Requiem for the Sun: The Art of Mono-ha. Catalogue Image: Honda Shingo, No. 16, 1969, installation at Tamura Gallery, Tokyo, July 7–13, 1969.

GLOBAL ART TALK 031「キュレーターとしての役割・発展」by 吉竹美香(インディペンデント・キュレーター)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で美術史の博士課程在籍中から欧米の様々な美術館でキュレーターとしてキャリアを重ねた主要な展覧会のいくつかを取り上げます。
美術館とギャラリーの展覧会企画の違いや、私自身が企画した展覧会と美術館から依頼を受けたプロジェクトとの差異などを考慮すると、キュレーターとしての役割は以下に分けられます:1)国際巡回展コーディネーション/リエゾン(2005―2010)、2)美術館キュレーター:ハーシュホーン美術館と彫刻庭園(2011–2018)、3)Blum&Poe特別企画キュレーター(2012、2019)、4)インディペンデント・キュレーター(2018―現在)。
日本の近・現代美術史の受容、国際巡回展の企画、カタログ作成、パブリック・プログラムなどにおける様々な文化通訳の仕事、そして現在手がけている気候変動と環境・社会的正義の関係性を検討します。
(吉竹美香)

概要

日時:2021年12月11日(土)10:30〜12:00
料金:無料(要申込み) 
定員:500名
*新型コロナウィルス感染症予防対策のため、オンラインでのトークといたします。また、社会情勢により開催を中止することがありますのでご了承ください。
*事前にオンラインでの参加方法をメールにてご案内いたします。
*日英逐次通訳あり。

主催:京都芸術大学大学院、一般社団法人HAPS

講師プロフィール

吉竹美香(インディペンデント・キュレーター)
ハーシュホーン美術館と彫刻庭園(ワシントンD.C.)元キュレーター(2011–2018年)。カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)より修士号および博士号取得。博士論文をもとに「太陽へのレクイエム:もの派の芸術」(Blum & Poe、ロサンゼルス、2012年)を企画し、国際美術評論家連盟アメリカ支部(AICA-USA)より受賞。開催予定も含む主な展覧会=草間彌生の北米巡回展 「Yayoi Kusama: Infinity Mirrors」(ハーシュホーン美術館と彫刻庭園、ワシントンD.C.、 2017–2019年)、「パレルゴン:1980-90年代日本美術」(Blum & Poe、ロサンゼルス、2019年)、「奈良美智 国際回顧展」(ロサンゼルス・カウンティ美術館、2021年、ゲストキュレーター)、草間彌生展「KUSAMA:Cosmic Nature」(ニューヨーク植物園、2021年、ゲストキュレーター)。草間彌生回顧展「Yayoi Kusama: 1945–Now」(M+、香港、2022年、ドリュン・チョンとの共同企画)、「息(る):気候変動と社会正義(Breath(e): Towards Climate and Social Justice)」(ハマー美術館、ロサンゼルス、2024年、グレン海乃との共同企画)。また、村上隆回顧展「©MURAKAMI」(ロサンゼルス現代美術館、2007年)、李禹煥回顧展「Lee Ufan: Marking Infinity」(グッゲンハイム美術館、2011年)にも携わり、カタログに寄稿。「ターゲット・プラクティス」(シアトル美術館、2009年)、 「東京1955-1970:新しい前衛」(ニューヨーク近代美術館、2012年)「カール・アンドレ:場所の彫刻1958–2010」(Dia Art Foundation、2014年)のカタログにも寄稿。

申込み・お問合せ

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京都芸術大学×HAPS グローバル・アート・トーク 031 申込フォーム
お問合せ先:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp

GLOBAL ART TALK By KUA x HAPS 

<現代アートで京都と世界をつなぐ>
現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する一般社団法人HAPSの「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
京都芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

参考画像

Album Covers, Black Editions Archive. Installation view, Parergon: Japanese Art of the 1980s and 1990s. Curated by Mika Yoshitake. Los Angeles: Blum & Poe, 2019.
Photo: Heather Rasmussen


Catalogue Cover, Topologies. Curated by Mika Yoshitake. The Rachofsky Warehouse, 2018. Cover Image: Seung-taek Lee, Photo: Kevin Todora