開催情報
【作家】山本 紗佑里【期間】2023年6月13日(火)- 6月18日(日)
【開館時間】12:00 ― 18:00
【休館日等】月曜
【料金】free
※入場は閉館の30分前まで。
http://kunstarzt.com/Artist/YAMAMOTOs/Sayuri.htm
会場
会場名:KUNST ARZTwebサイト:http://kunstarzt.com/index.htm
アクセス:京都市東山区三条神宮道北東角2F
電話番号:090-9697-3786
概要
KUNST ARZT では、初となる山本紗佑里の個展を開催します。山本紗佑里は、自身の生活の中から出たゴミを素材として、詩情豊かで静謐な作品を生み出すアーティストです。
素材は、抜け落ちた髪の毛、使用済みのコンタクトレンズなど、アーティスト自身の身体と関係のあったモノから、メモ書きされた紙やファウンドオブジェまで多岐に渡ります。
アーティストのささやかな介入によって、これらのゴミに内在している“瞬間のきらめきと似たもの”と出会えるかもしれません。
(KUNST ARZT 岡本光博)
*今年の京都府新鋭選抜展にて
朝日新聞社賞を受賞しました。
アーティストステートメント、展覧会コンセプト
ちょうどこれを書いている3月の末、
街中を歩いていると桜がもりもりと咲き競っていて、
いつもよくすれ違っていた木々に、
いやあなた桜やったんですかと面食らうことがままある。
種類によっては既に花びらを散らしはじめているのもあって、
銘々に伸びる枝先の範囲を示すように円環状に
白の花びらが地面に張り付いていて あっ となる。
あの爛漫といった面影はないものの、確かにあった形が
地面に写しとられたようなその領域は、花を落としてもなお
自分の咲いた領分に気配を宿らせているようで、
勝手ながら崇高なシーンと思っている。
そんなふうに期間限定で見せてくれるきらめきでいえば、
地面に落ちた白木蓮の肉厚な花びらなんかもそうだ。
踏まれたり圧がかかったところだけが茶色に変色しており、
突如似合わない人工的な斑点模様を呈していて
少しギョッとさせられるものの、そこから靴底の模様や
それを履いていた人の足どりが想像される。
毛髪をはじめ生活の端々のごみを使って作品を作ることは、
そういう瞬間のきらめきに似たものをより近くで見たいがために
している事なのかもと思っている。水分を失って変色し、
風に伴って砂利と一緒に路傍に吸い込まれてゆく桜の花弁と、
自分の皮膚から抜け落ちて床に落ちている毛髪。
自分の生活ひいては命の痕跡をなぞり確かめる感触は、
桜と違って私にとっては卑近で厭わしくもより実感が湧くもので、
さらにそれがちょっと別の顔を見せた時に、
可能世界が延長したような気がするのだ。