• 2015年09月11日

開催情報

【作家】Eugene Kangawa ・ Pierre Jean Giloux
【日時】2015年9月9日 (水) – 2015年10月18日 (日)
【料金】無料
http://www.kac.or.jp/events/16727/

会場

 
会場名:京都芸術センター 講堂
webサイト:http://www.kac.or.jp/
アクセス:〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2
電話番号:075-213-1000
開館時間:10:00〜20:00
休館日等:
  

概要

 
EUGENE KANGAWA × PIERRE JEAN GILOUX
反転しながら接続されるパラレルワールド
これまでコンタクト・ゴンゾとステラーク,堀尾貞治と冬木遼太郎など,若手作家とベテラン作家が出会うことで,現代美術が抱えている問題や,アートが社会に対してできることを模索してきたNEW INCUBATION.本展は,出展するアーティストにとっても,鑑賞者にとっても,刺激に富んだ挑戦の場となることを目指しています.第7回を迎える今回は、『パラレルワールド または私は如何にして世界を愛するようになったか』と題し、近年目覚ましい活躍を見せる作家EUGENE KANGAWAと、日本での活動を広げつつある映像作家PIERRE JEAN GILOUXを招きます。
KANGAWAとGILOUXは,個人の内面ではなく外的事象を制作の出発点とし,異なる領域との協業や,アートと社会のあいだの境界を越えた活動に積極的に関与してきました.しかし,対象へのコミットメントの態度,アーティストとしての主体性のあり方は対照的です.冷静なまなざしで世界を捉え,脚本あるいは設定のみをつくりだすような「最小限の介入」によって,純度の高い作品を結実させるKANGAWA.自らのつくりだすCGの虚構に幻惑されているかのようにイメージに対して「最大限の介入」を行い,想像力とユーモアにあふれたヴィジョンをつくりだすGILOUX.今回はそれぞれの視点から現代の風景を描き出した映像作品を展示します.
両者の映像作品からは,それぞれがどのように世界を見て,どのように理解し,どのように再構成したのかが浮かび上がってきます.自然風景が現実以上の強度で切り取られ,秩序正しく作り込まれたKANGAWAの映像は,むしろフィクションに接近していっているように見えます.その一方で,GILOUXがデジタル画像処理によって再構築した虚構の都市は,生物のように有機的に変容していく現実の都市の姿を神秘的に表現しています.それぞれの手法で制作された作品は互いに鋭いコントラストを成しながらも,創作と実写が反転しながら接続される関係にあるように思えます.また,いずれの映像もどこか予兆的で,現代の世界に対するカウンターイメージとしても機能しています.
KANGAWAとGILOUXの作品に垣間見える二人の世界観のパラレルな関係,本展の関連企画としてパラレルに開催される期間限定の”特別な”インスタレーション,そして,両作家の目を通して見る世界と私たちが体験する世界の並行関係.本展では,異なるレベルの「パラレルワールド」が重層的に繰り広げられます.
KANGAWAは,Terry Rileyとの協働を行うほか,アートの領域を拡張するその試みが海外からも注目を集めています.また,ヴィラ九条山で滞在制作中のGILOUXは,そのユニークな作風から世界各国で高い評価を得ています.二人のハイクオリティーな映像作品をこの機会にどうぞご覧ください.