• 2014年09月11日

開催情報

【作家】
ふるさかはるか
【期間】2014年8月30日(土)〜 9月14日(日)
【料金】無料 

会場

会場名:Gallery PARC
webサイト:http://www.galleryparc.com/
アクセス:〒604-8082 京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル
[ル・グランマーブル カフェ クラッセ]2階
電話番号:075-231-0706
開館時間:11:00~19:00(金曜日のみ20:00まで、最終日は18:00まで)
休館日等:月曜日休み

概要

 ギャラリー・パルクでは、2014年8月30日[土]から9月14日[日]まで、「 トナカイ山のドゥオッジ : ふるさかはるか 展」を開催いたします。
 ふるさかはるか(1976~)は、自然素材の観察から生まれる木版画を制作しています。ふるさかは木版画を制作するにあたり、まず版木となる無垢の木の持つカタチやフシ、木目などと関わりながら図案を描いていきます。
 その木版画はいわゆる「彫り進み木版画」とも呼ばれる物で、ひとつの版木を彫って色を刷り、またその版木を彫り進めては刷るを繰り返すものです。最終的に版画が刷り上がった時には版木は最後の刷りの状態に彫られており、後から同じ版画を刷ることが不可能なこの手法は、いわゆる量産・複製可能な印刷としての版画の特徴と相反する要素を持つもので、ふるさかはこれまでに多くこの手法を用いて版画制作に取り組んでいます。また、その版木にのせる絵の具は、身近な土を掘り集めて水に溶き、沈殿させて漉した「土絵の具」を多く用い、淡く不確かにも見える独特の色彩を紙に重ねてゆきます。
 時に版木の木目さえもが写し取られた画面には、ふるさかが見て・聞いて・感じた経験を基に、木に向き合う制作過程にあった偶然や必然、土や木や紙という自然素材との関わり合いなどの様々な要素が交錯し、そこにひとつの画を結びます。
 ふるさかはこれまで、3度に渡ってノルウェー北極圏・ラップランド地域に暮らす北欧の先住民族であるサーミの人びとを訪れています。時には2ヶ月に及んで関わり・暮らし、たくさん話しをするなかで強く感じ取った「自然から受け取った素材の形を借りて自然に還す」というサーミ人の美学・哲学は、身近な自然素材に必要最小限に関わり、その要素を最大限に用いるふるさかの制作姿勢と重なるものです。
 本展では、なかでもトナカイの遊牧生活を営む彼らと関わりの深い手工芸品ドゥオッジ(Duodji)にまつわる言葉を書き留めたものを基に、木が版木となって再び木に戻る「彫り進み」による水彩木版画による作品を中心に発表します。
 ドゥオッジにみるサーミの美学・哲学に習い、書き留めた言葉を基に、日ごろから収集している土や木を用い、細やかな彫りによる線の集積によるおよそ10点の木版画とともに、その版木、土絵の具のインスタレーション、トナカイの声、ブーツなどを展示します。

プロフィール

ふるさかはるか|Furusaka Haruka

身近にとれる土から絵具をつくるなど、自然素材の観察から生まれる木版画を制作。フィンランド、ノルウェーなど極北での滞在制作をはじめ、国内外のアーティスト・イン・レジデンスや大学、国際会議などで、日本の風土で育まれた水彩木版画技法のデモンストレーションや作品発表を多数行う。2010年より「木版画アトリエ空中山荘」を立ち上げ、水彩木版画教室を開講。2012年にはフィリピン山岳地方の学校での環境教育プログラムで、土絵具と木版画によるワークショップや展覧会を開催するなど、木版画の自然素材を通して異なる時代や風土を読み替える作品・場づくりを展開している
www.harukafurusaka.net/