開催情報
【作家】上野友幸
【期間】2015年2月21日(土)~3月8日(日)
【料金】無料
http://www.voicegallery.org/exhibition_event.php
会場
会場名:MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/wwebサイト:http://www.voicegallery.org/
アクセス:〒600-8061 京都市下京区富小路通高辻上る筋屋町147-1
電話番号:075-585-8458
開館時間:11:00~19:00 (最終日のみ17時まで)
休館日等:日曜日、月曜日休み(ただし、祝日の場合開館)
概要
上野友幸は、2006年成安造形大学を卒業後、東京藝術大学大学院(先端芸術表現)に進み、2008年修士課程を修了しました。2008年からドイツに滞在。シュトゥットガルト国立造形芸術大学彫刻クラス研究生、ベルリン芸術大学アートアンドメディアクラスにてマイスター課程修了、DAAD奨学生、ポーラ美術振興財団在外研修員などを体験しています。
上野友幸は、時間軸や性格の異なるメディアからメディアへの変換を用い、世界の深度や意味合いを求めて制作をしています。20代でのドイツ生活は、作家としての成熟を促していると感じます。
上野友幸の仕事をつうじて、現代において移動する身体そのものがメディアであるということ、創造が思想と視覚の交差であるという提示を試みるべく、このたび初個展を開催する次第です。
「この展覧会は国境をテーマに構成されます。
普段日本では国境を意識することはありませんが、ドイツで生活をしていると、飛行機で1時間、電車でも2時間で別の国へ行けるため、
よく意識することがあります。それは国境というのは概念的なものであり、特にEU圏内では物理的な境界が存在している訳ではなく、
飛行機や電車での移動中にふと越えてしまうものだからです。電車で2時間移動しただけで、その街の言語が変わっていたという経験は
なかなか不思議な感覚です。そのため、移動中はここはまだドイツなのかもうポーランドなのか、といったことをいつも考えます。
国境は概念的であるが故にとても違和感があります。その国境のこちら側で生まれたのかあちら側で生まれたのかという些細なことで、
人の人生は大きく変わってしまいます。自然環境から捉えた場合、その境界は全く下らないものなのですが。
しかし、この展覧会は国境に対して、単にそれが無くなれば良いとか、曖昧にするとかいった姿勢はとりません。
今回の展示作品ではドイツの軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831)による著書『戦争論』、
イギリスのリデル・ハート(1895 – 1970)が書いた『戦略論』がコラージュ作品の素材として、世界地図と共に用いられています。
作品ではその戦争に関する文章と地図に記載された地名がコラージュによる切断と接合によって新たな単語、意味を記されています。
それらの単語はしかし、暴力的な意味だけでなく、慈悲深い意味も含まれています。
展覧会名 “Unity and Force” は協調的であると同時に暴力的でもある国境という奇妙な概念を記しています。
この展覧会は国境を通して、人類の歴史や性(さが)といったことへの理解を試みるのです。」(上野友幸 / 2014年11月ベルリンより)