開催情報
【期間】2021年10月23日(土) – 11月14日 (日)【開館時間】11:00 – 19:00
【休館日等】火曜・水曜
【料金】無料
会場
会場名:hakuwebサイト:https://www.haku-kyoto.com/
アクセス: 〒600-8032 京都府京都市下京区中之町566
電話番号:075-585-5959
概要
この度、haku kyotoでは高山 夏希の個展「water mirror intersect」を開催致します。本展覧会では、彼女が2021年から制作をはじめた「water mirror」シリーズを発表します。近年、高山は〈見えないもの〉の働きについて思索を巡らせ制作しています。その1つとして、目に見える水面に映り込む像と、目に見えない水の働きや性質を重ね合わせることで、それを捉えようと試みています。
高山の制作は、絵具を注射器に複数色入れ、粒状に絞り出しながら画面に積層しています。また、彫刻刀を使い、絵具を何層にも積層させることで、画面に凹凸が生まれ、様々な色が絡まり合っています。この独自の技法を用い、自然風景や人物、動物を表現することで、モチーフとなっている場面が刻一刻と変化していく様子や動き、そこにある空気感を感じさせてくれます。
本作に関して、彼女は次のように語っています。
「本作は、虚像の媒体として水を提示しているわけではない。水が反映する世界、私たちを包囲している<みえるもの-みえないもの>を含めた周囲に拡がる環境―光景を反照させている。 水そのものは物質であり、<みえないもの>物理化学的-生態的な特性を持つだけでなく、水鏡を絶えず変貌させるような、未知の特性や可能性をも含んでいる。そこには、水に内包されるもの-木が映り込むことによって像を生み出す水、そして、魚を繁殖させ微生物たちが住まう水がある。<みえるみず-みえないみず>。これら両義的に存在を重ね合わせてみた時に、陸や木々に棲まう魚の姿すら仮想することができるのではないか。経験と勘を統合した漁師が、夜の海面に集合灯の光を照らして稚魚を見つけるように。それは、少し先の未来<みえないもの>を予見して、<みえるもの>にはたらきかけている。このように<みえるもの-みえないもの>の結びつきに意識を働かせた時に、私たちは、今ある現実世界とは別様の新たな見方や、可能な現実性を生成しうるのではないだろうか。」
彼女独自の色彩表現から<みえるもの>として、水面に映るものが揺れ動き、水が流れる様をも作品の中に垣間見ることができます。しかし、<みえないもの>として存在する何かは鑑賞者の感覚や想像によって、人それぞれ違うものになるでしょう。
近年、インターネット上での繋がりやオンラインで見ること聞くことを取り上げられることが多くなっています。しかし、人間が生命として存在しているのは現実世界であり、人以外にも生き物や物体が存在しています。本展覧会を通して、オフラインな状態であっても、すでに私達は様々なものと繋がって生きているということを共に考えて頂きたい。そして、その繋がりを見たり、感じたりすることは私達の意識次第で、無限に広がるでしょう。
haku Director 渡邊賢太郎
◯ 高山 夏希 | Natsuki Takayama
Biography
1990年 東京生まれ
2014年 東京造形大学 造形学部美術学科 絵画専攻 卒業
2016年 東京造形大学大学院 造形研究科 美術専攻領域 修了
・Solo Exhibitions
2019年 DESIGNART TOKYO 2019『Mnēmosynē』(Brooks Brothers 青山本店/東京)
2019年 『EXPOSE』(GUM表参道/東京)
2018年 『Streak of light』(SOGO広島店/広島)
2018年 『Tangled Colors』(SOGO千葉店/千葉)
2018年 『Tangled Colors』(西武渋谷/東京)
2017年 『RIPPLE』(SLOW HOUSE 天王洲/東京)
2016年 IDEE Life in Art『space time continuum』(IDEE 六本木ミッドタウン店/東京)
2016年 高山夏希展 『絡まり合う距離まで』 藤井匡キュレーション(sagio/東京)
2016年 『Cosmetic Kosmos』(KOKI ARTS/東京)
2014年 『AS ONE』(H.P FRANCE WINDOW GALLERY 新丸ビル/東京)
2013年 『Natsuki Takayama exhibition』(KOKI ARTS/東京)
・Group Exhibitions
2021年 『HUMANITY』(Rikka Gallery 麻布台/東京)
2021年 『アートスロープ』(西武渋谷店/東京)
2021年 『偶然の地層の上で』howra(淺井裕介+高山夏希)EUKARYOTE/東京)
2020年 『山彦と水面鏡』(ターナーギャラリー/東京)
2020年 『池袋モンパルナス2.0芸術家が愛した「アトリエ村」のいま』(ターナーギャラリー/東京)
2020年 『VOCA展2020 現代美術の野望 -新しい平面の作家たち- 』(上野の森美術館/東京)
2019年 『群馬青年ビエンナーレ2019』(群馬県立近代美術館/群馬)
2018年 第71回展覧会『さよならに、塩と胡椒』(3331 Arts Chiyoda アキバタマビ21/東京)
2018年 『ファインアートコレクション』(松坂屋/愛知)
2018年 『ART WONDER LAND TAKANAWA』(リーガロイヤルホテル/大阪)
2018年 『プライベートセール』(西武渋谷店プラチナサロン/東京)
2017年 『QN』(QUIET NOISE Art and brake/東京)
2017年 品川インターシティ ART ミュージアム『OASIS』(品川インターシティパブリックスペース/東京)
2017年 『atmosphere』石橋夕帆 × 高山夏希 × Trapezoid architects (ART FOR THOUGHT/東京)
2016年 『神山財団芸術支援プログラム第2回卒業成果展』(銀座アートホール/東京)
2016年 『アート アワードトーキョー 丸の内2016』(丸ビル1階マルキューブ/東京)
2016年 第12回遊美工房特別企画展 『PARTY』(遊美工房/岡山)
2014年 『アート アワードトーキョー 丸の内2014』(東京駅 行幸地下ギャラリー/東京)
2014年 『ZOKEI賞 選抜作品展』(東京造形大学付属美術館/東京)
2014年 『ZOKEI展』(東京造形大学/東京)
・Awards
2016年 大賞 神山財団支援プログラム 成果展
2016年 後藤繁雄賞 アートアワードトーキョー丸の内2016
2014年 TURNER AMBASSADORS 2014
2014年 アッシュペーフランス賞 アートアワードトーキョー丸の内2014
2014年 ZOKEI賞 東京造形大学 修了制作展