威光に触れます。禅の修行と実践を通じて形成された禅僧たちのたくましい人格と思想は、混乱と変革の時代相において、多くの人々を惹きつけるものでした。
また当時の禅林は大陸とも直に結びついた最新の文化・事情通であり、彼らの洗練された知的素養は、権力者たちに大きな賞賛をもって受け入れられたのです。
 一方で日本において禅は、水墨画や茶の湯といった文化とも深く結びついていきます。近世細川家の隆盛を築き上げた細川藤孝(幽斎)と忠興(三斎)は千利休の高弟として、茶の湯を通じて大徳寺や妙心寺の高僧と盛んに交流を持ち、貴重な禅僧の書画・墨蹟を入手します。古今の名僧・傑僧が自ら手をとった墨蹟は単なる文字や文章でなく、僧自身の生き様と精神の力を表すものと捉えられました。
 永青文庫の禅書画のうち最大の質量を誇るのは特に江戸時代の作品であり、傑僧、白隠慧鶴(1686~1769)の一大コレクションを有することで知られています。白隠は近世の臨済禅を代表する僧であり、禅の本質を絵と言葉で表し、人々を教導しました。白隠はユーモラス、かつ禅の宗教哲学と深く結びついた極めて個性的な表現を確立し、日本美術史においても非常に高い評価を受けています。
 禅書画の魅力は、その作品が単なる目の喜びに留まらず、僧自身の強い人格と精神を体現する点にあると言えるでしょう。本展示をご覧頂き、ささやかながらその一端に触れて頂ければ幸いです。