HAPSが制作に協力した展覧会のお知らせです。

概要

「アトリエみつしま企画展 まなざす身体」

会期:2022年10月1日(土)〜10月30日(日) 
会場:アトリエみつしま(〒603-8215 京都市北区紫野下門前町44)
休館日:月曜日 ※ただし、10月10日(月・祝)は開館、10月11日(火)は休館
開廊時間:11:00〜18:00
観覧料:500円(小学生以下、障害者手帳をお持ちの方と付添者1名は無料)

主催:アトリエみつしま
助成:独立行政法人日本芸術文化振興会 芸術文化復興基金、公益財団法人花王芸術・科学財団 芸術文化助成
協力:一般社団法人HAPS
出展作家:池上恵一、伊庭靖子、しらとりけんじ+新谷佐知子・吉田亮人、中ハシ克シゲ、光島貴之
広報デザイン:鯵坂兼充(iTohen)

https://mtsm.jimdofree.com

展覧会概要

 まなざしとは「何かを見ている人の目の様子」を指しますが、私たちは相手の目を見ずともまなざしを感じたり、その人全体から発せられる心の向きをまなざしと捉えていたりもします。そのように考えると、心のあり方を伝える媒介としてのまなざしは、目という器官を超えた身体そのものの現象として、私たちの感情生活に寄り添っているとも考えられるのではないでしょうか。
 本展では、しらとりけんじ・光島貴之という2名の全盲の作家、および、池上恵一・伊庭靖子・中ハシ克シゲという3名の晴眼の作家を迎え、まなざしの身体性をテーマとした展示をおこないます。本展の問いかけに対し、見えない者と見える者がそれぞれの立場から応答した作品群をとおして、みなさまが新たなまなざしと出会うきっかけとなることを願っています。

関連イベント

〈関連企画 ① トークイベント〉
日時:2022年10月2日(日)14:00〜16:00
概要:出展作家によるギャラリートーク(YouTubeにて配信予定あり)
テーマ:「まなざしと美術」
登壇者:池上恵一、伊庭靖子、しらとりけんじ、中ハシ克シゲ、光島貴之
司会:山下 里加(京都芸術大学・教授)
定員:20名(事前予約制)

〈関連企画 ② 対話鑑賞イベント〉
日時:2022年10月16日(日)14:00〜16:00
概要:視覚に障害のある人と一緒に出展作品を数点言葉で鑑賞します。
定員:10名(事前予約制)
※各イベントの参加には展覧会の観覧料が必要となります。

〈参加申し込み方法〉
以下の項目をご入力の上、atelier.mtsm@gmail.com までメールにてお申し込みください。
メール件名:まなざす身体 イベント参加申し込み
メール本文:①お名前、②携帯番号、③障害の有無、④参加希望日程とイベント名

アーティストプロフィール

池上恵一(いけがみ けいいち)
1972年大阪生まれ。京都精華大学大学院美術研究科修了。病弱だった幼少期、父の食養法に救われる。以来、健康とは何かを意識しさまざまな手技療法や武術を習得。みえないけれども身体にうまれる「凝り」に魅了され、その感触を絵画、彫刻で表現する。自身の肩こりを日々記録した作品『肩凝リズム』が第5回岡本太郎記念現代芸術賞 特別賞を受賞。その他、大自然からマッサージする『Enargy Flow』パフォーマンス、凝りを視覚化して「いのちを感じる」ワークショップ、凝りを音楽に変換するプロジェクト、障がいのある人たちとつくる演劇にも関わる。

伊庭靖子(いば やすこ)
陶器、クッション、風景といった身近な対象物をモティーフに、自ら撮影した写真をもとに油彩画等を制作。モティーフがまとう光や質感、あるいは画家の眼と対象との間にある距離や空気を描写する作品を通して、色彩、光、物質の関係を探求する。主な個展に「伊庭靖子展 まなざしのあわい」(2019年、東京都美術館/東京)、「伊庭靖子展─まばゆさの在処─」(2009年、神奈川県立近代美術館/神奈川)。グループ展に「みつめる──見ることの不思議と向き合う作家たち──」(2019年、群馬県立館林美術館)、「感覚の領域 今、「経験する」ということ」(2022年、国立国際美術館/大阪)など。

しらとり けんじ+新谷佐知子・吉田亮人
写真家。2005年くらいから、デジタルカメラで写真を撮り始める。一人で歩くときに撮影するのが、習慣のようになっている。酔っぱらって調子に乗ると、やたらと撮りまくることもある。シャッターボタンを押した時点で、ほとんど完結していて、その後のことについては、あまり興味がなく、所有欲も少ないことは、当初から一貫しています。2014年、水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城県)ヂョン・ヨンドゥ「地上の道のように」作品協力。2021年、はじまりの美術館(福島県)、「(た)よりあい、(た)よりあう。」に出展。
※本展示は、しらとり けんじと新谷佐知子(アーティスト)、吉田亮人(写真家)による共同制作です。

中ハシ克シゲ(なかはし かつしげ)
1955年香川県生まれ。1976年東京造形大学美術学科彫刻研究室修了。作風を変えながら一貫して日本の彫刻とは何かを問いかける作品を制作している。近年は、日本伝統の住環境に似合う彫刻を探求する中で、乾燥後に実材化する水粘土を自ら開発して干泥彫刻と名付けて発表する。また、その制作と前後して、自らの視覚を閉ざして触覚のみによる彫刻も始めている。2015年京都府文化功労賞受賞。2020年度京都市文化功労賞受賞。2021年度よんでん芸術文化賞受賞。

光島貴之(みつしま たかゆき)
1954年京都生まれ、在住。10歳ごろに失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。1998年、「’98アートパラリンピック長野」大賞・銀賞を受賞。他作家とコラボレーションした「触覚連画」の制作や、2012年より「触覚コラージュ」といった新たな表現手法を探求している。2019年「MOTサテライト2019 ひろがる地図」(東京都現代美術館)、2021年「光島貴之展 でこ・ぼこ・ながの」(長野県立美術館)、2022年「みる冒険 ゆらぐ感覚」(愛媛県美術館)など。