Zhang Ding作品に写る上海浦東 Fuxing美術館にて (2020)  撮影:金澤韻

GLOBAL ART TALK 027「上海アートシーンの観察(2020~21前半)」by 金澤韻(キュレーター)
日本の美術館に12年勤務、ニューヨークで研修、ロンドンの大学院で学び、ヨーロッパのいくつかの国で展覧会に携わった。それぞれの土地における美術の考え方、仕事のやり方にはもちろん違いがあったが、いま住んでいる上海のそれと比較すると、自分の経験してきたものがまるで一括りにできるような気がしてしまう。
中国随一の商業都市、上海には、2600万人が住み、美術館は100館ほど。二つの大きなアートフェアと、上海ビエンナーレが定期開催される。ここでアートは発展途上なのではなく、別の生態系を形成し、爛熟している。私の目から見た上海を共有してもらうことで、アートがこの世にいろんな姿で存在することを感じてもらえれば・・・と思う。(金澤韻)

概要

日時:2021年6月18日(金)18:30〜20:00
料金:無料(要申込み) 
定員:500名
*新型コロナウィルス感染症予防対策のため、今回はオンラインで開催させていただきます。また、社会情勢により開催を中止させていただくことがございますのでご了承ください。
*事前にオンライン・トークへのアクセス情報をメールにてご案内いたします。
*トークは日本語のみとなります。ご了承ください。

主催:京都芸術大学大学院、一般社団法人HAPS
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講師プロフィール

金澤韻(かなざわ・こだま/キュレーター)
現代美術キュレーター。東京藝術大学大学院、英国 Royal College of Art(RCA)修了。熊本市現代美術館など公立館での12年にわたる勤務ののち、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。国内外で展覧会企画多数。近年企画・参画した主な展覧会に、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020、杭州繊維芸術三年展(浙江美術館ほか、杭州、2019)、AKI INOMATA、毛利悠子、ラファエル・ローゼンダール個展(いずれも十和田市現代美術館、青森、2018~2019)、Enfance(パレ・ド・トーキョー、パリ、2018)、茨城県北芸術祭(茨城県6市町、2016)など。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。

申込み・お問合せ

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京都芸術大学×HAPS グローバル・アート・トーク 027 申込フォーム
お問合せ先:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp

GLOBAL ART TALK By KUA x HAPS 

<現代アートで京都と世界をつなぐ>
現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する一般社団法人HAPSの「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
京都芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

参考画像

「2020芸術拳力ランキング」Tang Dixing Studio (2020) 写真提供:Tang Dixing 撮影:Sensend

「洞 Su Chang個展」ShanghART M50 (2021) 撮影:金澤韻