GLOBAL ART TALK 022「新しい日常に順応することへの拒絶」by ジュン・ヤン〈楊俊〉(アーティスト)
今回は、複数都市を拠点に活躍されているアーティストのジュン・ヤンさんをお招きしてコロナ禍の生活についてお話を伺います。
「今日は9月7日です。ウィルスが蔓延して既に半年が経とうとしていますが、私たちが知っていた過去の世界や生活には未だ戻れていません。私の生活はすっかり激変してしまい、新しい日常に順応することができずにいます。先週実施した私のパフォーマンス(松根充和氏と共演)は台北アートフェスティバルのために予定されていましたが、海外渡航の制限によって彼は台北に来訪することができませんでした。そこで、私たちは、新しいストーリーつまり、一人で舞台にたつ私の映像に、ウィーンから送信されてくる彼の音声を重ね合わせるという上映スタイルを創り上げました。この作品は、COVI-19の時代におけるアートと私たちの現状についてお互いに記しあった手紙によって構成されています。今回、おそらく、その中からいくつかの手紙を読み上げてみようと思っています。京都芸術大学グローバル・セミナーのゲスト講師として、本来であれば2週間京都に滞在するはずでしたが、「新しい日常」によって、私はその期間を数ヶ月に伸ばすことにしました。7名の学生とのオンライン授業ですが、6月から2週間おきに定期的なコンタクトをとっています。距離が生まれたことによって、私はこのグループをより身近に感じるようになっています。」(ジュン・ヤン)

概要

日時:2020年9月23日(水)18:30-20:00
料金:無料(要申込み) 
定員:100名
*新型コロナウィルス感染症予防対策のため、今回はオンライン・トークで開催させていただきます。
 また、社会情勢により開催を中止させていただくことがございますのでご了承ください。
*事前にオンライン・トークへのアクセス情報をメールにてご案内いたします。
*日英逐次通訳あり

主催:京都芸術大学大学院、一般社団法人HAPS
チラシのダウンロード

講師プロフィール

ジュン・ヤン〈楊俊〉
アーティスト。ウィーン、台北、横浜を拠点に、映画、インスタレーション、パフォーマンス、公共空間でのプロジェクトなど幅広いメディウムを含んだ作品を制作する。これまでに、シドニー・ビエンナーレ、光州ビエンナーレ、台北ビエンナーレ、リバプール・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレ、マニフェスタ4に参加。常に視覚芸術、ビジネスそして政治との間の重複や交錯に関心を抱く彼の実践は、(ライプツィヒ現代美術館GfZKで開催された)gfzk garten、ホテルParis Syndrom、カフェParis Syndromや、台北現代アートセンターの設立につながったa contemporary art centre, taipei (a proposal)、台北ビエンナーレ08など、食文化や施設に関するプロジェクトに代表される。ウィーンのレストラン・バーra’mienやレオポルド美術館のカフェ・レオポルドの共同設立者。

申込み・お問合せ

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京都芸術大学×HAPS グローバル・アート・トーク 022
お問合せ先:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp

GLOBAL ART TALK By KUAD x HAPS 

<現代アートで京都と世界をつなぐ>
現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
 京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する一般社団法人HAPSの「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
京都芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

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