Social Work / Art Conference(SW/AC)が協力する展示のお知らせです。

概要

CONNECT⇄_ 障害のある人の「つくること」を巡るトークシリーズ 「実はよく知らないんだよ。だから 聞いてみようと思う。(中原) 」 の声と手話による映像の展示
https://connect-art.jp/program/kcma-01/
会期:2021年12月3日(金)~9日(木)10:00~18:00
会場:京都市京セラ美術館 本館 光の広間(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
休館日:月曜日
主催:文化庁/京都市京セラ美術館
協力:社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会/社会福祉法人全国手話研修センター/Social Work / Art Conference(一般社団法人HAPS)

概要

「つくる」は、障害のある人ない人を問わず、子供か大人かを問わず、どんな社会に属するかを問わず、人が太古の昔から行ってきたことです。そのくらいに「つくる」は、人にとって、ほんとうに大切で根源的な行いであり、美術館は、その「つくる」を中心に据えるべき公共機関だと考えています。
京都市京セラ美術館の今年の「CONNECT⇄_」では、障害者アートあるいはアール・ブリュットという呼び方をそのまま受け取るのではなく、そう呼ばれるようになった経緯を遡ることで、より深く「つくる」について探ってみようと考えました。
そこで、「つくる」ことを専門とする人つまりアーティストを一人選び、その人に「つくる」立場から、さまざまな関係者を訪ねてもらい、多くのことを教わっていくプロジェクトを立ち上げました。それがトークシリーズ「実はよく知らないんだよ、だから聞いてみようと思う。(中原)」です。
京都市京セラ美術館の「光の広間」でご覧いただくのは、このトークシリーズをもとにプロジェクトチームが制作した映像の展示です。
 

トークシリーズについて

私には、芸術、作品、作家、創作といった言葉や概念を使うことなく、自分自身の営為を説明したいという気持ちがあります。そのことが、今回のトークシリーズで誰にどんな話をどんな角度から聞こうとしたかを、かなり偏ったものにしていると思います。また、聞きたいままに聞いてみることを優先させてもらったので、バリアフリーも含めて様々な人たちと共有する考慮をしないままの収録となっています。そんなトークにお付き合いくださった皆さま、そしてそれを素材として渡され、美術館での展示に変換することに挑んでくださった皆さまに感謝します。
(実はあるトークの後で、そもそも立派な大人になりたくてこの道に進もうとしたんじゃなかったことをハッと思い出しました。生な収録データもアーカイブされていく予定です。どのトークの後?と思った方は機会があれば潜ってみてください。)
−中原浩大
 

「CONNECT⇄_」について


CONNECT⇄__は、アートを通して多様性や共生社会について考えるプロジェクト。
2016~19年まで東京で開催されてきた「ここから展」のコンセプトを引き継ぎ、障害のある方の芸術活動の支援、鑑賞機会の拡充、さらには障害の有無にかかわらず共に芸術文化を通して相互理解を深めることを目的に、2020年から始まった取り組みです。
2020年度は「芸術・身体・デザインをひらく」をテーマに、京都の文化ゾーン岡崎地域にあるさまざまな文化施設が、展示やワークショップ、オンライン・プログラム等を展開しました。さらに哲学者の鷲田清一氏、京都市京セラ美術館長の青木淳氏、前京都国立近代美術館長の柳原正樹氏によるスペシャル鼎談「共生社会における文化施設のあり方について」をはじめ、文化施設の壁を越えてともに語り合い、考え、実践する機会にもなりました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、文化施設へのアクセスや、文化芸術を介した人と人の関わり合いについて、新たな可能性を模索することが急務となっています。2020年度事業では当初、作品にふれて楽しむなど五感をつかった鑑賞ワークショップや特別支援学校の子どもたちとの特別プログラム等を企画していましたが物理的な接触や密を避けるという観点から、いくつかのプログラムは実施を見送らざるを得ない状況となりました。
2021年度のCONNECT⇄__では“つながる、つづく、ひろがる”を合言葉に、岡崎地域から京都市域、京都府域へ取組を展開。芸術文化を通して、さまざまな人と人、人と文化が「CONNECTする(つながる)」ことの可能性や意義について、この機会にみんなで一緒に考えてみませんか。
  

Social Work / Art Conference(SW/AC)について

 

 
アートとともにわたしたちの豊かさを交換する
少子高齢化の進展、貧困世帯の増大、ジェンダー格差、障害を持つ人々の社会参加など現代社会は様々な課題や困難を抱えています。社会を覆う閉塞感を感じ取ったアーティストや彼ら/彼女らを支える実務家たちは現場に向かい、美術や演劇、音楽などの表現を通して関わった人や場の可能性を引き出してきました。それは同時に、社会とアートの関係性を見直すことにつながり、アート領域の拡張を予感させます。
これまでHAPSは、京都市の計画に基づき、「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」を通して、アートをきっかけに様々な立場の人が関わり合う共生社会を実現するための取り組みを実施してきました。しかし、こうしたアー卜の取り組みの認知度は低く、また知っていたとしても十分な経験の共有や分析を得ずに終わってしまうことも少なくありません。
そうした状況を踏まえ、HAPSでは従来の相談事業を拡張させた、「Social Work / Art Conference」を新たに始めます。私たちは、人間の尊厳や価値を擁護する「Social Work」 の理念と、社会に対し刺激的に問いを投げかける「Art」とを結びつけることで、多様な意見を交換し合える「Conference」の場を作っていきます。相談に来られた方々がアー卜や表現の意味を深く感じ、社会へとよりひらかれた活動を行なっていくためのサポートを提供します。
そして人々、もの、場、組織、さらには思考に至るまで、広くその関わりを促すことで、それらの相互作用の質が高まり、より豊かな社会活動の実践と日常の営みが実現される未来を目指します。
http://haps-kyoto.com/swac