• 2021年10月19日

開催情報

【作家】井口大輔
【期間】2021年9月18日(土)- 10月30日(土)
【開館時間】10:00 – 18:00
【休館日等】日・月休廊
【料金】無料

会場

会場名:現代美術 艸居
webサイト:http://gallery-sokyo.jp
アクセス: 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町 381-2
電話番号:Tel: 075-746-4456

概要

現代美術 艸居では「井口大輔 銹陶 ―深化―」を開催致します。井口は、古代の造形物のなんと もいえぬ力づよさ、時の経過により腐食していくモノの美しさに感化され、時の深さを作品に表現します。その作品は造形、質感、彩色をより深く探求する井口ならではの静かな佇まいを彷彿させます。 近年は美術館展や個展を開催、海外のアートフェアにも出品するなど国内外で更なる注目が集まっています。艸居で初の個展となる今展では、新作 17 点を含めた計 20 点を展示いたします。
「銹陶(しゅうとう)」とは、その錆びたような肌合いの作品に井口が自らつけた呼称です。成形して素焼きをした後、水で溶いた籾殻の灰を全面にむらなく吹き付けて焼成。焼き上がり後白く粉を吹いたようになる作品の表面をワイヤーブラシで磨いていくと、その下からこの独特な肌合いが現れます。「鉄の錆や苔むした石など、自然界で時の経過により朽ちていく表情に強く魅力を感じる」と 語る井口。この技法にたどり着くまでには、石や木など様々な素材を用いた⻑年の試行錯誤がありました。現在は籾殻の灰に何を混ぜるかによって色の表情を変えたりと新しい表現にも取り組んでいます。
また、井口の作品に特徴的なのは紐づくりによって形作られる柔らかな丸みと緊張感を帯びたシャープな輪郭です。さまざまな制作を進めていくにつれ、”器“という制約がある中で形にする難しさと面白さに魅了された井口は、「そのものの内側と外側、それが交わる線、そして素材の美しさを損なわぬよう、歪みなく緊張感のある造形を強く意識し、またそれらの魅力を引き出せるような彩色を心がけて制作している」と語ります。作品表面の細かな線条は細⻑く切り出したマスキングテープを一本一本丁寧に貼り付けて彩色することにより描き出されたもので、錆びた風合いの肌と共に作品のフォルムを一層引き立たせ、時の重なりを感じさせます。
自身の造形表現への飽くなき探求を繰り返し、ますますの深化を遂げている井口の「銹陶」の世界をこの機会にぜひご高覧ください。
井口大輔(いぐち・だいすけ)
1975 年栃木県生まれ。1998 年東北芸術工科大学芸術学部美術科陶芸卒業、1999 年栃木県窯業指導所研究生を修了したのち浦口雅行氏に師事。2004 年より栃木県真岡市にて制作を行う。 主な個展は 2018 年「Depth of Time/ THE CLAY ART OF IGUCHI DAISUKE」JOAN B MIRVISS(ニ ューヨーク・ニューヨーク・アメリカ)、2019 年「DAISUKE IGUCHI」PIERRE MARIE GIRAUD(ブ リュッセル・ベルギー)、2021 年「井口大輔 -銹陶- /DAISUKE IGUCHI -SHUTO-」阪急うめだ本店 7 階美術画廊など。主なグループ展には、2002 年「第 4 回益子陶芸展」、2012 年「茶の湯の現代」菊池寛実記念 智美術館(東京)、2013 年「笠間×益子 新世代の energy」茨城県陶芸美術館(笠間・茨城);益子陶芸美術館(2014 年巡回)(芳賀・栃木)、2014 年「現代・陶芸現象」茨城県陶芸 美術館(笠間・茨城)、2016 年「菊池寛実賞 工芸の現在」菊池寛実記念 智美術館(東京)、2018 年「工芸の教科書」栃木県立美術館(宇都宮・栃木)、2019 年「土と抽象 記憶が形に生まれると き」益子陶芸美術館(芳賀・栃木)など。受賞歴には 2008 年「第 7 回益子陶芸展」審査員特別 賞、2014 年「第 54 回東日本伝統工芸展」東京都知事賞、2019 年「第 14 回パラミタ陶芸大賞展」 大賞がある。コレクションには茨城県陶芸美術館(笠間・茨城)、益子陶芸美術館(芳賀・栃木)、 パラミタミュージアム(三重)、Arkansas Arts Center(現:Arkansas Museum of Fine Arts)(リトル ロック・アーカンソー・アメリカ)がある。