開催情報
【期間】2023年5月27日(土)- 6月18日(日)【開館時間】10:00〜19:00
【料金】無料
https://horikawa-shinbunkabldg.jp/rental-space/
会場
会場名:NEUTRALwebサイト:https://horikawa-shinbunkabldg.jp
アクセス:〒602-8242 京都府京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルヂング
Tel:075-231-0706
概要
Gallery NEUTRAL[ギャラリー ニュートラル]では、2023年5月27日から6月18日まで、赤松加奈による個展「土の声を聞き、風とあそぶ」を開催いたします。Statement
昨年はありがたい機会に恵まれ、春、夏には神奈川県湘南に取材に行き、海を描いた。
飲み込まれたらひとたまりもないなと思うと足がすくむような怖さと、サーファーや自然物から人工物のかけらまで受け入れそこにあり続けるその大きすぎる存在に、胸がドキドキとした。
冬、田んぼの土を掘り出し、その粘土で土器を作り始めた。田んぼから50センチほど掘り進めるとペッタリとした粘土の層が現れた。その土を練り、海岸の砂を洗って混ぜたり、川砂を混ぜたりして、土器を作った。残したい景色を文様にした。私の絵が全て腐ったり、燃えてしまっても、この土器だけ残っていたりして。とワクワクしながら。
流れに乗るがままに、その場でピンときて燃え上がった熱のまま作り、描き、はたと気づいた。
今までの制作では四季で移ろう田んぼの景色や周りの人々の様子、その一瞬一瞬に感動しその情景を描き留めるような思いで制作をしてきた。全ての情景は刹那的なものなのだと思い、描いてきたこの田んぼの情景の少し下には、何十年も何百年もかけたゆっくりとした変化の中でそこにあり続ける景色があったのか。
不思議なことに、私の意識できていないままに、このところ根源的なモチーフや素材に触れてきたみたいだ。
そしてこの秋に私は母になることになった。
母体となった体はコントロールが効かないが、初期に感じたどうしようもない悲しみや、変化に対する不安や戸惑いも徐々に落ち着き、受け入れるしかない、と腹が据わりつつある。
幸いにもつわりは軽く割と穏やかに過ごすことができている一方、「私は今赤ちゃんを育んでいる!」という強い実感はまだあまりなく、いつの間にか子を育むモードに少しずつ体や意思も乗っ取られている感じだ。
検診で見るエコー写真では、卵のような状態から魚のような姿になり、尻尾が消えモグラのような姿になり、人の姿になる、生物の進化のような過程を不思議な気持ちで見ている。
そして自分の体から栄養を与え、あと数ヶ月で子を産み、育てていく。
いつのまにか田んぼの土みたいな役割になっている。
産前最後の個展になってしまった。
テーマが大きすぎてとりとめない展示になってしまうかもれない。
だけど、いい。今を残す。
これから未知の世界に突入しようとしている。
赤松 加奈
こちらの展示は「EXTRA-NEUTRAL」として館内各所でもお楽しみいただけます。ぜひご覧ください。
Profile
赤松加奈 Kana Akamatsu
1990 年生まれ 、奈良県在住 。
2013 年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース卒業
2015 年 京都造形芸術大学大学院 芸術表現専攻修了
以後関西を中心に活動している。群馬青年ビエンナーレ2019 大賞受賞。
結婚し農業をする傍ら絵を描き、また、高校やフリースクールなどで子どもたちと絵を通して交流を
してきた。農業風景の中にある生と死、そしておおらかで切実な周囲の人々の姿を描いている。
個展
2021 年「 赤松加奈 展 みんなの部屋」( 喜多美術館 / 奈良 )
2021 年「 赤松加奈 展 ここで描く」(galerie16/ 京都 )
2019 年「 赤松加奈 個展」( フォルテック一級建築士事務所 / 東京 )
2019 年「 新世代への視点 2019 赤松加奈展」( コバヤシ画廊 / 東京 )
2018 年「 真夏の窓辺」(フォルテック一級建築士事務所 / 東京 )
2015 年「 KANA AKAMATSU」(galerie16/ 京都 )
グループ展
2022 年「テラスアート湘南2022」( テラスモール湘南/ 神奈川)
2022 年「奈良・町家の芸術祭 HANARART 2022 こあ」「今から、生まれる」( 旧荒木邸/ 奈良)
2022 年「川村悦子&田嶋悦子 展 ー華と夢ー」( ギャラリー恵風/ 京都)
2022 年「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」(京都)
2022 年「奈良・町家の芸術祭 HANARART 2021 ArtShop」(Art-Space TARN/ 奈良)
2021 年「第28 回心に響く小品展」( ギャラリーヒルゲート/ 京都)
2020 年「小さな絵と小さなおうちと小さな木のもの展」( 和詩倶楽部 柳小路店 特設ギャラリー/ 京都)
2019 年「MESSAGE 2019」( コバヤシ画廊 / 東京 )( 以後 2020、2021)
2019 年「 群馬青年ビエンナーレ2019」(群馬県立近代美術館 / 群馬)
2017 年「銀座アート動物園2017」( ギャラリー杉野/ 東京)
2016 年「若いクリエーターによる合同展示」(The Terminal KYOTO/ 京都)
2013 年「キテ・ミテ中之島2013」(京阪電車駅構内/ 大阪)( 以後2014、2015)
2013 年「はじまりの部屋」( 康耀堂美術館/ 長野)
2012 年「奈良・町家の芸術祭 HANARART 2012」(/ 奈良)(以後2013)
入選・受賞
2019 年 群馬青年ビエンナーレ2019 大賞
2018 年 FACE2018 損保ジャパン日本興亜美術賞 審査員特別賞
2018 年 シェル美術賞2018 入選
2014 年 ワンダーシード2014 入選
パブリックコレクション
群馬県立近代美術館( 群馬)
https://www.kanaakamatsu.com/