• 2020年01月29日

開催情報

【期間】2019年12月22日(日) 〜 2020年3月31日(火) (予定)
【開館時間】10:00~18:00(入館は17:30まで)
【休館日等】毎週水曜日 12月25日~1月4日、1月14日~1月18日、2月6日
【料金】無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
https://www.kyotomm.jp/event/exh_mitaheibonji/

会場

会場名:京都国際マンガミュージアム 2階 館長室前
webサイト:http://www.kyotomm.jp/
アクセス:〒604-0846 京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校)
電話番号:075-254-7414

概要

京都国際マンガミュージアムでは、「世の中に忘れられたマンガの先祖たちを掘りおこし、現代マンガのルーツをさぐる」ということを目的に、荒俣宏館長が企画し、プロデュースする「大マンガラクタ館」という小展示シリーズを展開しています。
第6回目の今回は、大正時代に自宅にローラースケート場を作ったり、ヘンなモノコレクターたちの団体「我楽他宗」をオーガナイズしたりした稀代の「趣味人」として、知る人ぞ知る存在だった三田平凡寺(みた・へいぼんじ、1876=明治9年~1960=昭和30年)を取り上げます。平凡寺の孫でもあるマンガコラムニスト・マンガ研究者の夏目房之介氏らご遺族からお預かりした膨大な資料から、今回はほんの一部をお披露目します。
〈荒俣大マンガラクタ館館長のコメントより〉
 明治から昭和のはじめまで、「趣味」と言えば、その家元は三田平凡寺(みた・へいぼんじ)だ、と言われるほどの達人がいました。当時は、現在と少し違って、人があまり関心を持たないものやゴミと思われているものに面白味を見つけだすことが流行(はや)っていました。何を選ぶかでその人の個性やセンスがわかるような見方こそが、趣味人の証(あかし)だと言って、お弁当の包み紙、マッチのラベル、名刺やラブレター、道に落ちていた石までもが、趣味と収集のテーマになったのです。
 平凡寺という人は、そうした「趣味」の仕掛人、“御本家”でした。この人自身は髑髏(どくろ)の収集で有名でしたが、それにとどまらず、「うん〇」にまで興味を持ち、大形のものを型に取って金(きん)で模型をつくったりもしました。戯画(ぎが)(いまのマンガ)も描けば川柳も詠み、海外から入ったばかりのローラースケートに飛びつき、二階をリンクに改造してガーガーすべったと言います。そうかと思えば、絵や文章を一流の師匠に学び、大の読書好きで洋書も独学で読破したらしく、国の内外から教えを受けにやってくる学者もたくさんいました。
 平凡寺は大正時代に、「我楽他宗(がらくたしゅう)」という趣味人クラブをつくり、ガラクタ集めの輪を広げました。昭和・平成の「オタク」と同じ、社会現象にもなりました。もしかしたら令和の文化はいまだ「へいぼんじ」の輪の一部なのかもしれないのですが、平凡寺自身の興味の範囲は広すぎて、実は全貌がわかっていません。
 そこでマンガミュージアムは、平凡寺の世界を探検することにしました。なにしろ、宝が出るか、ヘビが出るか、あるいはちょっとエッチなものが出るか……まったくわかりません。でも、「大マンガラクタ館」にはたいへんふさわしい出し物だと思いませんか?最初は、わかりやすいオバケの絵やおしゃれな絵葉書を中心にご覧に入れます。どうぞ、この「奇人」の“再発見”にお立会いください。
大マンガクラタ館 館長 荒俣宏