開催情報
【作家】二藤建人
【期間】2014年3月9日(日)〜3月23日(日)
【料金】無料
http://am-news.tumblr.com/post/77699575188/3-9-23
会場
会場名:Antenna Mediawebサイト:http://antenna-media.com/
アクセス:〒600-8059 京都府京都市下京区麩屋町通五条上る下鱗形町563
電話番号:050-3722-8945
開館時間:14:00~19:00
休廊日:月曜日
概要
本展は東京を拠点に活動する気鋭作家・二藤建人による個展です。京都では初の発表となります。2011年に第14回 岡本太郎現代芸術賞展入選(川崎市岡本太郎美術館/神奈川)、同年トーキョーワンダーウォール公募2011にて審査委員長賞受賞し、その後も東京での長期レジデンスや海外レジデンスに参加。「触れる」「抱きしめる」といった触覚的な体験を独自の方法で作品として発表し続ける。作品制作のみならずパフォーマンスも精力的に展開する彼の活動は、映像・インスタレーション、他作家とのコラボレーションと多岐にわたる。
本展では今日を生きる私たちに降り注ぐあらゆる宿命を「傘の内側に降る雨」と題し、新作を発表します。是非ご高覧下さい。
作家の言葉
彼女が身重になった。
それからというもの、僕はパチンコ屋でバイトを始めたり、彼女の両親に美術を続けながらどう家族を養うのかプレゼンしたりしながら、ああ、こんな俺に父親が務まるのだろうかと不安になりながらも、毎日を慌ただしく過ごしている。
選挙があれば投票にも行くが、選んだ候補はいつも落選するし、選ばれた人たちは着々と良からぬ準備を進めている様に見える。
身から出た錆の更なる酸化に、湿った風が拍車を掛けると、時々子供に戻ったようにダダを捏ねたくもなる。「一週間ほど宇宙旅行に。でも戻ってくる場所はもとの故郷。」
そう、僕が人として生まれ、今此処に生きているという事実から逃れることも出来なければ、誰かのせいにも出来ない。そこに多少の無力感はあるが絶望はない。
そんなこんなで今回「傘の内側に降る雨」という展覧会を開催します。
傘を差して雨を凌ぐ人の姿は、人と環境、そして創作の関係を「図式的に」と言っても良い程にクリアに示ししています。雨に濡れるという、本来享受せざるを得ない結果を、傘の発明によって回避するということは、自然の中で自らを線引きし、新たな宿命を切り拓いてきた人の性質がよく現れています。僕たちの祖先はそんなふうにして、言葉を綴り、家を建て、共同体を作り、制度を定める事によって、自分たちをあらゆる脅威、不可思議から遠ざけ、今ある生活を手に入れたのでしょう。
傘の内側に降る雨は、その外側に降る雨とは全く違ったものです。
それは言うなれば、傘を差なければ降る事のなかった雨で、今を生きる僕たちがいつどこにいても浴び続けている雨のことです。
そんな雨に僕は心当たりがあって、ずっと感じていたことを今回、形にしてみようと思いました。
プロフィール
二藤建人1986年 埼玉県生まれ
2010年 武蔵野美術大学 彫刻学科卒業
2012年 東京藝術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻 修了
発表歴
2013年 「山頂の谷底に触れる」 < florist_gallery N / 愛知 >
2013年 台湾・日本芸術文化交流事業「Do it yourself, Brain massage —可塑的な身体と術— 」 <東京藝術大学 / 東京 > (グループ展)
2013年 「FLUXUS FORECAST」 < The National Art Studio, Goyang / ゴヤン、韓国 > (グループ展)
2013年 トーキョーストーリー第一章「今、此処」 < トーキョーワンダーサイト本郷 / 東京 > (グループ展)
2013年 「祭りか山か」 < 拝借景 / 茨城> (グループ展)
2012年 国立奥多摩美術館「青梅ゆかりの名宝展」 < 国立奥多摩美術館 / 東京 > (グループ展) 2012年 「全身を以て認めざるを得ない」 < GALLERY TERRA TOKYO / 東京 >
2012年 「不測に向かって放り込む」 < トーキョーワンダーサイト本郷 / 東京 >
2012年 「standpoint / かつての真上」 < florist_gallery N / 愛知 >
2011年 「「第14回 岡本太郎現代芸術賞展」 < 川崎市岡本太郎美術館 / 神奈川 > (グループ展)
2011年 「トーキョーワンダーウォール2011公募入選作品展」 < 東京都現代美術館 / 東京 > (グループ展)
2011年 「走って流して山ができた」 < 梅乃湯 / 東京 > (グループ展)
2010年 「洗い流せるものじゃない!」 < florist_gallery N / 愛知 >